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 報じられているのは、中国の民主活動家・劉暁波(Liu Xiaobo)氏に対して送られたノーベル平和賞に対する、中国の英字新聞・環球時報の社説。報じているAFP通信は「中国英語メディア」などと言っているが、中国のマスコミは須く「党の口舌=中国共産党の宣伝機関」であるから、此は中国共産党が英字新聞読者向けに表明したがっているメッセージであり、その意味では政府見解だと考えて間違いない。何しろ、、NHKはじめとする国外メディアのノーベル平和賞報道が中国国内では一時中断されたぐらいの1984国家である。環球時報なる「中国メディア」に載る記事なぞ、中国共産党政府御用達の提灯記事以外の何者でもない。
 
 とは言え、宣伝は宣伝と承知で効いていれば、相応に役に立つものである。で、今回の「党の口舌」に曰く、
 
1> 社説は、ノーベル平和賞は「反中という目的に使われる政治的道具に成り下がっている」と続け、
2> さらに亡命しているチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ(Dalai Lama)14世が1989年の同賞を受賞したことにも関連づけ、
3> 「過去30年にわたり最も著しい経済的・社会的発展を遂げた国に対し、
4> ノーベル賞委員会は今一度、自らの傲慢さと偏見を露呈した。
5> この2人のどちらも近年の中国の平和と成長に貢献していない」と強く反発したした。
 さて、上から順番に行こうか。
 上記1>、ノーベル平和賞というのが一種の政治的道具であることは間違いないだろう。だが、それを「反中という目的に使われる」と断じるならば、未だ記憶に新しい昨年のオバマ合衆国大統領の受賞はどうなるのか。彼が果たしてノーベル平和賞に値する、或いはこれから値するようになるかは確かに疑問であるが、その受賞理由は彼がとりあえず演説にはした「核兵器廃絶」に対してであることは、疑いようがない。であるならば、オバマ大統領へのノーベル平和賞が反中であるとすると、「中国は核廃絶を推進しない」と公言することになる。
 
 そりゃ、本音はそんなところだろうさ。であればこそ、縦から見ても横から見ても防衛的であるはずのミサイル防衛にすらロシアともども反対して見せているのだ。
 まあ、隠していた本音がついこぼれた、か・・・或いはもっと積極的に、先頃の尖閣侵略やら、「核心的利益」宣言と同様に「核廃絶を目指す」なんてお為ごかしはついに止めたか、いずれかであろう。
 
 上記2> はダライラマ師のノーベル平和賞受賞。此は事実の追認でどうと言うこと無いが、歴史を捏造しなかった( 例えば、「ノーベル平和賞を受賞したのはパンチェンラマだった」とか。」)だけ、見つけものだろう。
 
 で上記3>4>は・・・要は中国を、ノーベル平和賞受賞に関して特別扱いしろと行っているのだ。平たい話が、「ノーベル平和賞を売れ。その授与権をよこせ。」と中国は要求しているのである。
 
 その極めつけが上記5>だ。ノーベル平和賞は、その呼び名からして「世界の平和に貢献した、或いはしてくれそうな人に与えられる賞」であるというのに・・・・
> この2人(ダライラマ師と劉暁波氏)のどちらも近年の中国の平和と成長に貢献していない
つまり、世界平和ではなく、中国平和=中国共産党政権の安定に寄与した者にこそ、ノーベル平和賞を贈れと、環球時報は、中国共産党政権は、堂々と公言して憚らないのである。
 
 傲岸不遜というか、唯我独尊というか・・・・
 
 傲慢無礼者、共に天を頂かず。   -軍歌「元寇」-
 
 軍歌「元寇」に謳われる元軍は、基本的にはモンゴル族(半島人の案内つき)であり、今の中共の中心である漢民族とは異なるはずであるが、上記の「評価」は今も当てはまるし、今の方がより切実であろう。
 
 対中冷戦に備えよ。
 無論、熱戦への備えあっての、冷戦だ。
 
Parabellum! 対中国冷戦に備えよ  http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/33737820.html