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 以下の経緯は番号順になっており、(1)は「変心、変身、また変針」まで遡る。
 
 前回「「鳩山首相の努力」を探せ!」以降の経緯を纏める。前回までの記事は以下URLに独立させた。
http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/32456004.html
 
 
(201) 平成22年05月24日(月) 報じられているのは、タイトルこそ「反省の弁」であるが、あいも変わらず不可解と言うか不可思議なまでの自信を見せる鳩山首相である。
 首相官邸にて、記者団に対して鳩山首相曰く。
1> 「自分の発言という重さを感じながら、
2> できる限りそれに沿うようにと努力してきた。
3> なかなか、その意に沿わないこともあったことも率直に認めなければならないと
4> 反省している」
5> 「新たな国づくりに向けて力強い発信をしている姿も認めていただきたい」
 さて、先ず上記1>~3>について率直に言おう。当ブログ普天間基地移設問題シリーズの先回の経緯記事を「鳩山首相の努力を探せ!」としたのは、その「鳩山首相の努力」が形跡痕跡すらも、私には認められないからである。
 そもそも、本シリーズ開始以前、政権交代以来2回も重ねた日米主米首脳会談の間に何の努力も理解も議論もしないまま、「①普天間基地移設問題は早期に解決します(現行日米合意案を前提条件とするか否かで齟齬がある事を理解しながら、隠して。) ②そのための日米作業部会を作ります( ①で前提条件に齟齬があっては、作業などしようがないのに。)」の2点について日米首脳間で同意しておいて、さらにはTrust Meと大見得切っておいて、翌日にひっくり返して見せたのである。
 2回に渡る日米首脳会談で、何の努力もしないまま。
 それ以降本件を追い続けているが、辛うじて努力の痕跡と言えるのは「沖縄駐留の米海兵隊が抑止力であることを理解した。」と言う一点だけ。こんなものは私に言わせれば、「民主主義国家の国民が常識として理解すべき事」だ。( その抑止力の要否判定は別として、抑止力足りうるという一点は。)
 つまり鳩山首相及び民主党が政権交代時に決定的に欠落していた安全保障上の常識を、この一点に限り辛うじて備えた、と言うのみである。
 そんな程度で上記2>「努力してきた。」だの上記3>「意に沿わない事もあった」だの上記4>「反省している」と言われたところで、笑止千万と言うべきだろう。
 更に厚顔無恥であるのは上記5>である。
 「新たな国づくりに向けて力強い発信」なんて、鳩山首相、民主党、現政権が、一体何をいつ何処へ向けて発信したと言うのか?
 友愛ボートか?
 東アジア共同体か??
 ひょっとして外国人参政権と、外国人住民基本法の事か??????!!!!!
 「認めていただきたい」だと?却下だ。
首相“言葉の軽さ”反省の弁  http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100524/plc1005242203014-n1.htm
 
(202) 平成22年05月25日(火) 福島社民党首が、この日沖縄を訪問し、県知事や名護市長やらと会見し、普天間基地のい辺野古移設反対の意思を表明するのだそうだ。
 これを受けて鳩山首相は記者団に曰く。
1> 「閣僚として行くのは今、この立場でいかがなものかと思う」と語り、強い不快感を表明した。
2> ただ、「社民党党首の立場で行くのはやむをえない」とも述べた。
 つまり、「首相発言」や「日米合意」に予定されている普天間基地の辺野古移設について、閣内不一致は好ましくないが、政権内不一致は構わないと言う「連立維持を重視した」柔軟な思考といえないこともない。
 が、こんな閣僚抱えた閣議の「首相発言」が「内閣統一意見」では絶対にありえないし、況や政権案ではもっとありえない。
 何度も書いて「指にタコ」であるが、28日予定の「首相発言」は、「米側に辛うじて了解された民主党案」以上のものではなく、形式上ですら「決着」とは呼びようがない。
島氏の訪沖に首相が不快感 「いかがなものか」 http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100525/plc1005250839003-n1.htm
 
