応援いただけるならば、クリックを⇒ https://www.blogmura.com/
 
 以下の経緯は番号順になっており、(1)は「変心、変身、また変針」まで遡る。
 前回「泰山鳴動、噴火するか?」までの記事は以下URLにある。
http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/32244997.html
 前回「政府案なし、党案と私案のみ」以降の経緯を纏める。前回までの記事は以下URLに独立させた。
http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/32456004.html
 
(147) 平成22年04月13日(火) 核安全保障サミットの夕食会でオバマ大統領の臨席となり「非公式ながら第3回日米首脳会談」を持った鳩山首相だが、会談の時間は僅かに10分。それも通訳交えてだと言うから、立ち話よりはマシだったと言う程度だろう。
 それでも鳩山首相の自信は揺るぎがなく、普天間基地移設問題を話し合ったと称している。曰く、
1> 「今努力している最中だ。オバマ大統領にもぜひ協力を願いたい」と述べた。
2> 「沖縄の負担を軽減することが日米同盟を持続的に発展させるためにも必要だ」
3> と語り、オバマ大統領に理解を求めた。
 「称している」と言う表現には、「それは嘘だ」と言うニュアンスがあり、普通は公人の公式発言には使わない。そんな事はこちとら百も承知である。と言うのは勿論、本問題ではTrust Me!を筆頭に、「昨年内決着」だの、「3月末までに政府案」だの散々うそと裏切りを見せられたのだから、全く信用できないのである。
 一方対するオバマ大統領からの発言については、
 
4> オバマ大統領の発言について「私から申し上げるべきではない。感触も申し上げられない」
とまあ、一応慎重な姿勢を見せる鳩山首相ではある。クリントン長官とのCop15晩餐会「成果」を勝手に吹聴したのが、少しは聞いているらしい。或いは、10分かそこらの短い時間では、ろくにオバマ大統領の反応発言はなかったと見るべきか・・・と思いきや。
5> 「5月末までに私どもが移設先をしっかり決めることに対し、関心を持ってみていただけると思っている」
6> と説明し、オバマ大統領から一定の理解が得られたとの手応えを強調した
やっぱり「理解を得られた」事になっているのである。
 さて、何処までが本当やら。
普天間基地移設先には触れず 鳩山首相、理解が得られたと手応え強調   http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100413-00000540-san-poli
 
(148) 平成22年04月14日(水) 鳩山首相が以下に「非公式ながら第3回日米首脳会談」の成果を強調しようとも、少なくとも米政府はそんな( どうせ嘘に決まっている)「成果」や「5月末までに決着」などと言う約束なぞ全く当てにする事無く、普天間基地の継続利用準備を進めていると報じられている。
 現政権が、現行日米合意の原点に戻る事がない限り、日米の新たな合意が成るのに何年かかるかわかったものではないのだから、これが普通の反応と言うものだろう。
米政府、長期化覚悟で継続使用へ 普天間飛行場   http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100413/plc1004132140021-n1.htm
 
(149)平成22年04月14日(水) 案の定と言うか、理の当然と言うか、米側が日本政府の言う徳之島案だの勝連沖案だのを拒否している事が報じられている。
 「駐留米軍、大国アメリカの傲慢横暴!」と息巻く人もあるかもしれないが、漸くなった日米合意=普天間基地返還&辺野古海上移設を「政権交代」と称して勝手に反古にしているのは日本=現政権=鳩山首相である。
 駐留米軍としては普天間基地を継続利用するのがデフォルト状態。日本政府案が辺野古海上移設よりも普天間基地継続利用よりも有利なものでない限り、受け入れる理由がない。
 況や「訓練の半分は沖縄県外」なんて提案は、アメリカにしてみれば論外である。
米政府が徳之島、勝連沖を拒否 普天間、5月決着は不可能に  http://www.47news.jp/CN/201004/CN2010041401000794.html
 
(150)平成22年04月15日(木) 鳩山首相の政務秘書官とスタインバーグ米国務副長官が会談した事が報じられている。先の核安全保障サミットに於ける日米首脳”10minitus”会談の「成果」即ち「鳩山首相にだけ見える「オバマ大統領の理解」=普通に言えば失敗」を受けたものと考えるべきだろうが、報道では、会談はしても普天間は「話題に上らなかった。」と言う。
 これはどう考えても不自然だ。鳩山首相が、貴重な「僅か10分」の中で思い切り触れた(らしい)問題に、実務者同士が全く触れないと言うのは。
 話題にはしたが、全くの平行線出、交渉にも調整にもならなかったと見るべきではないか。
首相秘書官が米高官と会談 普天間「話題にのぼらず」http://news.goo.ne.jp/article/asahi/politics/K2010041501120.html
 
