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 日本の検察、具体的には那覇地検、福岡高検、最高検が揃いも揃って三権分立と言う日本国憲法の原則も大憲章=マグナカルタ=法の前の平等も吹き飛ばして「日中関係に配慮する」と言う政治的判断をやらかし、「その判断を政府が良とした=飽くまでも判断したのは検察であって政府じゃないのよ。それでも政府は日中友好のためならかまわないのよ。」と日本政府が公言してはばからないのは、記憶に新しいどころか忘れようったって忘れられない、否、決して忘れるべきではないところであるが、報じられているニュージーランドの海保当局ってのも、相当な「政治的配慮」をするものらしい。

 それを言うならば、AFP通信の政治的配慮と言うのも相当なものである事も、特筆大書すべきだろう。何しろ、当該衝突事件の際には、SS側の発表①「捕鯨船に衝突されてアディギル号が沈没した。」②「捕鯨船に衝突されて大破したアディギル号が、曵航して帰港途中に沈没した。」を右から左に何の注釈も釈明も無く報道し、なおかつ③「アディ・ギル号は曵航途中で放棄されており、漂流中に日本側捕鯨船に発見された」と言うことは報じた形跡がないのであるから、AFPの報道姿勢がわかるというものだ。
 
1度目AG号、衝突されて沈没と言うSS  シー・シェパードの「未来型抗議船」、日本船と衝突し沈没 http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/environment/2679824/5128868
2度目AG号「曳航中に沈没」と言うSS  アディ・ギル号、船体に浸水して沈没 http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/environment/2680503/5137788
 
 今回の報道は、豪州に続くニュージーランドの海保当局=海上保安当局(Maritime New Zealand、MNZ)の発表を受けて、
 
1> 捕鯨船がアディ・ギル号を沈めるため意図的に衝突した証拠はなかったとする
2> 報告書を発表した。
 とAFPは報じている。

 元々豪州にせよニュージーランドにせよ、SSからの我が捕鯨船団に対する「海賊行為」告発を受けての調査であるからしかたが無いと言えば仕方がないが、「捕鯨船がアディ・ギル号を沈めるため意図的に衝突した証拠」と言うのは、腹に据えかねるものがある。がまあこれは、「そんな証拠は無かった。」と言っているのだから、我が捕鯨船団が濡れ衣着せられなかっただけ、よしとする事も出来よう。
 
 が、問題はその先だ。
 
3> MNZは、第2昭南丸とアディ・ギル号のいずれにも、
4> 意図的に衝突を引き起こした証拠はなく、
 
 つまり、我が捕鯨船団の衝突された当の第2昭南丸から撮影された動画も、SSのアディ・ギルから撮影された動画も、いずれも「国家機密」などに指定される事も無くYou Tube上に全世界大公開されているが、ニュージーランドの海保当局はこれらの動画を証拠として採用しなかったか、SSと我が捕鯨船団いずれの責とするにも不十分なものであると判断した事になる。
 
 
日本語版】シーシェパード完全自爆!アディギル号からの眺め     http://www.youtube.com/watch?v=st4edRalfLY&feature=player_embedded

 
 もし証拠として採用しなかったのならば、ニュージーランド海保当局は極東裁判並みの恣意的証拠選択を行った事になる。そいつは人種差別主義者としては当然の行動かもしれないが、司法の立場にある者としては、普通は一大汚点であろう。
 
 もし、我が捕鯨船団のビデオもSSのビデオも見た上で、判断が出来ないのだとしたら、ニュージーランド海上保安局と言うのは、途轍もなく無能な調査機関と言う事になる。
 
 さらにAFP報道は伝える。
5> 「双方が衝突の危険に対し適切に対処しなかったのが原因だった」と結論。
6> 衝突前、第2昭南丸はアディ・ギル号に向けて進路を変え、
7> アディ・ギル号は回避行動として加速前進したが、
8> 互いに「国際的な衝突防止規則を順守しなかった」と指摘し、
9> いずれの船長の起訴も勧告しなかった。
 
 さあ、ここまで来るとニュージーランド海上保安局の支離滅裂ぶりは正しくSS並みだ。何しろ上記の様にYou Tube上で公開されている双方撮影の動画を責任判定には不十分と判断したとしても、アディ・ギル号がその船首=舳を破壊して大破しているのは、あまたの静止画像からも明らかだ。それに対して上記7>ではアディ・ギル号が「回避行動として加速前進した」事になっている。
 
 アディ・ギル号が「回避行動として加速前進した」ら「船首=舳を損傷して大破してしまった」などと言うのは、アディ・ギル号の船長が錯乱していたか麻薬にラリっていたかしない限りあり得ない様な誤判断だ。
 
