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戦略爆撃、一名を「恐怖爆撃」と言う。その名の通り恐怖をばら撒く爆撃で、第一次大戦の頃には恐怖をばら撒くぐらいの効果しかなかったのだが、第2次大戦で(凄まじいまでの)物理的効果を持つようになり(*1)、核兵器で致命的なまでの効果を持つに至った爆撃法である。
日本人の平和ボケ、軍事音痴は当ブログの一番目立つところに掲げた記事の通り、真に憂慮に堪えないものがあるが、戦略爆撃に対する認識と言うのはその最たるもののように思われる。
単刀直入に言おう。戦略爆撃とは、民間人(非戦闘員)・民間施設(住宅、工場、道路、鉄道)を標的に爆撃し、手っ取り早く勝利を収める方法である。その方が戦闘員・兵器・軍事基地を攻撃するよりも容易く、自軍の損害も抑えて勝てるからである。
卑怯だろうが非人道的だろうが、戦略爆撃は実施されうるし、実際遠慮会釈無く実施された結果、我が国やドイツは第2次大戦に敗北しているのである。勿論それを実施したのは当時の連合国、なかんずく米軍と英軍だ。
従って戦略爆撃について理解し、正しい知識を持つ事は、第2次大戦の犠牲者に対する我々の義務ではないかと考えるが、如何だろうか。
戦略爆撃、一名を「恐怖爆撃」と言う。その名の通り恐怖をばら撒く爆撃で、第一次大戦の頃には恐怖をばら撒くぐらいの効果しかなかったのだが、第2次大戦で(凄まじいまでの)物理的効果を持つようになり(*1)、核兵器で致命的なまでの効果を持つに至った爆撃法である。
日本人の平和ボケ、軍事音痴は当ブログの一番目立つところに掲げた記事の通り、真に憂慮に堪えないものがあるが、戦略爆撃に対する認識と言うのはその最たるもののように思われる。
単刀直入に言おう。戦略爆撃とは、民間人(非戦闘員)・民間施設(住宅、工場、道路、鉄道)を標的に爆撃し、手っ取り早く勝利を収める方法である。その方が戦闘員・兵器・軍事基地を攻撃するよりも容易く、自軍の損害も抑えて勝てるからである。
卑怯だろうが非人道的だろうが、戦略爆撃は実施されうるし、実際遠慮会釈無く実施された結果、我が国やドイツは第2次大戦に敗北しているのである。勿論それを実施したのは当時の連合国、なかんずく米軍と英軍だ。
従って戦略爆撃について理解し、正しい知識を持つ事は、第2次大戦の犠牲者に対する我々の義務ではないかと考えるが、如何だろうか。
<注釈>
(*1)つまり恐怖だけでなく、実質の被害を、戦争の勝敗を支配するほどの被害を与えるようになった。
(*1)つまり恐怖だけでなく、実質の被害を、戦争の勝敗を支配するほどの被害を与えるようになった。
(1.)戦略と戦術
戦略と言い、戦術と言う。 戦略の方が上位にあり、戦術の方が下位にある。
大雑把には「戦略が目的を定め、戦術が手段を定める」とも言える。勿論戦略にせよ、戦術にせよ、それぞれの目標ないし中間目標が定められるものだから、極大雑把な話である。
「山登りに例えれば、どのコースを取って何時登頂するか決めるのが戦略で、どこにビバークしてどんなピッケルを使うか決めるのが戦術」と言うのは、確か田中芳樹の「銀河英雄伝説」のたとえ。目的と手段の相違が端的に言い表されていよう。
同じく「銀河英雄伝説」では「政戦両略」なんて表現もある。政略(政治的目標の選択)と戦略(軍事的目標の選択)を分けた言い方だが、政治も軍事も手段の一形態と考えられるから、広義に「戦略=目標の選択」と考えるならば「政戦両略」もなにも目標を達するために軍を動かすか陰謀をめぐらすかの違いにしか過ぎない。そりゃ得手不得手はあるだろうけれど、「勤めは種々に変われども、尽くす誠は唯一つ。」だろう。
