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 報じられているのは、スイスで初飛行したというソーラー飛行機。主翼の上面に並べた太陽電池=ソーラーバッテリーで飛行するものらしい。「ソーラー・インパルス(Solar Impulse)」と名付けられた機体は、「短時間ではあるが初めて空を飛んだ。」と報じられているが、良く読むと「滑走路の約1メートル上空を400メートルほど安定した飛行を行った。」とあり、飛行と言うよりジャンプに近い。
 
 写真で見る機体は、肩翼単葉の四発機(と言ってもエンジンではなく電気モーターだが)で、脚は後方へ引き込むらしい機構が見えるから引き込み式なのだろ。 
「エアバスA340と同じ翼幅63.4m」「重量1600kg」と言った諸元も報じられている。
 客が酷く細く見えるのは、この重量の軽さ故だろう。1.6tでは第二次大戦の我が国主力戦闘機・零式艦上戦闘機よりも軽いぐらいだ。
 そのくせ翼幅はエアバスと同じ。と言うことは、翼面積もエアバスと良い勝負なのだろう。これは翼面荷重が恐ろしく低いことを意味する。何しろ我らが零戦も翼面荷重の低さでは有名で、そのために軽快な運動力を得ていたのであるが、ソーラー・インパルスは零戦より軽くて翼面積は明らかに大きい、即ち冷戦よりも翼面加重が低い。
 と言うことは、「零戦以上の運動性能」を目指す事もできそうだが(翼面加重ばかりでは決まらない。機体の構造強度などが伴わないと。)、ソーラー・インパルスが目指すのは運動性ではないだろう。

 多分、飛行速度が低いのだ。大直径二翔のプロペラもこの推定を裏付けている。

 モーターを四つも並べた「四発機」にしたのも、恐らくは飛ぶのに「馬力」が足らないためだ。

 操縦席を胴体先端としてそのギリギリまで胴体を絞るのは、馬力不足を補う抵抗低減策であろう。

 今後、三六時間連続飛行などの本格的テストも行われると言う。
 今のところソーラーインパルス号の利点は、CO2完全フリーのエコであることと、長時間飛行できる可能性があることだけで、商業飛行するまでの道のりはまだまだ遠いが、千里の道も一歩から。まずは今計画中の試験結果が楽しみだ。

 しかし、スイス人が世界初とはな。OMEGAもなかなかやるな。