 上記6>~7>のように両船が行動していたとすると、第2昭南丸は舳をアディ・ギル号のほうに向けて進路上に捉え、一方アディ・ギル号はその第2昭南丸進路上から逃れようとしているとしか考えようが無い。そうでなければ「回避行動として加速前進」なぞする理由は、柳田法相ぐらい船舶のプロならいざ知らず、私の様なただの海軍マニア・海洋マニアには想像も出来ない。この場合衝突が起こるとしたら、アディ・ギル号が「加速前進しての回避に失敗」したときであり、アディ・ギル号の損傷は側面又は船尾になるはずである。
 
 言い換えよう。
 アディ・ギル号が衝突前に「加速前進」し、なおかつ船首を大破している事を認めるならば、アディ・ギル号の衝突前の行動=加速前進は、回避行動ではありえない。それは、錯乱や信じ難いほどの誤判断により「回避を意図した」可能性をまだ残すものの、物理現象としては「体当たり攻撃」としか解釈のしようがない。
 その程度の判断をするのには、海事法に精通する必要も、船舶のプロである必要も無い。まっとうに考える頭があれば十分だ。
 
 ニュージーランド海上保安局にはそれが無いことになる。
 そうでなければ上記8>の妙な理屈で上記5>「双方が衝突の危険に対し適切に対処しなかったのが原因だった」なんて結論を出せよう筈が無い。
 
 確かに、アディ・ギル号が「適切に対処しなかった」のは明らかだ。「加速前進して船首=舳をぶつけた」のであるから、上記の通り体当たり攻撃を敢行したことは間違いない。
 で、我が捕鯨船団の第2昭南丸に、一体どんな「適切な対処」を求めているのだ?ニュージーランド海上保安局は。

 急制動か?だが、YouTube上に公開された動画の示すところでは、アディ・ギル号は第2昭南丸をその進路上に捕らえた上で加速前進させている。急制動は、仮に急速後進であってもとても間に合うものではない。

 急加速か?アディ・ギル号の進路上から逃れるのには、まだ現実的だ。だがアディ・ギル号は世界一周の新記録を出してしまうほどの高速艇だ。その体当たり攻撃を逃れるほどの急加速を、捕鯨船にしか過ぎない第2昭南丸に要求するのは、あまりに一方的だろう。非常用ロケットブースタでも装備していない限り、そんな芸当は出来そうにない。それとてディーゼル機関で最高50ktを誇るアディ・ギル号の追撃を、振り切れるものではないが。

 急転舵はさらに困難だ。急制動としての効果もあるはずではあるが、動画を見る限り、進路上に第2昭南丸を捕らえたアディ・ギル号の体当たり攻撃を回避する急転舵は、突入してくるアディ・ギル号とは反対側に転舵して進路をアディ・ギル号と平行にして、アディ・ギル号に対して曝す面積を減らすしかないだろうが、急制動としての効果は第2昭南丸をアディ・ギル号の進路上にとどめるし、アディ・ギル号が意図した衝突=体当たり攻撃を敢行しているのならば、これを回避するにはアディ・ギル号以上の高速で逃げないといけない。つまり、公称50kt以上の高速を必要とする。第2昭南丸にそんな能力があるならば、アディ・ギル号が「アースレース」時代に打ち立てた最短期間世界一周の記録は第2昭南丸によって破れる筈だ。
 
 結論付ければ、ニュージーランド海上保安局は、「SSに対する配慮」と言う政治的判断をしているか、SS並みに錯乱しているのである
 これでは、ニュージーランド近海の安全も治安も、保てよう筈が無い。海上保安局が、海賊を支援しているのだ。
 海上司法当局の、面汚しと言うべきだろう。
 
 ニュージーランド海上保安局に、「面」なんて高等なものがあれば、だが。
 

 いま様コメントに基づく衝突状況の作図。

イメージ 1

 私が、「ニュージーランド海保当局の報告書の航跡図」を見ずに此の記事を書いていることは率直に認めなければならない。が、此の記事は、添付した捕鯨船側・第2昭南丸から撮影した衝突状況と、SS側「反捕鯨抗議船」から撮影して動画、及び相当「わかりにくく」なっているがAG号から撮影した衝突状況の動画は見ており、これらが「物的証拠物件A」であると考える。

 「ニュージーランド海保当局の報告書の航跡図」は、恐らくは衝突した両船の航法装置からのデータを元にしたモノであろうが、上記の動画群が捏造や特撮でない限り、その航跡図は「物的証拠物件A」を覆すものではない筈だ。
 
 故に・・・私の主張は今以って変わらない。
 
 SSのAG号はもろに我が捕鯨船団の進路を横切り、アイセーフであるかどうかも疑わしいレーザー照射を実施している。
 まだAG号が洋上投棄される前の、在りし日の映像。合掌。
 

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