たとえが古くて(*1)申し訳ないが、ひところ一寸だけ流行した「シミュレーションゲーム」に例えるならば「戦略級」は1コマが師団やら軍団。頭数にすると1万人から数万人を表し、一国の興亡、開戦から終戦までを扱う。アヴァロンヒル社の「第三帝国 Third Reich」はその典型だろう。
一方の「戦術級」は1コマが1両から小隊・中隊。頭数にすると4,5人から200人と言うところで、アヴァロンヒル社の「戦闘指揮官 Squard Leader」「Panzer Leader」「Panzer Britz」、エポック社の「装甲擲弾兵」「東部戦線」などがそれだろう。
軍事的側面で言うならば、戦争を扱うのが戦略で、戦闘を扱うのが戦術だとも言える。
いずれにせよ、戦略が戦術の上位にあるのだから、「戦略的敗北は、戦術的勝利では補えない。」と言うのは真理である。
大雑把には「戦略が目的を定め、戦術が手段を定める」とも言える。勿論戦略にせよ、戦術にせよ、それぞれの目標ないし中間目標が定められるものだから、極大雑把な話である。
「山登りに例えれば、どのコースを取って何時登頂するか決めるのが戦略で、どこにビバークしてどんなピッケルを使うか決めるのが戦術」と言うのは、確か田中芳樹の「銀河英雄伝説」のたとえ。目的と手段の相違が端的に言い表されていよう。
同じく「銀河英雄伝説」では「政戦両略」なんて表現もある。政略(政治的目標の選択)と戦略(軍事的目標の選択)を分けた言い方だが、政治も軍事も手段の一形態と考えられるから、広義に「戦略=目標の選択」と考えるならば「政戦両略」もなにも目標を達するために軍を動かすか陰謀をめぐらすかの違いにしか過ぎない。そりゃ得手不得手はあるだろうけれど、「勤めは種々に変われども、尽くす誠は唯一つ。」だろう。
たとえが古くて(*1)申し訳ないが、ひところ一寸だけ流行した「シミュレーションゲーム」に例えるならば「戦略級」は1コマが師団やら軍団。頭数にすると1万人から数万人を表し、一国の興亡、開戦から終戦までを扱う。アヴァロンヒル社の「第三帝国 Third Reich」はその典型だろう。
一方の「戦術級」は1コマが1両から小隊・中隊。頭数にすると4,5人から200人と言うところで、アヴァロンヒル社の「戦闘指揮官 Squard Leader」「Panzer Leader」「Panzer Britz」、エポック社の「装甲擲弾兵」「東部戦線」などがそれだろう。
軍事的側面で言うならば、戦争を扱うのが戦略で、戦闘を扱うのが戦術だとも言える。
いずれにせよ、戦略が戦術の上位にあるのだから、「戦略的敗北は、戦術的勝利では補えない。」と言うのは真理である。
<注釈>
(*1)且つマイナーで。それを言うならこの記事のテーマも、更には当ブログそのものが、相当マイナーではあるが。
(*1)且つマイナーで。それを言うならこの記事のテーマも、更には当ブログそのものが、相当マイナーではあるが。
(2.)戦略爆撃と戦術爆撃
戦略と戦術が上記のようであると、戦略爆撃と戦術爆撃は何が違うのだろう。
(A)戦術爆撃
まずは「戦闘を扱うのが戦術」であるから、戦術爆撃の方がわかりやすいだろう。
敵軍が攻めてくる。或いは敵国に攻め込む。その敵の軍隊を直接叩くのが戦術爆撃である。目標は敵の前線部隊、艦艇、前線基地であり、狙うのは戦闘員・軍人だ。オーソドックスと言うかクラシックと言うか(*1)わかりやすい戦闘だ。
