3.もしも自公政権が続いていたら?

 さて、死んだ子の歳を数えてもしょうがないが、もし仮に、先の衆院選挙で辛勝なりとも自公両党が勝ち、自公政権が継続していたら、どうなっていただろうか?
 
 子供手当ては出ない。仕分けによるDrasticな「無駄な事業切り」も無かっただろうとは思う。ま、その代わり補正予算は執行停止されず、スパコン支援はじめとする「無駄な」事業は継続され、八つ場ダムも整斉と進んでいる事だろう。
 衆院の2/3に満たなければインド洋上給油はやはり中止されただろう。その代わりアフガニスタン民生支援にイージス艦三隻を突っ込むなんて無謀な「資金援助」は約束しなかったろう。
 その場合、恐らくは続投したであろう麻生首相は就任早々に訪米はしなかったかもしれない。だがオバマ大統領は訪日しただろうし、日米首脳会談は少なくとも1回はあっただろう。
 その場合、日米首脳会談では普天間基地移設問題はやはり取り上げられなかった可能盛大である事は認める。
 現行日米合意は自公政権が取り付けたものであり、この想定下では日米共にこれを見直す理由が無い。今頃は来年度予算に普天間基地の辺野古移転へ向けての予算が計上されていた事だろう。従って日米関係が今より遥かに安泰であったろうと言うのは、合理的推測であろう。
 
 「それは対米追従だ。対等な日米関係ではない。」と言うのが民主党の主張であり、その「対等な日米関係」のために普天間基地を「県外・国外移転」と言う夢を打ち出して選挙に勝ち、勝っただけでその夢実現へ向けての何の策もとらず、それどころか日米同盟関係を危機に陥れているのが民主党であると言えよう。



4.危機にあれば、日米関係は対等か?

 対外関係を危機に陥れる事で、相手の譲歩を引き出すと言う外交術はある。北朝鮮の瀬戸際外交、核開発と核恫喝と言うのはその好例だろう。核開発に核実験どころか自国民の飢饉さえ利用して、援助や支援や譲歩を勝ち取っている。
 
 鳩山首相が狙っているのは、この瀬戸際外交であろうか?
 
 到底信じる事ができない。
 瀬戸際外交をやるならば、第1回第2回の日米首脳会談で当たり障りの無い話しかしなかった意味が無いし、第2回の直後に「現行日米合意を前提としない。オバマ大統領は前提と思っていただろうが。」などと爆弾発言を発しながら、その後の爆弾が続いていない。第一、先行する2回の日米首脳会談で日米安保の重要性だの深化だの歯の浮くような宣言を否定しない限り、その爆弾は威力不足だ。
 
 では日米安保条約を破棄ないし消滅させる事で「対等な日米関係」にしようとしているのだろうか。同盟条約が破棄されれば、日本はアメリカに対して戦争を仕掛ける事も可能になる分だけ、「対等な」関係になる。(*1)
 それは大いにありそうな話だ。特に、あんなマニュフェストを掲げた社民党と連立政権を組み、その連立政権離脱を恐れて社民党の言いなりになっている現状ではますますそう思える。
 だが、先述(「変身、変心、また変針」参照)の通り、首相は日米安保を正式な手続きで破棄するタイミングを逃している。正式な手続きでは、安保を破棄できるのは10年後の日本政府。とてもじゃないが、鳩山政権ではまず無い。

 言い換えれば、私の見るところ、鳩山首相と民主党は、その選挙パフォーマンスと連立政権の維持のためだけに、日米同盟を危機に陥れており、選挙パフォーマンスの成功と、連立政権維持以外の何のメリットも得ていないのである。
 
 そんな民主党を最大与党として政権に据え、間接的にせよ社民・国民新との連立政権発足を促したのは、先の衆院選挙で示された、「国民の選択」である。
 
 如何に、国民。
 
社民党を嗤え1 http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/29729793.html
社民党を嗤え2 http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/29729803.html
社民党を嗤え3 http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/29729861.html
社民党を嗤え4 http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/29769504.html
社民党を嗤え5 http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/29729882.html
社民党を嗤え6 http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/29729897.html


<注釈>
(*1) 日本国憲法がそれを制限するというのは、日本の国内事情に過ぎず、日米関係を「対等」にする上ではさしたる意味が無い。日米の戦力差も同様だ。