(203)平成22年05月25日(火) 直嶋正行経済産業相は25日の閣議後会見で普天間基地移設問題に対する社民党の対応を次のように批判した。
1> 「世の中に向かって3党合意違反だと繰り返すのは問題だ」
2> 「3党合意では沖縄の負担軽減に取り組むことを確認しただけ。内容を曲解している」
3> 連立与党の一員として事態の収拾に努力すべきだとして、
4> 「むしろ火を付けてまわるのはどうかと思う。」
 上記2>は普天間基地問題Watcherとしては首肯しかねる。遡る事可也になるが、「協議は踊る」の通し番号(43)に記録した通り、少なくとも当初の「3党合意」は、「普天間基地移設先は3党で決めよう。今は決めない。」であった筈だ。
 それを上記2>のようにしたと言う記憶は私にはない。
 私が記事なり報道なりを見落とした可能性はあるが、「3党合意の内容を曲解しているのは、直嶋経産相ではないか?」と言う疑義を免れない。
普天間移設先「当分決めず」=与党幹部が見通し http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091214-00000180-jij-pol
 尤も私は、「政権連立三党の合意よりも、沖縄県やその他移設先の合意よりも、日米両政府の合意の方が優先であるし、日本の安全は更に優先である。」と主張し続けているから、方便としての直嶋経産相の「曲解」は、ありうる手段と肯んじてしまうが。
「3党合意を曲解」直嶋経産相、普天間で社民党批判  http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100525/plc1005251036006-n1.htm
 
(204) 平成22年05月26日(水) 連立政権離脱をちらつかせながら、離脱することなく、閣議了解に署名しないとしながら、堂々と「政府方針」に反している社民党の暴走と、それを許容している鳩山首相を描く産経の記事。曰く、社民党は「護憲勢力の受け皿」となるべく「ケンガイダァコクガイダァ」と喚いているという分析。
 真実であるならば、そんな事で社民党を受け皿にしてしまう「護憲勢力」なるものは、( 案の定)ろくなもんじゃないのだが、特に注目すべきなのは、その記事の終盤であろう。
1> 慌てた民主党の山岡賢次国対委員長は25日の与党国対委員長会談で
2> 「県外・国外移設と3党連立体制強化を追求する」とした「覚書」締結を提案した。
3> 直後に小沢一郎幹事長が「普天間は官邸でやるべきだ」と“鶴の一声”を出し、
4> 協議は首相官邸と社民党で進めることになった。
5> 首相は25日夜も記者団に「福島氏の社民党党首としての発言は分かります」と理解を示した。
6> 与党にとどまるにせよ、連立離脱するにせよ、福島氏が「移設反対」を訴えることにリスクはない。
7> 首相と民主党はますますへりくだり、国の安全保障は根底からゆがめられていく。
 先ず以って私なんぞに理解不能なのは、民主・山岡国体院長が締結を提案したという上記2>の「覚書」である。「3党連立体制強化」はまあ、勝手にやればよい「お家の事情」でしかないが、「県外・国外移設」を「追及」と言うのは、もうすぐ出るという「首相演説」の眼目「普天間基地の辺野古移設(但し工法そのほかは先送り)」を真っ向から否定するものである。社民党が「県内移設」を否定する以上、これに阿ればこうなるのは当たり前だが、かような「覚書の締結」は、昨年第2回日米首脳会談後に鳩山首相が実施した「Trust Meひっくり返し」の民主党版=拡大発展悪質化版である。
 「仏の顔は三度」と言うから、アメリカなら2度ぐらいは許してくれる、と言う心算だろうか。だとしても、再び普天間基地移設問題が頓挫迷走する事は間違いなく、「2014年までに普天間基地移設完了=返還」なんてのは絶望的になるはずだ。
 幸か不幸か上記3>~4>の通り、我が敵・小沢一郎の「鶴の一声」により、この覚書は首相官邸と社民党で協議中になっているそうであるが・・・
 上記7>に報じられている通り、連立政権維持と言う私利私欲が、我が国の安全保障と言う公理公益より優先されているという事態は、全く変わらない。
「暴走・社民」の皮算用 離反恐れ首相が免罪符 福島氏沖縄入り   http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/100526/stt1005260009000-n1.htm