(151) 平成22年04月15日(木)「(普天間基地問題は)5月末までに決着。」もう何度も鳩山首相の口から聞いた台詞だ。「5月末までに決着しなかったらどうするのか。辞職するのか。」と問われた事も一度や二度ではない。そのたびに鳩山首相は西郷隆盛まで引き合いに出して全力で当たると( でも辞職するなんていわない)答えてきたはずだが・・・
1> 5月末に決着させる方針について、
2> 「これで行こうとの方向が互いに認められた状況を指す。
3> なんとしても、その状況を作りたい」と述べた。
4> 「決着」内容に関し、米国、地元と移設案
の具体的な部分についてまで合意することにはこだわらない考えを示したものだ。 
 言うまでもないだろうが、鳩山首相の台詞は上記の2>~3>である。この発言は結構玉虫色で、同じ発言が「沖縄・米側・双方の理解を共に得る。」と言う、従来どおりの固い決意を表した発言とする報道もあった。一方下記URLの記事では、この発言は「5月末に方向性を決定する」と言う従来の「5月末決着」より後退した発言だと報じている。
普天間問題「5月末に方向性」 鳩山首相発言が後退   http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100415/plc1004151255006-n1.htm
 
(152) 平成22年04月16日(金) 国会内で自らの後援者( って、まだ居るんだね。)相手に鳩山首相が例によって大言壮語したそうだ。
1> 国会内で自らの後援者らと懇談し、
2> 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題について、
3> 「普天間なんてみなさん知らなかったでしょう。
4> それ(普天間問題)が国民の一番の関心事になること自体が、
5> 何かメディアがいろいろと動きすぎているなと思っている」
 裏を返せば「マスコミを報道管制さえしていたら、普天間問題は大騒ぎにならず、支持率の低下もなかった。」と言いたいのだろうが、第2回首脳会談の日米合意事項を翌日に反古にしてい居るのだから、マスコミを言論統制して国内には報じられないようにしたとしても、日米間の大問題になったことは間違いない。
 それとも、米国のマスコミも牛耳る心算なのだろうか。
 流石は人民解放軍野戦司令官の手下だな。
 同じ報道は、鳩山首相の発言として、以下の台詞を伝えている。
6> 「『どうせ鳩山なんだから、できないだろう』とメディアが書いているが、
7> 心配なさらないで結構です

 いや、まあ、大した自信だこと。
 せいぜいお手並み拝見と行くが、オバマ大統領相手に切った"Trust Me!"さえ現状の体なのであるから、この大言壮語を信じる者も少なかろう。
鳩山首相、責任転嫁?混迷普天間「メディアが動きすぎ」  http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100416/plc1004161506008-n1.htm
 
(153) 平成22年04月16日(金) 鹿児島県「徳之島」を移設先として本格検討するよう防衛省などに指示したことが15日分かった、と報じられている。徳之島は辛うじての「沖縄県外」。此処ならアメリカも承諾してくれるかも知れないと言う、期待、願望、或いは占い師のお告げだろう。
 更に鳩山首相曰く。
1>「沖縄県民のご理解と、米国にも理解を求められる案をまとめていきたい」
2>「コンダクター(指揮者)的な首相をしてきたが、
3> 指導性が見えないとのおしかりを受けた。
4> 前に出て意思決定を見せるのも重要。自分なりの決断を示す必要がある」

 つまり鳩山首相の主張するところでは、自分は「コンダクター(指揮者)的な首相」としての責任は全うしてきている、と言いたいらしい。でこれからは「意思決定を見せる。」と宣言している。
 結果はこれ以降の経緯を見れば明らかだろう。この文脈からいけば、鳩山首相は「普天間基地の徳之島移転を決断」する筈なのであるが・・・
「徳之島」の検討指示、普天間移設で首相 あくまで「県外重視」  http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100316/plc1003160131000-n1.htm
 
(154) 平成22年04月17日(土)上記(153)報道の実に翌日だが、「政府が米軍キャンプ・シュワブ(同県名護市辺野古)の南方沖の浅瀬に滑走路を建設する「浅瀬案」を検討、米側に提案する方向であることが16日、分かった。」と報じられる。記事に曰く、
「米側が拒否する姿勢」「地元住民や社民党も反対」と言うことで現行日米合意案の焼き直しが提案されているらしい。
 もし事実であるならば、「現政権の現実路線への転換」と評価できないこともない。
 が、それは、「昨年衆院選挙以前から掲げていた「普天間基地の県外移設」と言うのが以下に非現実的であったか。」と言うことが自覚されたと言う事で、進歩と言えば進歩だが、誉められるほどのものじゃない。
 その上、疑わしい。
 インド洋上給油活動は、非現実路線のまま中断されてしまったからね。
辺野古浅瀬案を米側に提案へ 普天間移設で、政府が苦肉の策  http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100417/plc1004170131001-n1.htm
 
(155) 平成22年04月18日(日)「米政府は飛行場を継続使用していくとの判断を固めたことが分かった。」と報じられている。先ずは順当な判断と言うべきだろう。第2回日米首脳会談の合意事項を翌日に反古にし、昨年ない決着と言うのを延期し、3月末に政府案と言っていたのがいまだに姿を表さないのに、「5月末に決着」なんて信じられる奴は、アメリカ広しと言えども少なかろう。
 となれば、普天間基地を継続使用するばかりだ。
 「米政府高官は日米関係筋に、「ハトヤマは事態の深刻さが分かっていない。米政府は鳩山政権に期待するのをあきらめた」と語った」とも報じられている。この判断もまた、残念ながら順当なものと言うべきだろう。
米政府、「普天間継続使用」を日本に伝達へ    http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100418/plc1004180130002-n1.htm