攻撃対象が戦闘部隊・前線基地なら対空火器なり対空ミサイルなりで相応に武装しているし、相手方の戦闘機も出てくるだろうから、戦術爆撃機に求められるのは、爆撃の精密さであり、攻撃や回避を行える機動性であり、反復攻撃を可能にする整備性のよさなどである。
昔で言えば急降下爆撃機や軽爆撃機、襲撃機。今で言えば攻撃機や戦闘爆撃機が得意なのが戦術爆撃。有名なところではドイツのJu-87スツーカ、ソ連のイリューシンIL-2シュツルモビック、日本の99式艦上爆撃機などがあり、今の米海軍ではF/A-18ホーネット(ライノ?)が一手に引き受けている。
敵軍が攻めてくる。或いは敵国に攻め込む。その敵の軍隊を直接叩くのが戦術爆撃である。目標は敵の前線部隊、艦艇、前線基地であり、狙うのは戦闘員・軍人だ。オーソドックスと言うかクラシックと言うか(*1)わかりやすい戦闘だ。
攻撃対象が戦闘部隊・前線基地なら対空火器なり対空ミサイルなりで相応に武装しているし、相手方の戦闘機も出てくるだろうから、戦術爆撃機に求められるのは、爆撃の精密さであり、攻撃や回避を行える機動性であり、反復攻撃を可能にする整備性のよさなどである。
昔で言えば急降下爆撃機や軽爆撃機、襲撃機。今で言えば攻撃機や戦闘爆撃機が得意なのが戦術爆撃。有名なところではドイツのJu-87スツーカ、ソ連のイリューシンIL-2シュツルモビック、日本の99式艦上爆撃機などがあり、今の米海軍ではF/A-18ホーネット(ライノ?)が一手に引き受けている。
<注釈>
(*1)或いは男らしいと言うか、武士道もしくは騎士道的と言うか。
(*1)或いは男らしいと言うか、武士道もしくは騎士道的と言うか。
(B)戦略爆撃
一方「戦争を扱うのが戦略」であるならば、戦略爆撃はどうなるだろう。
戦争の目的は、戦争に勝つこと。
戦争に勝つには、戦術爆撃をがんがんやって敵の戦闘部隊を壊滅させるのも一つの方法だが、そればかりではない。要は敵国を、降伏させさえすれば良いのだ。敵国の継戦意思もしくは継戦能力を奪えば良い。
戦争の目的は、戦争に勝つこと。
戦争に勝つには、戦術爆撃をがんがんやって敵の戦闘部隊を壊滅させるのも一つの方法だが、そればかりではない。要は敵国を、降伏させさえすれば良いのだ。敵国の継戦意思もしくは継戦能力を奪えば良い。
ではどうすれば敵国の継戦意思・継戦能力を奪えるか。
宣伝謀略によると言うのも一つの方法だ。例えば敵国のマスコミを支配し、自軍に有利敵軍に不利な報道ばかりさせ、厭戦気分を煽る事で継戦意思を奪うのも一つの方法だ。間接的アプローチであり、効果がなかなか目に見えないのが難点だが。
継戦能力ならば、より直接的に目に見えて奪うことが出来る。
つまり敵国の工場(*1)、住宅、都市、港湾、鉄道ならば爆撃或いは砲撃で破壊する事ができる。当然ながら民間人に被害が出るが、民間人も敵国の経済を支える以上継戦能力だから、攻撃対象である。従って、民間人に被害が出るのは当たり前どころか、その被害者数こそ戦果である。
自分で書いていて胸糞が悪くなってくるのだが(*2)、それが戦略爆撃である。
従って戦略爆撃機に求められるのは、敵国本土に届く航続距離であり、当然迎撃に出てくるであろう敵戦闘機を突破できる生存性であり、都市や住宅や工場や港湾に十分な損害を与えるだけの爆弾搭載量だ。
爆撃の精度や機体の運動性は、重視されない。何しろ目標は、強靭ではあるが、でかいのだ。
<注釈>
(*1)民需軍需を問わず。民需工場も、間接的な継戦能力だ。
