応援いただけるならば、クリックを⇒ https://www.blogmura.com/
 
 AFP通信が報じ、産経webも以下URLにて報じているのは、日本の捕鯨船に刃物を持って侵入して逮捕され、現在日本にて裁判中の反日テロ団体シー・シェパード(以下SSと省略)所属・元高速テロ船Ady Gill号船長ピート・ベスーン(Pete Bethune)被告を、そのSSが除名したと言う報道。 
SS、ベスーン被告を除名「弓矢持ち込み、容認できず」  http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100609/crm1006090743003-n1.htm
 除名の理由は、何とまあ、以下のように報じられている。
 
1> SSの超高速捕鯨抗議船「アディ・ギル(Ady Gil)号」に弓と矢を持ち込んだが、
2> これはSSの「攻撃的だが非暴力の直接行動」という活動方針に反するとしている。
3> この弓矢が調査捕鯨船に対して使用されたことはなく、
4> ベスーン被告も人間に対して使用する意図はなかったものの、
5> SSの抗議活動に弓矢を持ち込んだこと自体が、同団体として容認できな
い 
 
 「何とまあ」と私が驚くのは幾つか理由がある。
 先ず第一に、ベスーン被告が「弓と矢を持ち込んだ」と言うAdy Gill号は既にこの世になく、それどころかSS自身が2度に渡って未だ沈んでも居ないAdy Gill号を「沈んだ」「沈んだ」と以下URLの通り報道させていた事を想起するからである。当たり前だがベスーン被告がAdy Gill号に弓矢を持ち込むのは、まだAdy Gill号が存命中即ち浮上航行している内でなければならない。即ち、今年1月以前しかそんな事は出来ない。
 
1度目AG号、衝突されて沈没と言うSS  シー・シェパードの「未来型抗議船」、日本船と衝突し沈没 http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/environment/2679824/5128868
2度目AG号「曳航中に沈没」と言うSS  アディ・ギル号、船体に浸水して沈没 http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/environment/2680503/5137788
 
 あまつさえ、そのベスーン被告がAdy Gill号に持ち込んだとされる弓矢の内矢は、SSが「曳航中に沈没した」と上記で主張しながら、実質海洋投棄であったが故にまだ浮いている内に発見されたAdy Gill号の船内から、我が捕鯨船団に回収され、写真も公開されている。
シー・シェパードが抗議船を海に放棄 殺傷力ある矢発見 水産庁 http://sankei.jp.msn.com/world/asia/100108/asi1001081128003-n1.htm
 
 殺傷能力ある弓矢をAdy Gill号に持ち込む事が「攻撃的だが非暴力の直接行動」という活動方針に反する」とするならば、どう遅く考えても、この水産庁発表≒洋上投棄されたAdy Gill号沈没以前で無ければ理屈が通らない。
 それが今頃になって、「活動方針に反する弓矢をAdy Gill号に持ち込んだ罪でベスーン被告を除名」と言うのは奇怪である。

 「日本の裁判で旗色の悪くなってきた(*1)ベスーン被告を除名する事で、SSに対するダメージを局限する」即ち「トカゲの尻尾切り」を意図したものではないかと、邪推するに足る「遅れ」である。
 
 私が驚いた第2の理由は上記3>の「ベスーン被告(でさえ)もこの弓矢は人間に対し使う意図が無かった。」と言う主張である。一体、ベスーン被告が弓矢をAdy Gill号に持ち込んだ事をSSが知らず( そうでなければ、活動方針に反するような危険な弓矢をSSが看過していた理由がつかない。)、ベスーン被告自身がその弓矢を「人間に対して使う意図が無かった」とするならば、何だって「我が捕鯨船団に対し矢を射掛けるAdy Gill号」なんて動画が公開されているのか。
 
