如何だろうか、此処10日間の動きだけでも当ブログの記事当たり字数制限である5000字近くに達してしまう普天間基地移設問題を巡る動きは。
解決へ向けた動きが無いわけではない。むしろあり過ぎるくらいだ。鳩山首相からしてわざわざ沖縄県知事と秘密会談を設定したり、その秘密を自白してしまったり、今度は正式会談をしたりと毎日忙しい。
だが結論、決着、決意、決断は全く見えてこない。
仄見えたような時期は確かにあった。11/30の沖縄県知事との公式会談後はそうだろう。わざわざ秘密会談を事前に持った(でその後バレて公式会談前に自白してしまった)甲斐あってかこの会談で現行日米合意に沿った早期決着の可能性が見え(*1)、日米首脳会談でも合意した(筈)の早期決着へ向けての現実解が(漸く)動き出したかに見えた。
見えたからこそ「泰山鳴動鼠一匹」なんて記事も書いたんだ。
泰山鳴動鼠一匹-普天間基地移設問題、現行日米合意で年内決着か?-http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/30831957.html#30851028
解決へ向けた動きが無いわけではない。むしろあり過ぎるくらいだ。鳩山首相からしてわざわざ沖縄県知事と秘密会談を設定したり、その秘密を自白してしまったり、今度は正式会談をしたりと毎日忙しい。
だが結論、決着、決意、決断は全く見えてこない。
仄見えたような時期は確かにあった。11/30の沖縄県知事との公式会談後はそうだろう。わざわざ秘密会談を事前に持った(でその後バレて公式会談前に自白してしまった)甲斐あってかこの会談で現行日米合意に沿った早期決着の可能性が見え(*1)、日米首脳会談でも合意した(筈)の早期決着へ向けての現実解が(漸く)動き出したかに見えた。
見えたからこそ「泰山鳴動鼠一匹」なんて記事も書いたんだ。
泰山鳴動鼠一匹-普天間基地移設問題、現行日米合意で年内決着か?-http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/30831957.html#30851028
所が、案の定社国両党がごね出し、平野官房長官がその尻馬に乗ると、鳩山首相の儚い「決意」は忽ち雲散霧消する。況や、小沢一郎のお墨付きがでては、鳩山首相としては、「手も足もでない」と言うところだろうか。
彼は、自衛隊三軍の最高指揮官にして、日本の国家元首のはずなのに、最大与党の代表代行に適わないのだから、不思議と言えば不思議な話だ。が、肩書きは兎も角、その発言の支離滅裂ぶりは、此処10日間でも上記の通り。かような支離滅裂ぶりでは、肩書きがいくらあろうとも、リーダーシップも統率力もあったものではない。小沢一郎氏に牛耳られるのも、閣内が不一致なのも、理の当然だ。
鳩山幸雄氏が、無能なのも無定見なのも無方針なのも、個人としては別に犯罪ではない。
彼は、自衛隊三軍の最高指揮官にして、日本の国家元首のはずなのに、最大与党の代表代行に適わないのだから、不思議と言えば不思議な話だ。が、肩書きは兎も角、その発言の支離滅裂ぶりは、此処10日間でも上記の通り。かような支離滅裂ぶりでは、肩書きがいくらあろうとも、リーダーシップも統率力もあったものではない。小沢一郎氏に牛耳られるのも、閣内が不一致なのも、理の当然だ。
鳩山幸雄氏が、無能なのも無定見なのも無方針なのも、個人としては別に犯罪ではない。
だが、日本国首相と言う責任ある地位にあり、為政者であり、日本国の舵取りを曲がりなりにも任せられている鳩山首相としては、無能や無定見無方針は、万死に値する罪である。
<注釈>
(*1) って、「自民党のやった事にはみんな反対。」でなければ、デフォルトでその状態なんだが。それはさておき
(*1) って、「自民党のやった事にはみんな反対。」でなければ、デフォルトでその状態なんだが。それはさておき
3.鳩山首相の選択肢
先行記事「愚中の愚」にも書いた通り、鳩山首相に決断できる選択肢は余り無い。
愚中の愚-鳩山首相の無能ぶり、沖縄県民を怒らす-http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/30819382.html
愚中の愚-鳩山首相の無能ぶり、沖縄県民を怒らす-http://blogs.yahoo.co.jp/tiger1tiger2stiger/30819382.html
