人類史上最多生産銃－AK47カラシニコフ自動小銃（ソ連）－

　報じられているのは「カラシニコフ自動小銃」ことソ連開発の軍用自動小銃についての図説。
　タイトルにあるAK47は、そのカラシニコフ自動小銃の元祖となったソ連製自動小銃の制式名称である。
　何しろ原設計は古い。AK47の「47」は、西暦１９４７年正式を意味するのだから、日本歴では昭和２２年、皇紀で言えば２６０７年。戦後まもなくで朝鮮戦争前と言うことになる。
　その後、本家ソ連／ロシアでもAKM、AK74などの改良発展型も開発され、今も現役ばりばりの軍用自動小銃だ。
　「発射音に特徴がある。」とはクリント・イーストウッド演じる、ハイウェイ軍曹の台詞だが、外観上の特徴は銃身上部に取り付けられたガスチューブとそれを覆うアームガードとバナナ型弾倉で、このアームガードが発射の熱で熱くなることでも有名だ。

　報じられているのはその生産国、採用国、生産数の多さ。「人類史上最多生産」とも言われるのは、ソ連で正式採用された後に、ライセンス或いはコピー生産した国がアルバニア、アルジェリア、版具ラディッシュ、ブルガリア、中国、キューバ、東ドイツ、ハンガリー、インド、イラン、イラク、イスラエル、北朝鮮、クロアチア、パキスタン、ポーランド、ルーマニア、南アフリカ、シリア、ベトナム、ユーゴスラビアと東側を中心に多国にわたることと、可動部品が極めて少ない上に大きく、生産も取り扱いも相当ラフでも大丈夫なように設計されている、言い換えると貧弱な工業力でも量産でき、短い訓練期間で実践投入できるためだ。
　
　「紛争地帯で必ず目にする銃」と言うのは、兵器としては誉め言葉とも受け取れるが、「悪魔の銃」等という呼ばれ方もあるようだ。
　尤も、ロバート.A.ハインラインが「宇宙の戦士（原題　Starship Troopers）」で曰く、
　『危険な兵器などと言うものはない。
　　危険な兵士が居るだけだ。』
即ち「馬鹿とハサミは使いよう。」とも言うとおり、銃手なり何なりのオペレーターがあっての兵器なのだから、「神の銃」とは言わぬまでも、「悪魔の銃」となるか否かはオペレーター＝銃手次第だろう。

　さらに言えば、「カラシニコフの様な銃＝武器が満ちあふれているから紛争がなくならない。」等という説にも、私は賛成できない。
　海賊や犯罪ならば兎も角、紛争や戦争はそれ相応の理由と意図があって軍隊を動かすのであるから、銃がなければ刀槍を使ってでも、目的を達しようとするだけだろう。