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1. Peace Maker

Peace Maker と言うと有名なのはコルトの回転式拳銃(上掲写真参照。写真はwikipediaから)。正式名称はColt Single Action Army 45と言い、別名Six ShooterとかP-Modelとか「ピーメ」とも呼ばれるし、 銃身の長さでキャバルリー(騎兵用 7 1/2インチ 上掲写真はこれね。)だのシビリアン(一般市民用 4 3/4インチ)だのアーティラリーもしくはフロンティア( 砲兵用5 1/2インチ。(※1))果てはヴァントライン・スペシャル( 12インチ=30センチ)だのと区別されたりする。
「津軽には七つの雪が降るく」と言うが、アメリカじゃ4種類以上のコルトSAA45がある訳であり、それだけ、アメリカ人にとって馴染みの深い銃と言うことだろう。
45口径6連発を基本モデルとするコルトPeace Makerは、「西部劇でおなじみ」と言うより、コルトPeace Makerの登場しない西部劇を探す方が難しいほどの「西部を征服した銃」とも言われる名拳銃だ。
「主人公の使う銃がPeace Makerではない西部劇」に限定しても、相当難しい。クリント・イーストウッド主演の「ペイル・ライダー」(※2)と「シノーラ」(※3)ぐらいしか思い浮かばない。( 漫画ならば、REDもFLASHも、ピーメじゃないな。)
「回転式拳銃の基礎を確立した。」なんて評価もあるぐらいの名銃であるが、近代的な回転式拳銃と比べると、ダブルアクションが効かない(※4)こととか、中折れ式でもスイングアウト式でもないため1発ずつサイドゲートあけての装填で時間がかかるとか、欠点も目立つ。
「回転式拳銃の基礎を確立した。」なんて評価もあるぐらいの名銃であるが、近代的な回転式拳銃と比べると、ダブルアクションが効かない(※4)こととか、中折れ式でもスイングアウト式でもないため1発ずつサイドゲートあけての装填で時間がかかるとか、欠点も目立つ。
ただし、コルトPeace Makerの時代、中折れ式はあってもまだスイングアウト式はないし、中折れ式は装填は楽だが耐久性と頑丈さに難がある。ダブルアクションもあるにはあったがまだ機構が洗練されていなかったのか、殆ど普及していない。
であるからして、西部劇でジョン・ウエインが、クリント・イーストウッドが、リー・バン・クリーフが、ヘンリー・フォンダが、チャールズ・ブロンソンが、・・・あまたのヒーロー達がコルトPeace Makerを颯爽と振り回すのは正しいのである。(断言)
であるからして、西部劇でジョン・ウエインが、クリント・イーストウッドが、リー・バン・クリーフが、ヘンリー・フォンダが、チャールズ・ブロンソンが、・・・あまたのヒーロー達がコルトPeace Makerを颯爽と振り回すのは正しいのである。(断言)
<注釈>
(※1) と言う事は、昔は騎兵の方が砲兵より長い銃身の拳銃を使っていたのかな。ルガーP-08のアーティラリー砲兵モデルは、8インチの銃身を誇るが。
(※2) Cap & Ballの古いリボルバー・・・コルトネイビーか、ドラグーンだったかな。
(※3) モーゼル・ミリタリー推参。時代からするとC96の筈だが、マカロニウエスタンだと結構良い加減だからな。
(※4) 何しろ、Single Action Armyだ。
2. 平和を「作る」もの
所で、拳銃、それも45口径なんて拳銃としてほぼ最大口径の回転式拳銃≒やたらにでかい(※1)拳銃にPeace Makerと言うネーミングは中々アメリカ的(※2)と言えよう。
Peace Maker直訳すれば「平和製造業」。「平和」を「製造」するには武力が必要と言う思想であり、その武力を供給するからこそ、拳銃にPeace Maker と名付けたのだろう。無論そのPeaceの中身は「人間同士の平和=戦争のない状態」というのもさることながら、熊や狼のような猛獣達から身を守り、人間のテリトリー=村や町を確立する、「平安」という意味も、「西部開拓時代のアメリカ」では込められていたと思って間違いなさそうだ。
