にほんブログ村 技術・工学
 報じられているのは三菱重工業株式會社が独立子会社を作ってまで国産開発を進めている国産ジェット旅客機MRJに関するニュース。報じられるとおり、米国はトランス・ステーツ・ホールディングス(Trans States Holdings、TSH)から実に百機の大口発注を受注したと言うもの。
 
 別の報道( http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200910030024a.nwc )では、MRJの受注数は今まで「受注はこれまで全日本空輸からの25機にとどまっていた。」と言うから、この受注で一挙に受注数は5倍に跳ね上がったと言うビックニュースだ。

 尤も報じられる通り、「確定50機、オプション50機」と言う具合に、旅客機の受注契約は「確定」と「オプション」の組み合わせで行われるのが一般的だから、「50機はまあ確実に買うが、後50機は買うかも知れないだけだよ。」と言うことであり「受注100機」=「生産予定数100機増加」ではないから、油断は出来ない。確定受注でも取り消されてしまうことだってない話じゃない。

 第一、既受注分と会わせても125機(オプション含む)では、そうでなくても開発日程の遅れが報じられている(開発日程の遅れは、通常開発コストの増大を意味する。)MRJでは、まだまだ損益分岐点にはほど遠いものと思われる
 言い換えればまだまだ数を受注しないと(だけじゃないが、受注額・値段も問題だ。)MRJはまたぞろ「赤字」ぶっこいて、かつてのYS-11の轍を踏むことになる。
 
 とは言え、航空大国アメリカからの大量発注は、朗報であるのに違いない。この勢いで一挙に損益分岐点を突破し、YS-11のような轍を踏まず、広く長く世界の空を飛び回って欲しいものである。

 大三菱重工が、勝ち組となるか否かの勝負所がこのMRJだ何て説もあるが、私としては、三菱重工という一企業の興廃なんかより、日本の航空技術が世界市場に参入できるかどうかの方が余程重大と思われる。(三菱重工の勝ち残りと、日本の世界航空市場参入と、MRJの販売成功は、現時点ではNearly Equalであり、利害は相当程度一致しているのだが。)
 
 
 行け!MRJ!
 世界の空を、制覇せよ。