応援いただけるならば、クリックを⇒ https://www.blogmura.com/
小林源文と言う漫画家が居る。「漫画家」というと怒られるかも知れない。「劇画家」と言わないと。
漫画と劇画の厳密な違いは私には良く判らないが、デフォルメや簡略化を極力排し、リアルに描いた絵が劇画であろう。小林源文氏はそれまで表紙や1枚絵などのイラストでしかなかったリアルな劇画を以ってストーリー漫画を描いてしまうと言う「劇画家」の先駆者である、と私は認識している。
であればこそ、小林氏の作品は、そのリアルな絵を活かした戦争物もしくはそれに準じたSF物が多い。第2次大戦のドイツ軍を主人公にした「黒騎士物語」「カンプグルッペZbv」「狼の砲声」。同じく第2次大戦モノの「街道上の怪物」。現代戦になると「オメガ7」「レイド・オン・トーキョー」などだ。SFったって「パンツァー・ゲイツ」も「士官候補生ハイト」も、戦争物の臭いがぷんぷんする。
独特なリアルなタッチとアルファベットで書かれた擬音( Gebobobobobo! Ktow!ktow!ktow! いずれも銃声。)を特徴とする小林氏の作品の中で異色中の異色なのが、今回取り上げた「Cat Shit One」だ。
戦争物なのである。元は、ベトナム戦争を背景に描いていた。
但し、人間は全く出てこない。主人公を含めたアメリカ人はウサギ。ベトナム人は山岳民族含めて猫。ロシア人は熊、中国人はパンダ、フランス人は豚、イギリス人はネズミ、オーストラリア人はカンガルー、日本人は猿またはゴリラで、鳥獣戯画よろしくリアルに描かれた戦争物なのである。タイトルの「Cat Shit One」は主人公パッキーのコールサインであり、このパッキー、主人公になるだけあって凄腕の勇士なのだ・・・・ウサギだけれど。
あろう事か、その異色中の異色作「Cat Shit One」がアニメ映画になるそうだ。宣伝の動画が以下にあるURL。
どうやらパッキー達はヴェトナムから現代の中東へ転戦したらしい。ついでに言うと、アラブ人はラクダなんだな。ラクダの2足直立歩行ってのは、結構来るモノがあるが、カラシニコフ突撃銃や毎度おなじみRPG-7をぶっ放すぐらいだから、歩くのなんて朝飯前だな。
渋いぞ!パッキー!!
<追記>
上記のYouTube無料公開は終了してしまったが、DVDとブルーレイディスクが販売されているとの由。購入検討に価しよう。