(*2)「やあやあ、遠からん者は音に聞け、近くば寄って目にもみよ。」と堂々名乗りを上げて「いざ陣上に、勝負勝負!」と一騎打ちを申し込むのは、元軍相手でさえ時代遅れだった。
「島津義弘入道維新、戦勢利あらずして、退陣仕る!」と大見得切ったのは関が原だが、珍しいからこそ伝説になった。
戦争と言うのは冷徹な利益の争奪戦であり、決して戦(いくさ)ではないと承知しつつも・・・
「戦は、ええのぉ。」と呟けてしまった時代、呟けてしまった戦いが、正直、羨ましい。
例えそれが、「共同幻想」であろうとも。
宣伝謀略によると言うのも一つの方法だ。例えば敵国のマスコミを支配し、自軍に有利敵軍に不利な報道ばかりさせ、厭戦気分を煽る事で継戦意思を奪うのも一つの方法だ。間接的アプローチであり、効果がなかなか目に見えないのが難点だが。
継戦能力ならば、より直接的に目に見えて奪うことが出来る。
つまり敵国の工場(*1)、住宅、都市、港湾、鉄道ならば爆撃或いは砲撃で破壊する事ができる。当然ながら民間人に被害が出るが、民間人も敵国の経済を支える以上継戦能力だから、攻撃対象である。従って、民間人に被害が出るのは当たり前どころか、その被害者数こそ戦果である。
自分で書いていて胸糞が悪くなってくるのだが(*2)、それが戦略爆撃である。
従って戦略爆撃機に求められるのは、敵国本土に届く航続距離であり、当然迎撃に出てくるであろう敵戦闘機を突破できる生存性であり、都市や住宅や工場や港湾に十分な損害を与えるだけの爆弾搭載量だ。
爆撃の精度や機体の運動性は、重視されない。何しろ目標は、強靭ではあるが、でかいのだ。
<注釈>
(*1)民需軍需を問わず。民需工場も、間接的な継戦能力だ。
(*2)「やあやあ、遠からん者は音に聞け、近くば寄って目にもみよ。」と堂々名乗りを上げて「いざ陣上に、勝負勝負!」と一騎打ちを申し込むのは、元軍相手でさえ時代遅れだった。
「島津義弘入道維新、戦勢利あらずして、退陣仕る!」と大見得切ったのは関が原だが、珍しいからこそ伝説になった。
戦争と言うのは冷徹な利益の争奪戦であり、決して戦(いくさ)ではないと承知しつつも・・・
「戦は、ええのぉ。」と呟けてしまった時代、呟けてしまった戦いが、正直、羨ましい。
例えそれが、「共同幻想」であろうとも。
(3.)戦略爆撃の歴史
(A)第一次大戦-ツェッペリン飛行船による「恐怖爆撃」-
先述の通り、戦略爆撃は第一次大戦に始まった。当初は飛行船による爆撃であったのは、未だ当時の飛行機の上昇限度が飛行船に及ばなかったからとされる。飛行機の手の届かない高度を、飛行船は飛び、じっくり爆撃する事ができた。
尤も、飛行船は航続距離こそ長大ではあるが、原理的に爆弾の大量搭載には向かない。
ために当時の戦略爆撃は「恐怖爆撃」等と呼ばれつつ、逆に恐怖以上は大したものを撒き散らせなかった。それでも最前線に一機でも多く欲しい戦闘機を、敵国内に迎撃のために引き止めておく効果はあったという。
やがて飛行機の方が発達し、飛行船の高度まで上昇できるようになると、鈍重な上に脆弱な(*1)飛行船では戦略爆撃は適わなくなり、多発の爆撃機が登場する。
それでも第一次大戦は戦略爆撃は「恐怖(のみ)爆撃」のままで済んだ。
尤も、飛行船は航続距離こそ長大ではあるが、原理的に爆弾の大量搭載には向かない。
ために当時の戦略爆撃は「恐怖爆撃」等と呼ばれつつ、逆に恐怖以上は大したものを撒き散らせなかった。それでも最前線に一機でも多く欲しい戦闘機を、敵国内に迎撃のために引き止めておく効果はあったという。