SSを批難する「テキサス親父」殿  
 
 「そんなものは日本政府の捏造だ」と切ってしまうとすると、その捏造に符合するような「本物の弓矢」をベスーン被告が「秘密裏に」Ady Gill号に持ち込んでいると言うのは「偶然の一致」であって状況証拠ではないと主張する心算か。(*2)捏造なら弓矢なんて生易しいことは言わず銃器でも火砲でも、何でもありだろう。
 私が驚いた第3の理由は、上記2>SSの「攻撃的だが非暴力の直接行動」という活動方針だ。そもそもベスーン被告が船長を勤めていたAdy Gill号からして我が捕鯨船に対し体当たりを懸けてきている事は、以下の日本側動画からも、SS側の撮影映像からもほぼ自明である。衝突事故を自ら引き起こす所作を、「非暴力」とは片腹痛い。
 
衝突状況を日本側から撮影  http://video.mainichi.co.jp/viewvideo.jspx?Movie=48227968/48227968peevee291545.flv   
 
【日本語版】シーシェパード完全自爆!アディギル号からの眺め    
 
 仮に衝突事故の原因は裁判の争点だから「断じる事はできない」としたとしても、SSは自ら認めている通り我が捕鯨船団に対し酪酸の入ったビンをぶつけて来ている。それも投擲どころか(*3)火薬式と思しきランチャーまで持ち出して我が捕鯨船団を攻撃している。このランチャーが意味するところは、射程の延伸、初速の増大であり、「空のガラス瓶」であったとしても殺傷能力が増していると言う事である。
 更には、酪酸弾だ。上記SS方針に沿っているはずの酪酸弾を、SSは弓矢ほどに危険ではないと主張しており、それどころかベスーン被告の裁判では「オーガニックだから酪酸は無害だ。」などと言う狂信的主張を展開している。
 「オーガニックだから無害」ならば、毒蛇毒蜘蛛毒蠍等の毒で死ぬ人間など居ない筈だ。これらの生物毒だってオーガニックなのだから
 
 もっと言うならば、酪酸弾を打ち込むのと同じランチャーは、あの白髭デブッチョ・ポール・ワトソン代表も発射している写真や動画が公開されている。つまり、酪酸弾と同様にこのランチャーもまた「攻撃的だが非暴力」と言うSS方針に沿ったもののはずだ。何しろポール・ワトソン代表御自らのお墨付きなのだから。
 もしその通りであるならば、被告席に立つベスーン被告めがけて件のランチャーで酪酸弾を一斉射撃しても、大きな音がして驚くし、一寸臭いばかりで、健康上は全く問題ないはずである。
 
 SSは、その主張の正しさを証明するために、上記の通りベスーン被告に対する酪酸弾射撃を実施すべきである。
 
 参考までに書いておくと、日本のウィキペディアでは酪酸の事を下記の通り「水生生物に有害」「環境中への放出を禁じる」と明記している。言うまでもないだろうが「水生生物」にはSSが保護を叫んでいる筈の鯨類も含む。
 
>  危険性 [編集]
> 皮膚や粘膜に対する腐食性があり、水生生物に有害。
> ICSCでは「漏洩物処理」項目で、環境中への放出を禁じている

 
 このウイキペディア記述もまた、日本政府の捏造だと信じるならば、SSはベスーン被告に対する上記の酪酸弾射撃を実施すべきである。
 
 それは、SS主張によれば、「攻撃的だが非暴力」の筈なのだから。

<注釈>
(*1) 公平・公明正大な裁判である限り、SSやベスーン被告の旗色が良かろうはずはないのだが。恐らくは反日的日本人の活躍に期待したのだろう。
(*2) もしくは、「日本政府の優秀な情報網は、同情しているSS乗組員さえ見落としたベスーン被告の隠し持つ弓矢のことを知っていた。」あるいは「そもそもベスーン被告は日本政府の回し者である。」か?
(*3) 仮にそうであっても、また仮に空瓶であっても、ガラス瓶が人に当たって砕ければ、無事では済むまい。何処が「非暴力」なのかサッパリわからない。