(1) 現行日米合意をベースとして早期決着を図る。即ち普天間基地はキャンプシュワブに県内移設する。
外交の継続性と言う意味ではデフォルトの状態であり、オバマ大統領来日時に「早期決着」で合意した際にオバマ大統領の念頭にあったのもこの方針だ。
いや、オバマ大統領がそう思っているだろうということは鳩山首相自身が認めている。それをわざわざ「前提にしない。」と宣言し、「普天間基地の県外・国外移設」と言う沖縄県民の「見果てぬ夢」に火を点けたのはほかならぬ鳩山首相だ。勿論選挙中からの宣伝文句ではあるのだが、宣伝ばかりで何も準備していなかったのも鳩山首相であり、民主党であり、現政権だ。つまりデフォルトにして唯一の早期解決策を、自ら取りにくくしているのはほかならぬ鳩山首相自身である。
とは言え、この解決策も何時までも「早期決着に有効」ではない。米軍移設には予算処置が必要で、来年度の予算編成は締め切りが迫っている。「3党合意のために越年」すれば、それで大事な大事な連立政権は維持できるかも知れないが、予算処置が送れ、普天間基地の移設は丸1年遅れると思わねばならない。
その頃まで引っ張ってなお、「日米関係が不穏に成らず」当初方針であった筈(*1)の現行日米合意に沿った早期決着を米側が受け入れると仮定してだ。
どうしてそこまでアメリカに甘えられるのか、私にはサッパリわからない。合衆国大統領の弱みでも握ったのかね、鳩山首相は。(イヤ、そんな事はないだろう:反語)
年を越すまでの1ヶ月かそこらで、連立政権離脱までちらつかせる社民党を説得する、或いは社民党の連立政権離脱を容認すると決断すると言う見込みも、相当薄いと思われるのだが。
(2) 連立政権を維持するために、改めて普天間基地の県外・国外移設を求め、日米交渉を再開する。
この選択肢を選んだ場合、連立政権は維持できるかも知れない。社民党の言う事を丸呑みするのであるから。沖縄県民の一部も歓迎するかも知れない。
だが、この日米交渉は開始する事すら困難な交渉だ。米側には現行日米合意を白紙撤回する理由が無い。従って、この交渉が何時決着するか、その決着が県外や国外への移転となるのかは全く不明である。散々交渉した挙句、やっぱりキャンプシュワブしかないというつまらなくも不毛な(*2)結論が出る可能性だってある。
ひとつだけはっきりしているのは、先述の通り、この日米交渉が決着するまで、普天間基地は全く動かないだろうと言う事だ。その交渉期間の遅延の上に県内移設となれば、沖縄で大規模な抗議行動ぐらいは覚悟しなければなるまい。
勿論、そんな国内事情よりも、「不穏な事にはならない」となぜか北沢防衛省が断言してしまっている日米安保体制に与える悪影響の方が、遥かに問題ではある。
先頃の日米首脳会談も、共同宣言も、「Trust Me」も、全て反故にしているのだから。
外交の継続性と言う意味ではデフォルトの状態であり、オバマ大統領来日時に「早期決着」で合意した際にオバマ大統領の念頭にあったのもこの方針だ。
いや、オバマ大統領がそう思っているだろうということは鳩山首相自身が認めている。それをわざわざ「前提にしない。」と宣言し、「普天間基地の県外・国外移設」と言う沖縄県民の「見果てぬ夢」に火を点けたのはほかならぬ鳩山首相だ。勿論選挙中からの宣伝文句ではあるのだが、宣伝ばかりで何も準備していなかったのも鳩山首相であり、民主党であり、現政権だ。つまりデフォルトにして唯一の早期解決策を、自ら取りにくくしているのはほかならぬ鳩山首相自身である。
とは言え、この解決策も何時までも「早期決着に有効」ではない。米軍移設には予算処置が必要で、来年度の予算編成は締め切りが迫っている。「3党合意のために越年」すれば、それで大事な大事な連立政権は維持できるかも知れないが、予算処置が送れ、普天間基地の移設は丸1年遅れると思わねばならない。
その頃まで引っ張ってなお、「日米関係が不穏に成らず」当初方針であった筈(*1)の現行日米合意に沿った早期決着を米側が受け入れると仮定してだ。
どうしてそこまでアメリカに甘えられるのか、私にはサッパリわからない。合衆国大統領の弱みでも握ったのかね、鳩山首相は。(イヤ、そんな事はないだろう:反語)
年を越すまでの1ヶ月かそこらで、連立政権離脱までちらつかせる社民党を説得する、或いは社民党の連立政権離脱を容認すると決断すると言う見込みも、相当薄いと思われるのだが。
