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 以下の経緯は番号順になっており、(1)は「変心、変身、また変針」まで遡る。
 
 前回「「鳩山首相の努力」を探せ!」以降の経緯を纏める。前回までの記事は以下URLに独立させた。
http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/32456004.html
 
(193) 平成22年05月19日(水) 毎日新聞が報じるは、本来基地問題の根幹であるはずの安全保障よりも「現行日米合意案ではない案」をろくに当てもなく模索して、結局現行日米合意案へと戻ってきた民主党の体質的迷走。
 更には、現行日米合意案との最大の(唯一の?)差とされる「杭打ち桟橋方式」にも米側から難色が示されている事も合わせて報じられている。
 それでも、閣内や地元より日米政府間の交渉を優先するようになっただけ、「進歩」と言えば進歩だが。早い話が「命を懸けて元の木阿弥」と言うことだ。
 命の懸けて甲斐がない事だな。
安全保障より体面、迷走の果てほぼ現行案   http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100519-00000230-yom-pol
 
(194) 平成22年05月19日(水) 松野官房副長官はこの日、辺野古沖合い杭打ち桟橋方式を諦めて現行案どおり埋め立て方式を米側に伝えたと言う一部報道を否定した。曰く。
> 「工法について何か決定したという事実は一切ない」と述べた。
> 政府が同県名護市辺野古沖合に杭(くい)打ち桟橋方式(QIP)で代替施設を建設する案を断念し、
> 現行案の埋め立て方式に戻すことを米側に伝えたとの一部報道を否定した。
 つまりは「工法については何も決定していないのであり、問題はちゃんと先送りしている。」と、主張している訳だ。
 そりゃ、あの平野官房長官の手下だからな。
「杭打ち方式断念」報道を否定 普天間問題で松野官房副長官  http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100519/plc1005191230010-n1.htm
 
(195)平成22年05月20日(木) 北沢防衛相は参院外交防衛委員会で、普天間基地移設作業完了時期について、次の様に述べた。同作業の完了は、現行日米行為では2014年に完了する計画である。
> 「2014年に極めて近い形で努力することは重要だが、
> かっちりできるのかというと、なかなか難しいという感触を持っている」と述べ、
> 改めて移設完了時期がずれ込む可能性を指摘した。
 「かっちり」も何も、少なくとも昨年11月のTrust Meひっくり返しからこの5月末までの半年+α(最大更に半年)の間、普天間基地移設作業をストップさせたのは、他でもない現政権だろうが。
 ところで、根源的な疑問なのであるが、「2014年の普天間移設完了が難しい」とは、現在使用中の普天間基地の使用期間が延びるということである。
 それは現行日米合意の履行よりも、「沖縄の基地負担」を増大させているのであるが、その責任と落とし前は、一体何処でどうつける積もりなのかね。
防衛相「2014年の普天間移設は難しい」  http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100520/plc1005201236011-n1.htm
 
(196)  平成22年05月22日(土) 時事通信社はこの日、普天間基地移設問題で日米両政府は外務・防衛担当の実務者協議で大筋合意に達したと報じた。
> 就任前に「最低でも県外」と述べた首相は
> 昨年12月、日米が2006年に合意したシュワブ沿岸部を埋め立てて滑走路をつくる現行案を白紙としたが、
> 結局、同案に戻る方向となった。
> 地元沖縄の反発は必至だ。
 記事タイトルの通り「工法は秋に結論=秋に先送り」ではあるが、コストも工期もセキュリティ上も地元への利益も問題だらけの杭打ち桟橋(QIP)方式の利点は「現行日米合意=埋め立て案」ではないと言うだけだから、この先送りは「埋め立て案=現行日米合意通り」と今決められないと言うだけの、正真正銘掛け値なしの先送りだろう。
日米、普天間移設で大筋合意=シュワブ沿岸部、工法は秋に結論―首相23日沖縄再訪 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100522-00000084-jij-pol
 
(197) 平成22年05月22日(土) 福島社民党党首は記者団に対し、普天間基地移設問題につい次のように述べたと言う。
> 「沖縄県民との合意、連立政権内の合意なくしてなぜ日米合意が先行するのか全く理解できない」
 さて、社民党殿は日米現行案もそれに回帰しての現政権(民主党)と米政府の日米合意も「全く理解できない」そうであるが、そもそも「憲法9条が最大の抑止力」などと素面で述べてしまえてしまう方々では、鳩山首相でさえ「理解」した「沖縄駐留米海兵隊の抑止力」を理解できよう筈はない。
 それを理解しないのは、社民党のポリシーであるとしても、私には全く理解できないのは、今回社民党がとろうとしている態度と、現政権最大与党民主党の理解である。
 報じられるとおり、社民党は現行日米合意と其処に回帰する現政権―米政府の合意も理解せず、それ故に「5月末決着」として出されようとしている「普天間基地の辺野古洋上移設(但し工法未定。従って「現行日米合意案ではない)&訓練の県外一部移転」に対し「閣議家体閣議了承しようとしても社民党としてはサインしない。」と明言しているし、今民主党が出そうとしている閣議での「首相発言」に対しても、閣内に留まりつつ「反対の姿勢は示す」と明言している。
 逆に言えば、現政権の内閣は普天間基地問題について統一した方針は取れないが、連立政権は維持すると、社民党は言うのである。
 そんな「連立政権」は、最早「連立している」とは言い難い。
 ついに社民党は国家に不忠にして、首相に対してすら不誠実なる与党に、成り下がるのである。まあ、元から大したシロモノではないのだが。
 閣内の社民党が反対の姿勢を示した「首相発言」は、前述(192)で平野官房長官が強調したような「首相発言で内閣全体の意思を示す」ものでは、絶対にない。
「日米合意、全く理解できない」福島党首 困惑の社民党   http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100522/plc1005222353016-n1.htm
 
