1 オバマ大統領、イランが核放棄ならMD不要論
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「イラン核放棄ならMDは不要」オバマ米大統領、米露新時代へ決意 (1/3ページ)http://sankei.jp.msn.com/world/america/090707/amr0907072054012-n1.htm
2009.7.7 20:45
7日、モスクワの学校で演説するオバマ米大統領(ロイター=共同) 【モスクワ=遠藤良介】ロシアを訪問中のオバマ米大統領は7日、モスクワの高等経済大学で演説し、ロシアが強硬に反発している米国のミサイル防衛(MD)計画について「イランが核兵器開発を放棄すればMDも必要なくなる(*1)」と表明した。オバマ氏はまた、「米国はロシアが強く、自信を持ち、繁栄した国家であることを望む」とも発言。ソ連崩壊後も根強いロシア人の対米不信を取り除き、核不拡散やテロ対策などでロシアと協力する決意を鮮明にした。
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「イラン核放棄ならMDは不要」オバマ米大統領、米露新時代へ決意 (1/3ページ)http://sankei.jp.msn.com/world/america/090707/amr0907072054012-n1.htm
2009.7.7 20:45
米露関係の「リセット」は、ソ連末期のゴルバチョフ政権期や1990年代のエリツィン政権初期にすでに起きている。しかし、これはロシアが「超大国ソ連」の地位を失い、自信を喪失していった時期だ。その後の北大西洋条約機構(NATO)の東方拡大や「米国一極化」にロシア人は複雑な“被害者意識”を鬱積(うっせき)させ、国力が回復傾向に入ったプーチン前政権期には、それが“米露新冷戦”や昨年8月のグルジア紛争となって表面化した。
オバマ氏の演説は、「ロシアの言うことに聞く耳を持ってほしい。大国として敬意をもって接してほしい」(露専門家)という政権と国民の感情をくんだものだ。その上で、「NATOはロシアと敵対するのではなく、協力すべきだ」「米露は北朝鮮の核保有国化とイランの核兵器獲得の阻止で団結しなければならない」と述べ、両国が世界の安全保障で協調する必要を訴えた。
オバマ氏の演説は、「ロシアの言うことに聞く耳を持ってほしい。大国として敬意をもって接してほしい」(露専門家)という政権と国民の感情をくんだものだ。その上で、「NATOはロシアと敵対するのではなく、協力すべきだ」「米露は北朝鮮の核保有国化とイランの核兵器獲得の阻止で団結しなければならない」と述べ、両国が世界の安全保障で協調する必要を訴えた。
訪露前に「片足が冷戦時代にある」と批判していたプーチン首相(前大統領)とも7日に朝食をともにし、「あなたがロシア国民のためにした非凡な仕事を知っている」と称賛した。
他方、オバマ大統領は演説で「帝国が敵対し、チェスの駒のように他国に接する時代は終わった」とし、ロシアによる近隣国への攻撃的な対外姿勢を暗に批判している。親欧米政権の下でNATO加盟を目指すウクライナやグルジアについても「領土の保全は世界秩序の基礎であり、国家が自らの指導者を選び、独立した対外政策を有することも同様だ」とくぎをさした。
“米国の国是”である民主主義の価値観もオバマ大統領の対露外交から外れたたわけではない。訪露前には政権批判で知られるリベラル紙「ノーバヤ・ガゼータ」の書面インタビューに応じ、米露関係「リセット」の概念にはロシアの民主化や人権問題も含まれていると述べた。
オバマ大統領は7日夕、野党や市民団体の代表者とも面会する。独立政治家のルイシコフ元下院議員は記者団に対し、「オバマ大統領がクレムリン以外の政治家とも接触しようという態度の表れだ。反対派の意見を聞くことでオバマ氏はよりロシアを理解してくれるだろう」と話していた。
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<注釈>
(*1)何ロシアにおべっか使ってやがるんだ?或いは、イランが核を放棄することはない、という読みか?
(*1)何ロシアにおべっか使ってやがるんだ?或いは、イランが核を放棄することはない、という読みか?
報じられているのはオバマ米国大統領のロシアでの演説。オバマ大統領の演説の巧さには定評があるが、どうも今回の演説といい、核兵器廃絶の訴えといい、私には「巧言麗色少なきかな仁」なんて言葉が思い出されてならず、不信感を払拭できないのである。
今回の演説を報じられているところからさらに私なりに要約すると、以下の通り。
(1) ロシアは大国として扱われるべきであり、米ロは共同して核不拡散やテロ対策にあたる。
(2) イランが核兵器を放棄するならば、米国にミサイル防衛は不要となる。これはロシアの意にも沿う。
(3) NATOはロシアと敵対するのではなく、協力すべきだ
今回の演説を報じられているところからさらに私なりに要約すると、以下の通り。
(1) ロシアは大国として扱われるべきであり、米ロは共同して核不拡散やテロ対策にあたる。
(2) イランが核兵器を放棄するならば、米国にミサイル防衛は不要となる。これはロシアの意にも沿う。
(3) NATOはロシアと敵対するのではなく、協力すべきだ
さて我が国にとって問題なのは、何と言っても上記(2)だろう。何しろ、アメリカがミサイル防衛を放棄する条件はイランの核兵器に限定されており、北朝鮮の核兵器には言及されていない。
「米露は北朝鮮の核保有国化とイランの核兵器獲得の阻止で団結しなければならない」とも演説しているが、イランの核兵器さえ阻止できれば、まだ大陸間弾道弾の開発には成功して居らず、それに搭載できる核弾頭も開発できていない北朝鮮は当面米国の脅威ではないから「ミサイル防衛は不要」という理屈のようだ。
なんとも楽観的というか、能天気というか、「流石は民主党出身の大統領」と言うべきか。
場所がロシア、相手がロシア人だから、リップサービスもあろうとは思うが、この演説を額面通りに受け取るならば、米国は北朝鮮の核開発状況に関わらずミサイル防衛を放棄してしまう可能性を示唆している。
もしイランが核兵器を放棄したと判断されて、アメリカがミサイル防衛を放棄してしまい、且つ北朝鮮が核兵器を放棄しなかったとしたら・・・我が国は如何にすべきであろうか?
