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 以下の経緯は番号順になっており、(1)は「変心、変身、また変針」まで遡る。
 
 前回「努力は子供のする事だ。大人は、やり遂げるべきなのだ。」以降の経緯を纏める。前回までの記事は以下URLに独立させた。
http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/32456004.html
 
(175) 平成22年05月06日(木) 連休明けてのこの日、鳩山首相は記者団に対し、普天間基地移設問題の「5月末決着」について、「5月末」の期限も「地元、アメリカ、連立与党3者の同意を得た決着」と言う「決着」も、変えるつもりはないと断言した。
> Q:社民党の福島(瑞穂)党首が5月末の決着を先送りしてもいいと発言するなど、
> 先送り論も出ているが、
> 総理自身がおっしゃった、地元、アメリカ、連立与党3者の同意を得た決着について、方向性だけ示して継続協議にする形であったり、
> そもそも5月末決着発言自体を撤回するつもりはあるか。
1> A:5月末までに決めますと申し上げてるんですから、
2> それを変えるつもりはまったくありません。
> Q:決着の中身についても変えないと

3> A:変えません。
 実に明快な回答である。鳩山首相には珍しいほど。この明快な回答が、その後どうなっていくか、と言うのが、今回の記事の一つの目玉である。
首相VS記者団 > 記事  http://mainichi.jp/select/seiji/primeminister/news/20100506mog00m010033000c.html?inb=yt
 
(176) 平成22年05月07日(金) 鳩山首相の沖縄訪問と、その結果としての普天間基地県内移設の容認を受けて、収まりが付かないのは社民党の筈である。何しろ「ケンガイダァコクガイダァ」とお題目唱えるばかりだから( その点は民主党も鳩山首相も大差はないんだが。)「県内移設はまかりならん!」と連立解消して下野するのが筋であろうが、政権与党の地位に恋々としている。
> 福島氏は6日の民放番組に出演し
> 「今は、ギリギリ、国外・県外の結論を目指して最大限の努力をする」と述べ、
> 現時点での連立離脱を否定した。
> 重野安正幹事長も6日の記者会見で「今(連立離脱を)言うのは適当ではない」と指摘した。
> さらに首相が自ら問題解決への期限を切った「5月末決着」の先送りについても、
> 「5月末までに何が何でも、という特段のこだわりは持つべきでない」
> 福島氏も同日の党の会合で「5月末にこだわらず、真の問題解決を」と訴えた。
 実に女々しい話だ。
 福島党首=女性(一応)相手に「女々しい」と言うのが不適切であるというなら、実に姑息な話だ。昨年夏の「政権交代」の追い風暴風を受けてさえ議席を伸ばせなかった社民党が、「政権与党内野党」と言う地位を利用して、議席の増加もしくは(せめて)維持を図ろうと言うのである。
 その党利と言うよりは私利のために、普天間基地決着を更に延ばそうというのである。
 正に本末転倒。角を矯めて牛を殺すの愚ではないか。
社民党 高まる連立離脱の緊張感 5月決着先送りで延命も  http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/100507/stt1005070004000-n1.htm
 
(177) 平成22年05月07日(金) 複数の政府筋はこの日、鳩山首相が徳之島への普天間基地駐留ヘリ部隊「一部移設」をも断念した事を認めたと言う。
1> 米政府が沖縄本島に駐留する海兵隊地上部隊との一体運用を強く求めているため
2> 恒久的な基地を建設してヘリコプター部隊を分散させることは困難と判断した。
3> ただ、訓練の一部移転を含む何らかの形で、徳之島側の協力を仰ぐ方法を模索している。

 と、報じられてはいるが・・・妙な話だ。上記1>は鳩山首相の沖縄訪問だの徳之島3町長との会見だのを待たずとも、殆ど「普天間基地移設問題」勃発当初からわかりきっている事。それを上記2>と言う判断を得るまでに、一体どんな情報が必要だったと言うのか。
 にも拘らず上記3>のように「模索」するのは、「沖縄県民の負担軽減」と言う旗印の故ではあろうが、「訓練の一部移転」と言うが、「移転」とは即ち「一時駐留」だろう。
 「県外への訓練の一部移転」は、例え沖縄本島に一番近い徳之島へであっても200km離れた所への「一時駐留」であり、米軍にとっては負担であると共に、我が国にとっては沖縄に駐留する米海兵隊の抑止力減退だ。
 即ち我が国の国防上の必要からも、米側の利益からも、現行日米合意案=辺野古海上移設案や普天間継続利用よりも、劣る案なのである。
徳之島へのヘリ部隊「移設」断念へ 首相、普天間移設で  http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100507/plc1005070201001-n1.htm
 
(178) 平成22年05月07日(金) 普天間基地移設問題で、遂に「国外、最低でも県外」と吹聴してきた旗印をおろした鳩山首相に対し、閣僚からあれこれ擁護論が出ているようである。
 端的に言って、気持ち悪い。
 同じ穴の狢が、互いのスネの傷舐めあっていると言う図を連想するのは、私だけだろうか。
 出来もしない約束をし、それを梃子に選挙で勝ったくせに、その後ろくに努力も勉強もしてこなかったツケだろうが。
普天間問題 閣僚から首相にエール 「約束は重いが実現は別問題」   http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100507/plc1005071152010-n1.htm
 
