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 日本語という奴は面白いもので「一字違うと大違い」だの「澄むと濁るの違いにて」などの言葉遊びも相当古くからあるし、「上から読んでも下から読んでも」と言う回文も「山本山」どころでなく、相当長いものもある。英語にも回文はあるにはあるが、まず表音文字だけに難しそうで、"Madam I'm Adam. "ぐらいしか私は知らない。

 それだけ言葉遊びの歴史が古く、言葉の奥が深いと言うことだろう。
 
 前置きが長くなったが、表題に取り入れた日本語「追従」と言うのも「奥が深く」、同じ漢字で「ついじゅう」と「ついしょう」2通りの読み方がある。
 「ついじゅう」と読むと誰かに言われるままの自立心のない状態を指し、「ついしょう」と読めばおべっか、御世辞を指す。両者には密接な関係がありそうだが、ニュアンスは相当異なる。
 
 で、タイトルにしたのは「ついしょう」即ち「おべっか」の方である。

 報じられているのは北京で開催されているという金製品展示会に出品された金の像。どうならば「銅像」と呼べるのだが、金だと「金像」では奇異な感じを受けるのは、金が像の材料として特殊だからだろうな。その特殊な材料を使って象られているのは、中国の歴代の指導者たちだ。

>中国の歴代指導者(左から)胡錦濤(Hu Jintao)国家主席、江沢民(Jiang Zemin)元国家主席、元党中央軍事委主席で当時の最高実力者トウ小平(Deng Xiaoping)氏、毛沢東(Mao Zedong)初代国家主席

 「最近から3代の指導者の前は、いきなり建国の祖かよ。」という突っ込みは兎も角、芸術的な価値も技術的な価値も高くは見えないこれら金の像が出品され、公開されているのは、現在の権力者に対する追従=おべっかとしての効果を狙ったものであろう。
 4人の指導者たちの前に並んでいるのが、最新鋭と思しき戦闘機や戦車、軍艦のこれまた金の像であるらしいことも、これを裏付けている。
 
 何のことはない、「建国60周年記念軍事パレード」の金の像バージョンだ。

 かような「パフォーマンス」を今の権力者たちが喜ぶものかどうか、私は知らない。
 が、少なくとも中国に於いては、喜ぶと思われているだろう事は間違いなさそうだ。

 「中国4千年の歴史」なんてブチブチの断続王朝じゃ「話半分」にもなりはしないことは心得ているが、それにしてもこの成金趣味=品の無さはどうだろうか。

 「中華金主主義人民共和国」という冗句も、あながち本当かも知れない。