(2) 連立政権を維持するために、改めて普天間基地の県外・国外移設を求め、日米交渉を再開する。
この選択肢を選んだ場合、連立政権は維持できるかも知れない。社民党の言う事を丸呑みするのであるから。沖縄県民の一部も歓迎するかも知れない。
だが、この日米交渉は開始する事すら困難な交渉だ。米側には現行日米合意を白紙撤回する理由が無い。従って、この交渉が何時決着するか、その決着が県外や国外への移転となるのかは全く不明である。散々交渉した挙句、やっぱりキャンプシュワブしかないというつまらなくも不毛な(*2)結論が出る可能性だってある。
ひとつだけはっきりしているのは、先述の通り、この日米交渉が決着するまで、普天間基地は全く動かないだろうと言う事だ。その交渉期間の遅延の上に県内移設となれば、沖縄で大規模な抗議行動ぐらいは覚悟しなければなるまい。
勿論、そんな国内事情よりも、「不穏な事にはならない」となぜか北沢防衛省が断言してしまっている日米安保体制に与える悪影響の方が、遥かに問題ではある。
先頃の日米首脳会談も、共同宣言も、「Trust Me」も、全て反故にしているのだから。
そうまでして連立政権に抱え込みたいような相手か?社民党や国民新党が。
(3) 日米安保条約を破棄する。
この選択肢は、普通の手続きでは10年以上かかる事は先述の通りだ。安保改訂50周年を来年迎える日米安保条約は、10年更新で更新の1年前に通告すれば破棄できる。が、今回の申告期限はもう過ぎているから、正式な手続きで破棄できるのは最速でも11年後。しかもアメリカに日米安保破棄を通告できるのは、10年後の日本政府であり、民主党政権で無い可能性は多分にある。
この選択肢を選んだとしても、10年後に政権に要るとは限らない鳩山首相、民主党、現連立与党としては「選ぼうと努力する」事までしかできない。
アメリカの方からすると、少なくとも10年後まで、普天間基地を使いたいだけ使えると言う事だ。
無論、普天間基地問題の早期決着どころか「日米同盟の深化」も詠った先日の日米共同宣言は粉砕される。それを言うなら同問題のために立ち上げたワーキンググループも全く無意味になる。
勿論それだけではない。我が国は日米安保を前提としない国防体制をしかねばならなくなる。とりあえず、世界一の海軍が必要な筈だ(*3)。対北朝鮮・対中国の核の傘が消滅するのだから、独自核武装も相当深刻にに検討する必要がある。
この選択肢で連立政権を維持しようと言うなら、そこまでの覚悟を鳩山首相は固めねばならない。
(3) 日米安保条約を破棄する。
この選択肢は、普通の手続きでは10年以上かかる事は先述の通りだ。安保改訂50周年を来年迎える日米安保条約は、10年更新で更新の1年前に通告すれば破棄できる。が、今回の申告期限はもう過ぎているから、正式な手続きで破棄できるのは最速でも11年後。しかもアメリカに日米安保破棄を通告できるのは、10年後の日本政府であり、民主党政権で無い可能性は多分にある。
この選択肢を選んだとしても、10年後に政権に要るとは限らない鳩山首相、民主党、現連立与党としては「選ぼうと努力する」事までしかできない。
アメリカの方からすると、少なくとも10年後まで、普天間基地を使いたいだけ使えると言う事だ。
無論、普天間基地問題の早期決着どころか「日米同盟の深化」も詠った先日の日米共同宣言は粉砕される。それを言うなら同問題のために立ち上げたワーキンググループも全く無意味になる。
勿論それだけではない。我が国は日米安保を前提としない国防体制をしかねばならなくなる。とりあえず、世界一の海軍が必要な筈だ(*3)。対北朝鮮・対中国の核の傘が消滅するのだから、独自核武装も相当深刻にに検討する必要がある。
この選択肢で連立政権を維持しようと言うなら、そこまでの覚悟を鳩山首相は固めねばならない。
<注釈>
(*1) 政権が交代しても条約や国際合意は継承されるのが普通だから。継承しない心算なら、最初の鳩山首相訪米の際に切り出さねばならなかったはずだ。
(*2) くどいようだが、現民主党政権が「自民党時代のものは全て反対」と考えず、外交の継続性を普通に守れば、現行計画通り普天間基地は返還されるのである。
(*3) と言うことは。22DDHどころじゃない正規空母、それもCVN原子力空母が要る。それも10隻以上。勿論、随伴するイージス艦、原子力潜水艦も必須だ。