(198) 平成22年05月23日(日) この日2度目の沖縄訪問を行った鳩山首相は、仲井真沖縄県知事、稲嶺名護市長らと会談し、普天間基地を辺野古周辺に移設する方針を初めて正式表明した。
> 米ヘリ部隊訓練などの基地機能を極力、県外に移す考えも伝え、
> 「県外移設」の約束が果たせなかったことを陳謝した。
> これに対し、地元や連立与党の社民党は強く反発しており、
> 移設実現は展望が開けない状況だ。
 前日に時事通信が報道した上記(196)を裏書きした形だ。
 報道される鳩山首相の発言を拾うと、以下の通り。
1> 「代替地は県内、辺野古付近にお願いせざるを得ないとの結論に至った。
2> 断腸の思いで下した結論だ」
3> 「在日米軍の抑止力を低下させてはならない。
4> 県外に移設すると、海兵隊の機能を大幅に損なってしまう」と理解を求めた。
5> 「米軍の訓練をできる限り県外に移し、
6> 沖縄の負担軽減と危険性除去の実を上げることが大事だ」とし、
7> 27日の全国知事会議で協力要請すると強調。
8> 「『できる限り県外』という私自身の言葉を守れなかったこと、
9> 県民に混乱を招いたことを心からおわびする」と陳謝した。
天間、辺野古移設を初表明=首相、県外守れず陳謝―名護市長反発   http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100523-00000018-jij-pol
 
(199) 平成22年05月23日(日) 上記(197)の鳩山首相自ら普天間基地の辺野古移設を公認した事を受け、海外のメディアも大きく報道したらしい。
 つまり、「マスコミが騒ぐから普天間基地移設は問題化した」などと言う鳩山首相の認識は誤りであったことになる。
 報道されている中では、BBCの報道が出色か。
> 「沖縄回帰で鳩山首相が陳謝」との字幕をつけ、
>  県内移設に反対する県民らの集会の様子も放映。
>  電話出演した東京特派員は「代替案を模索したが無駄だった。
>  鳩山首相にとって屈辱的な撤回だ」と解説した。
外国メディアも大きく報道 辺野古移設、BBCなど主要ニュースで  http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100523/plc1005232208018-n1.htm
 
(200)  平成22年05月24日(月) 鳩山首相はこの日、普天間基地移設問題に付いて、記者団に対して曰く、
1> 「辺野古だが、現行案ではない。
2> 住民の安全はもちろん、環境面に徹底的に徹底的に配慮する新しい形をつくり上げたい」
> とし、辺野古洋上に戻ってきた移設先だが現行日米合意とは異なると強調して見せた。

 例によって例の如くであるが、「新しい形をつくり上げたい」である。
 願望である。
 願望でしかない。
 なおかつ未来形であって、現在形でも過去形でも勿論過去完了形でもない。即ち「これから」である。
 つまり、鳩山首相のこの発言が意味するところは、「5月末決着」として「社民党の同意は得られないがサインは不要なので内閣の総意と言えない事もないだろうと政府は主張する首相発言」の骨子たる普天間基地移設先政府案は、実質上、まだ影も形も無いと言うことだ。
 何故ならば「新しい形」の主眼は新滑走路の工法であろうし、その工法は建設及び移設の日程にも直結しているのである。
 名目上、日米政府間最低限の「共通認識」( で、あるかどうかも充分怪しいのだが。何しろ連立3党で決めると決めた昨年の三党合意は、反古にしなければならないが、まだしてないだろう)である「辺野古移設」を明記したのみである。
 上記1>「現行案ではない。」の意味が、「現行日米合意案ではない。」だとすると、未だ「米国の考えている前提条件を、前提としていない。」つまり第2回日米首脳会談直後につまびらかになった、前提条件の齟齬を、未だ残している事になるのだが・・・わかっているのか、この鳥頭の詐欺野郎は。
首相「環境に配慮した新しい形をつくる」 普天間飛行場の辺野古移設で  http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100524/plc1005240943002-n1.htm