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 報じられているのは、仙石官房長官の大臣規範違反疑惑。
 報じられている通り、大臣規範により閣僚は在任中兼職を禁じられて居るのに対し、仙石官房長官は複数の企業から顧問弁護士料を受け取っている事が判明し、産経webがこのことを踏まえて「大臣規範に抵触の畏れ」と記事にしたそうである。
 
 報じられるところではこの記事に対し、「官邸サイドから非公式な形で電話連絡」に於いて以下のように指摘されたと言う。
 
1> 「何を持って『大臣規範』に抵触すると言っているのか」
2> 「大臣規範は法律ではない。
3> (首相の)許可と言っても緩いものだ。
4> もう少し慎重になったほうがいい」
5> 「内閣総務官室にきちんと取材はしたのか。
6> いましてみろ。
7> 抵触だなんて言えなくなる」
 インターネット公開の数時間後と言うから、中々良いレスポンスであるが、非公式であり、「官邸サイド」とぼやかされてはいるが、この言い草は仙石官房長官本人を思わせる。少なくとも、この「官邸サイド」氏は仙石長官本人級の傲慢さを露にしている。
 それは兎も角、「官邸サイド」氏には気の毒な事ながら、上記報道記者は内閣総務官室に取材済みであり、文書による「首相の許可」が無い事を確認済みだった。
 上記1>及び3>の通り「官邸サイド」氏はのたもうて居るが、問題の大臣規範はゆるかろうがなんだろうが、首相の許可がない限り官房長官の兼職が認められない事は明らかだ。
 それがあらぬか再度内閣総務官室を取材すると、次のような回答だったという。
 
内1> 「官房長官室から連絡があり、
内2> 総理と直接話して了解を取っているとのことです。
内3> 条文には文書でなければいけないという決まりはなく、
内4> 了承をもらったのがいつとは聞いていないが、
内5> 了承を得たという以上は問題ない」
内6> 「大臣規範に抵触するものではない」とした。
> なぜ最初の取材の際にそう答えなかったのかとの問いには答えず、
> 官房長官室から連絡を受けた時期については
内7> 「いつだったか…」と間を開けた上で、「記憶にない」
 
 つまり件の「官邸サイド」氏の主張・上記3>は、「首相に口頭でさえ許可を取っていれば良いのだから、文書による許可なぞ無くても良い。口頭許可なら物的証拠は残らないのだから、「大臣規範」違反なんて、そうそう立証されない。」であり、逆に言えば上記6>及び7>は「首相から口頭で予め許可はとってあったと、内閣総務官室には宣言したから、最早仙石官房長官と菅首相が口裏合わせる限り、アリバイは成立し、「大臣規範違反」は成立しない。完全犯罪だ。」と主張しているように聴こえてならない。
 
 所詮上記2>で「官邸サイド」氏が主張している通り、「大臣規範は法律ではない」のだから。
 
 左様、「普天間基地問題3月末政府案決定」や宮内庁内規と同様に、法律ではない。
 
 それを言うなら、マニュフェストだって公約だって法律ではない。法律でないものは守らなくて良いと考えるのが鳩山前民主党党首であり、件の「官邸サイド」氏であり、と言う事は恐らくは民主党体質そのもであろうとの類推も働く。
 
 「マニュフェストは生物だ。」と言い、前回衆院選挙のマニュフェストと今回衆院選挙のマニュフェストが大いに異なり、その何れにも記載されていない外国人参政権法や夫婦別姓法を水面下で推進しているのが民主党であることを考えれば、報じられる仙石官房長官の大臣規範違反も、それをとがめられての件の「官邸サイド」氏の対応と言い、至極当然といえば当然である。
 
 しかしながら、公約も、口約束も、マニュフェストも、「法律ではない」と守らないような政党を、一体誰が信用するのだろうか?
 
 ああ、無論、昨年の衆院選挙ではそれでも「国民に信頼」され、民主党が大勝し、「政権交代」を実現したのは紛れもなければ(*1)どうしようもない事実である。また先の首相交代劇による現政権支持率のV字回復は、昨夏衆院選の余波が今なお存続している可能性を示唆している。今回の参院選挙で再び民主党=現政権を信任・信用してしまう可能性をも。
 
 ところで、この「法律ではない」大臣規範によれば、閣僚の「自由業従事」に必要なのは「国務大臣にあっては内閣総理大臣の、副大臣等にあってはその上司である国務大臣の許可を要する」ばかりでなく、その許可の前提に「やむを得ず従事する場合には」とある。
 仙石官房長官は、一体如何なる「やむを得ぬ事情」により複数企業の弁護士として顧問料を頂く仕儀と相成ったのか。菅首相共々説明義務があると考えるのだが、いかがであろうか。
 
 尤も、鳩山前首相や小沢前幹事長が億の単位で「政治と金の問題」を引き起こしてあの程度の説明と「引責辞任」で済ましてしまっている民主党が、自浄作用でそんな説明を果たすか、甚だ疑問である。(否、断ジテ行ウマイ。)
 今度の日曜日は参院選挙投票日である。民主党自信が、「民主党の信任をかけた選挙」と位置づけている。
 
 私は、一国民として適う限り、現政権=民主党に正義の鉄槌を喰らわす心算である。
 
 たとえ我が鉄槌が、先の衆院選挙で蟷螂の斧にもなりはしなかったとしても。
 
 「我々は歩き続ける。
  だが、永遠に歩き続ける心算はない。」 -ジャンシ「最後の国境線 The Last Fronteer」-

<注釈>
(*1)
 実に腹立たしい事に。