北朝鮮をはじめとする弾道ミサイル脅威に屈さぬためには、我が国にはミサイル防衛はあった方が良いのは明らかだ。アメリカがそのミサイル防衛を放棄してしまったら、まずは既に開発済みのペトリオットPAC-3とスタンダードSM-3のライセンス国産を進めるべきだろう。前者は既にライセンス国産中であるが、防空範囲が酷く限られる終末フェーズ防衛用だから、中期防衛用で防空範囲が広い後者の緊急なライセンス国産が求められる。瑣末な障害はあるだろうが、実現性は充分にありそうだ。
「米露は北朝鮮の核保有国化とイランの核兵器獲得の阻止で団結しなければならない」とも演説しているが、イランの核兵器さえ阻止できれば、まだ大陸間弾道弾の開発には成功して居らず、それに搭載できる核弾頭も開発できていない北朝鮮は当面米国の脅威ではないから「ミサイル防衛は不要」という理屈のようだ。
なんとも楽観的というか、能天気というか、「流石は民主党出身の大統領」と言うべきか。
場所がロシア、相手がロシア人だから、リップサービスもあろうとは思うが、この演説を額面通りに受け取るならば、米国は北朝鮮の核開発状況に関わらずミサイル防衛を放棄してしまう可能性を示唆している。
もしイランが核兵器を放棄したと判断されて、アメリカがミサイル防衛を放棄してしまい、且つ北朝鮮が核兵器を放棄しなかったとしたら・・・我が国は如何にすべきであろうか?
北朝鮮をはじめとする弾道ミサイル脅威に屈さぬためには、我が国にはミサイル防衛はあった方が良いのは明らかだ。アメリカがそのミサイル防衛を放棄してしまったら、まずは既に開発済みのペトリオットPAC-3とスタンダードSM-3のライセンス国産を進めるべきだろう。前者は既にライセンス国産中であるが、防空範囲が酷く限られる終末フェーズ防衛用だから、中期防衛用で防空範囲が広い後者の緊急なライセンス国産が求められる。瑣末な障害はあるだろうが、実現性は充分にありそうだ。
問題は次の世代だ。
現在日米はスタンダードSM-3の新型を共同開発中であるが、アメリカがミサイル防衛を放棄してしまったら、この開発は中断或いは大いに縮小を余儀なくされるに違いない。アメリカ側のメーカも商売だから、儲かる限りは共同開発も続くだろうが、アメリカ側が「ミサイル防衛を放棄」してしまった以上、その開発費は結局日本のただでさえ乏しい防衛費からしか出てくる訳が無く、到底今の日米共同開発SM-3を賄えそうもない。
となると、日本と同様にミサイル防衛を欲している国、例えばイスラエルとの新たな共同開発を始めるか・・・・Arrow2の後継または発展型の共同開発という形になるだろうな。
或いは、これはもう大量報復戦略以外は現実的な選択肢が無いと腹を括って、核兵器の保有に踏み切るか、だ。
無論後者の場合、ロシアも中国も、勿論とうの北朝鮮も、相当やかましい事は想像に難くない。
が、我が国安全と生存のためには、核武装も一つの選択肢であり、その原因がアメリカによるミサイル防衛放棄にある以上、少なくとも我が国独自の核兵器が配備されるまでの間、アメリカの核兵器を核シェアリングする事も含めて、大いに議論し、交渉すべきであろう。
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現在日米はスタンダードSM-3の新型を共同開発中であるが、アメリカがミサイル防衛を放棄してしまったら、この開発は中断或いは大いに縮小を余儀なくされるに違いない。アメリカ側のメーカも商売だから、儲かる限りは共同開発も続くだろうが、アメリカ側が「ミサイル防衛を放棄」してしまった以上、その開発費は結局日本のただでさえ乏しい防衛費からしか出てくる訳が無く、到底今の日米共同開発SM-3を賄えそうもない。
となると、日本と同様にミサイル防衛を欲している国、例えばイスラエルとの新たな共同開発を始めるか・・・・Arrow2の後継または発展型の共同開発という形になるだろうな。
或いは、これはもう大量報復戦略以外は現実的な選択肢が無いと腹を括って、核兵器の保有に踏み切るか、だ。
無論後者の場合、ロシアも中国も、勿論とうの北朝鮮も、相当やかましい事は想像に難くない。
が、我が国安全と生存のためには、核武装も一つの選択肢であり、その原因がアメリカによるミサイル防衛放棄にある以上、少なくとも我が国独自の核兵器が配備されるまでの間、アメリカの核兵器を核シェアリングする事も含めて、大いに議論し、交渉すべきであろう。
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