(179) 平成22年05月08日(土) 遂に来るべきものが着た、と言うべきか。毎日新聞はこの日、普天間基地移設問題の5月末決着を「政府が」断念したと報じた。
 「政府が」と言う抽象名詞なのが味噌だろう。つまり、「鳩山首相が」ではないのである。
> 政府は「5月末の完全決着」を断念する方針で、
> 代わりに政府の考え方を閣議決定することなどを検討しているが、
> 野党各党は首相の責任追及を強めている。
 但し、下記報道の通り、「首相周辺の発言」として「5月末決着断念」を報じている。
 「首相周辺」は、首相に近いが、首相ではない。
> 一方、月末の決着期限をにらみ首相周辺からはこんな発言も聞かれ始めた。
> 「5月末の決着期限とは全部、結論を出すというわけではないからね」【横田愛】
<普天間移設>政府、5月決着断念へ…徳之島3町長拒否   http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100508-00000010-mai-pol
 
(180) 平成22年05月09日(日) 「普天間基地移設問題5月末決着断念」はこの日、産経にも拡散した。
> 5月末の決着期限が目前に迫る中、
> 政府・民主党内で鳩山由紀夫首相の責任論に予防線を張る発言が相次いでいる。
> 普天間問題が頓挫すれば、政権最大の“失政”となるが、
> それが首相の退陣論に直結すれば、7月の参院選へのダメージ
は計り知れないというお家の事情が作用している。(船津寛)
 但し、産経が報じるのは「決着断念」の更に先。「責任問題」の行方である。
>  そこで首相の責任論を回避するためにささやかれているのが、
> 政府内で普天間問題を切り盛りしてきた平野博文官房長官の更迭を含む内閣改造論だ。
> 平野氏も周囲に「おれのしかばねを乗り越えていけばいい」と“覚悟”を漏らしている。

 平野氏の「覚悟」は、その意気やよしとすべきかも知れない。
 だが、その「覚悟」によって鳩山首相自身の責任を回避すると言うのは、私としては看過し難い。
 同報道にもある。
> 「5月末決着」を政府内で最初に言い出したのはほかならぬ鳩山首相自身。
> 普天間問題をめぐっては、昨年の衆院選時に「少なくとも県外(に移設する)」とした首相の発言も、
> 「明確な約束違反」(谷垣禎一・自民党総裁)となりつつある

 鳩山首相に情状酌量の余地は、全くない。
 No Mercy!
「5月末決着」に先送り論、平野更迭論 参院選に向けた思惑も、首相自ら退路絶つ   http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100509/plc1005091936004-n1.htm
 
(181) 平成22年05月10日(月) 上記(179)(180)の通り「政府が普天間基地移設問題の5月末決着を断念」と報じられ、「首相周辺」がその情報源とまで報じられていても、やはり首相当人ではないらしく、この日、鳩山首相は首相公邸前で記者団に答えて曰く。
1> 「5月末は私が国民に申し上げている。
2> 変えるつもりはない。
3> みんなで『これで行こう』という方向を必ず出したい」
> 同日午前に首相官邸で開く関係閣僚会議については、
4> 「今日までの状況をきちっと確認する。
5> 最終的な方向をみんなで作り上げる努力の一環だ」
 上記3>の「みんな」が誰であるかは明示されていないが、従来の「5月末決着」論に従えば、政府内、米国、沖縄の3者は必ず含まれる筈だろう。
 つまりこの発言は、未だ鳩山首相が「5月末決着」に相当な( 奇怪なまでの)自信を有している事を示している。
 更に言うならば、「普天間基地移設先は国外、最低限県外」と散々「国民に申し上げ」続けていながら「民主党党首としての意見であって公約ではない。」と開き直ったのは、正しく鳩山首相だ。
 先述した通り「5月末決着」は公約ですらない。どうなるかは、殆ど自明だろう。
普天間移設決着「5月末は変えない」 鳩山首相が強調   http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100510/plc1005100927002-n1.htm
 
(182) 平成22年05月10日(月) 社民党ぎいが首相官邸まで、普天間基地の県内移設に反対して抗議演説したそうである。
 正に、与党内野党と言うべきだな。
 獅子身中の虫、とも言えるかも知れない。
1> 「辺野古くい打ち工法反対 首相、『国外・県外』への公約守れ」と書かれた横断幕を掲げ、
2> 「県外・国外と言ったのは誰だったのか。
3> 国家が人をいじめ犠牲にしていいという法律はない」と訴えた。
4> さらに「沖縄県民を(県外移設という)その気にさせておいて、
5> 米国と交渉する気概も気迫もない。
6> (県内移設は)もはや狂気の沙汰(さた)だ」と政府を激しく批判した。
県内移設は「狂気の沙汰」 与党・社民議員、官邸前で前代未聞の演説   http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/100510/stt1005101200000-n1.htm