Peace Maker直訳すれば「平和製造業」。「平和」を「製造」するには武力が必要と言う思想であり、その武力を供給するからこそ、拳銃にPeace Maker と名付けたのだろう。無論そのPeaceの中身は「人間同士の平和=戦争のない状態」というのもさることながら、熊や狼のような猛獣達から身を守り、人間のテリトリー=村や町を確立する、「平安」という意味も、「西部開拓時代のアメリカ」では込められていたと思って間違いなさそうだ。
<注釈>
(※1) 回転式拳銃の機関部は、自動拳銃に対してどうしても大きくなる。銃身長があるので機関部だけでは拳銃の大きさは決まらないが。
(※2) 少なくとも、日本人には一寸馴染みがない。太刀に「平安丸」とか名付けるようなモノだ。
3.コンベアB-36 戦略爆撃機

さはさりながら、Peace Makerと名付けられた兵器はコルトの拳銃ばかりではない。
サイズ的には大分大きくなる(※1)が、コンベアB-36爆撃機(上掲写真右側。写真はwikipediaから)もまたPeace Makerと名付けられた。戦略爆撃で日本を敗北に導いたボーイングB-29スーパーフォートレス( 上掲写真左側。こうして比べると、小さいけれど・・・)の後継機であり、冷戦時代黎明期の戦略爆撃機。レシプロエンジン6発をプッシャー式即ち主翼後縁に後ろ向きに並べた上、更に外翼にジェットエンジンポッドを連装2基装備した、空前絶後のジェット・レシプロ混合十発(※2)機だ。
冷戦時代の戦略爆撃機であるB-36の第1の任務は、一朝事があったときに( 地上でやられてしまう前に)すかさず離陸して一路敵国を目指し、モスクワなり北京なりの敵国都市に核爆弾を落とし、核報復を実施する事である(※3)。つまりコンベアB-36Peace Maker爆撃機は核攻撃力と言う武力を供給する事でPeaceを Makeしていた訳だ。
サイズ的には大分大きくなる(※1)が、コンベアB-36爆撃機(上掲写真右側。写真はwikipediaから)もまたPeace Makerと名付けられた。戦略爆撃で日本を敗北に導いたボーイングB-29スーパーフォートレス( 上掲写真左側。こうして比べると、小さいけれど・・・)の後継機であり、冷戦時代黎明期の戦略爆撃機。レシプロエンジン6発をプッシャー式即ち主翼後縁に後ろ向きに並べた上、更に外翼にジェットエンジンポッドを連装2基装備した、空前絶後のジェット・レシプロ混合十発(※2)機だ。
冷戦時代の戦略爆撃機であるB-36の第1の任務は、一朝事があったときに( 地上でやられてしまう前に)すかさず離陸して一路敵国を目指し、モスクワなり北京なりの敵国都市に核爆弾を落とし、核報復を実施する事である(※3)。つまりコンベアB-36Peace Maker爆撃機は核攻撃力と言う武力を供給する事でPeaceを Makeしていた訳だ。
TNT換算量にしてメガトンクラスのPeace Makeと言う事になる。
<注釈>
(※1) 何しろ、「史上初の核爆撃実施者」B-29を「中型爆撃機」に蹴落してしまった大きさだ。
添付した写真がその理由を如実に表していよう。
(※2) レシプロ6発+ジェット4発。でジェットの方が補助動力と言うところが、「時代」と言えば「時代」だ。なお、上傾写真では、まだジェット「補助」エンジンは積んでいない。
(※3) 核先制攻撃を敢行するのでなければ、ね。
4.平和を維持するもの
因みに今米本土に配備されているICBM大陸間弾道弾の名はPeace Keeper「平和維持者」。
コンベアB-36はとうの昔に退役し、その戦略爆撃任務=敵国に対する核攻撃任務はボーイングB-52ストラトフォートレスが引き継いだ。「平和製造業者」から「戦略的要塞」への引継だ。
因みにPeace Keeperの前任に当たるICBNはミニットマン=独立戦争時代の米国民兵と名付けられていた。
戦略爆撃機 Peace Maker。ICBM Peace Keeper。
これらのネーミングに、平和は、与えられるものでも降って来る物でもなく、自ら作り出す物であり、而して絶対にデフォルト状態ではない、と言う思想を見るべきであろう。さらには平和のの維持とて並大抵の事ではないという思想を。
Frieden In Der Hand
平和を、我が手に。