日清戦争後10年間に見せた「奇蹟の建艦」を、もう一度やらねばならんぞ。
(*1) 政権が交代しても条約や国際合意は継承されるのが普通だから。継承しない心算なら、最初の鳩山首相訪米の際に切り出さねばならなかったはずだ。
(*2) くどいようだが、現民主党政権が「自民党時代のものは全て反対」と考えず、外交の継続性を普通に守れば、現行計画通り普天間基地は返還されるのである。
(*3) と言うことは。22DDHどころじゃない正規空母、それもCVN原子力空母が要る。それも10隻以上。勿論、随伴するイージス艦、原子力潜水艦も必須だ。
日清戦争後10年間に見せた「奇蹟の建艦」を、もう一度やらねばならんぞ。
4.決心、決断しない者は、リーダーではない
こうしてみると「沖縄県民の思い」からしても「現行日米合意」からしても(3)日米安保条約破棄 は非現実的だ。社民党は喜ぶだろうが。
(2)は早期決着は不可能であり、今更県外や国外に移設できると思う方がどうかしている。そんな案なり、そこに至る筋道なりがあるのならば、最初の日米首脳会談でこそ提示されて然るべきなのに、未だ「現行日米合意の経緯を調査」しているようでは、今後もそんなものが出て来る可能性も極めて低い。
従って「普天間基地の県外・国外移転」を掲げる事で連立政権は維持できるかも知れないが、結論は「やっぱり県内」になる公算大である。現時点までに見せ付けられた外交交渉野力では、鳩山首相にも、岡田外相にも、北沢防衛相にもそれ以上の結果を期待できる力量は無い。
それが「党の根幹に関わる」のならば、社民党は元々連立政権に加えられるべきでなかったのであり、「やっぱり県内移設」となった時点で連立政権を離脱する筈だ。その時期を来年の参院選「勝利」後まで引き延ばそうというのが、恐らくは小沢一郎氏の思惑だろう。
そう、来年の参院選に民主党が「勝利」できれば、連立政権に社民党は(それを言うなら国民新党も)不要だ。
つまり、
社民党はその夢想的マニュフェストを墨守して良い気になるが、所詮来年の民主党参院選「勝利」までの仇花。
国民新党はその社民党の尻馬に乗っかった道化。
鳩山首相はキャッチフレーズを唱える事しか出来ず、決断も決心も出来ない無能なリーダー。勿論沖縄県民の事も、日本の安全保障の事も、全く考えていない。
小沢一郎氏はその無能な首相を良い様にあしらって、来年参院選での民主党勝利と権力の磐石化を画策する黒幕。
と言う、誠に恐るべき図式が浮かび上がってくる。
事は、鳩山首相の無能というだけではすまない。
そうそう、
(2)は早期決着は不可能であり、今更県外や国外に移設できると思う方がどうかしている。そんな案なり、そこに至る筋道なりがあるのならば、最初の日米首脳会談でこそ提示されて然るべきなのに、未だ「現行日米合意の経緯を調査」しているようでは、今後もそんなものが出て来る可能性も極めて低い。
従って「普天間基地の県外・国外移転」を掲げる事で連立政権は維持できるかも知れないが、結論は「やっぱり県内」になる公算大である。現時点までに見せ付けられた外交交渉野力では、鳩山首相にも、岡田外相にも、北沢防衛相にもそれ以上の結果を期待できる力量は無い。
それが「党の根幹に関わる」のならば、社民党は元々連立政権に加えられるべきでなかったのであり、「やっぱり県内移設」となった時点で連立政権を離脱する筈だ。その時期を来年の参院選「勝利」後まで引き延ばそうというのが、恐らくは小沢一郎氏の思惑だろう。
そう、来年の参院選に民主党が「勝利」できれば、連立政権に社民党は(それを言うなら国民新党も)不要だ。
つまり、
社民党はその夢想的マニュフェストを墨守して良い気になるが、所詮来年の民主党参院選「勝利」までの仇花。
国民新党はその社民党の尻馬に乗っかった道化。
鳩山首相はキャッチフレーズを唱える事しか出来ず、決断も決心も出来ない無能なリーダー。勿論沖縄県民の事も、日本の安全保障の事も、全く考えていない。
小沢一郎氏はその無能な首相を良い様にあしらって、来年参院選での民主党勝利と権力の磐石化を画策する黒幕。
と言う、誠に恐るべき図式が浮かび上がってくる。
事は、鳩山首相の無能というだけではすまない。
そうそう、
その鳩山首相を「高い支持率」で支え、甘やかしているのがマスコミと国民。
これが一番恐ろしい。
如何に、国民。
如何に、国民。