やがて飛行機の方が発達し、飛行船の高度まで上昇できるようになると、鈍重な上に脆弱な(*1)飛行船では戦略爆撃は適わなくなり、多発の爆撃機が登場する。
それでも第一次大戦は戦略爆撃は「恐怖(のみ)爆撃」のままで済んだ。
<注釈>
(*1)当時の飛行船は、巨大な気嚢に水素を詰めていた。気嚢に穴開けられて墜落する恐れもさることながら、下手すりゃヒンデンブルク号の如く大爆発だ。
(*1)当時の飛行船は、巨大な気嚢に水素を詰めていた。気嚢に穴開けられて墜落する恐れもさることながら、下手すりゃヒンデンブルク号の如く大爆発だ。
(B)第2次大戦-物理的威力から核攻撃へ-
第2次大戦ともなるとそうは行かない。全金属単葉多発の戦略爆撃機は、速度も航続距離もなかんずく爆弾搭載量で長足の進歩を遂げ、ドイツに対しては「昼夜兼行24時間連続爆撃」だの「1000機爆撃」だのの大規模爆撃として実施され、地上の消火活動を一切無効にする大火災を生じさせる、Fire Storm戦術も実施された。
我が国に対しては、4面海もて囲まれしおかげで米軍の最新鋭B-29ぐらいしか(*1)日本本土に届かず、「昼夜兼行24時間連続爆撃」はなかったが、我が国の高高度迎撃・夜間迎撃能力の不十分(*2)とあいまって、日本の都市と言う都市は灰燼と帰し、挙句の果ては広島と長崎に1発づつ原子爆弾まで喰らった。
広島、長崎への原爆投下は、昼間、原爆搭載のために防御火器もはずしたたった1機のB-29で実施された。たった1機の爆撃機の核攻撃で、一つの都市が大打撃を受ける事が実証されたわけだ。
我が国に対しては、4面海もて囲まれしおかげで米軍の最新鋭B-29ぐらいしか(*1)日本本土に届かず、「昼夜兼行24時間連続爆撃」はなかったが、我が国の高高度迎撃・夜間迎撃能力の不十分(*2)とあいまって、日本の都市と言う都市は灰燼と帰し、挙句の果ては広島と長崎に1発づつ原子爆弾まで喰らった。
広島、長崎への原爆投下は、昼間、原爆搭載のために防御火器もはずしたたった1機のB-29で実施された。たった1機の爆撃機の核攻撃で、一つの都市が大打撃を受ける事が実証されたわけだ。
これにより、戦略爆撃は新たな時代を迎える。核兵器を搭載した戦略爆撃機が仮想敵国首都を虎視眈々と相互に狙う時代。「冷戦」と呼ばれる時代である。
<注釈>
(*1)硫黄島が陥落するまでは。硫黄島からは、P-51戦闘機が日本に届き、ここからB-29護衛の任に付いた。
(*2)そうは言っても、機体と機数を考えれば、にわかに信じ難いほどの迎撃戦果を挙げているのだが。
日本一のB-29キラー樫出大尉は26機のB-29を撃墜しているが、その乗機は2式複戦「屠龍」であり、その主要兵装は37mm砲。「機関砲」では無い事に注意。半自動砲ですらない。1発づつ後席の航法士が装填するのである。
「わが生涯で、B-29撃墜以上の難事は無いだろう。」と言うのが、終戦の際のこの人の感慨。うべなるべしと言うべきだろう。
(*1)硫黄島が陥落するまでは。硫黄島からは、P-51戦闘機が日本に届き、ここからB-29護衛の任に付いた。
(*2)そうは言っても、機体と機数を考えれば、にわかに信じ難いほどの迎撃戦果を挙げているのだが。
日本一のB-29キラー樫出大尉は26機のB-29を撃墜しているが、その乗機は2式複戦「屠龍」であり、その主要兵装は37mm砲。「機関砲」では無い事に注意。半自動砲ですらない。1発づつ後席の航法士が装填するのである。
「わが生涯で、B-29撃墜以上の難事は無いだろう。」と言うのが、終戦の際のこの人の感慨。うべなるべしと言うべきだろう。