相変わらず仰々しい北朝鮮であるが、まずは産経Webから転載----------------------
【北制裁】朝鮮中央通信、「日本が貨物検査すれば、無慈悲に報復」http://sankei.jp.msn.com/world/korea/090624/kor0906240026001-n1.htm
2009.6.24 00:24

このニュースのトピックス:北朝鮮
 北朝鮮の朝鮮中央通信は23日、日本が国連安全保障理事会の制裁決議を受け、北朝鮮に出入りする船舶への貨物検査を想定した特別措置法案を検討していることについて「戦争行為を合法化するものだ」と非難する論評を出した。

 米軍が北朝鮮船舶「カンナム」を追跡していることには触れなかったが、けん制する思惑もあるとみられる。

 論評はまた「日本が公海上であれ、どこであれ、われわれの船舶を検査しようとするなら、わが革命軍隊は無慈悲に報復攻撃するだろう」と警告した。(共同)
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 同じ事を報じるのでも、朝日新聞はより北朝鮮の「主張」が明確だ。流石は朝日(チョウニチ)新聞。 
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http://www.asahi.com/international/update/0623/TKY200906230335.html

北朝鮮、日本の船舶検査新法を非難 朝鮮中央通信
2009年6月23日20時10分

 【ソウル=牧野愛博】北朝鮮の朝鮮中央通信は23日、日本政府が公海上で海上保安庁や海上自衛隊による貨物検査を可能にする新法を検討していることなどに触れ、「対米追従に狂奔する政治小者の醜態だ」と非難した。新法については「戦争行為を合法化するためのもの」とし、「公海上だろうがどこであろうが、我々の平和的な船舶を検査しようとすれば、わが軍隊は幾千倍の無慈悲な復讐(ふくしゅう)を加えるだろう」と警告した。
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>「対米追従に狂奔する政治小者の醜態だ」

 つまり北朝鮮様ではなく「アメリカ様に尻尾を振っている」事しか批難していない。
 民主党が自民党を批難する理論としてはこれで通るかもしれないが、北朝鮮が日本の政府に対し「対米追従」を批難したって始まるまいと思うのだが。「対米追従ではない独自判断で将軍様に尻尾を触れ。」と言われても、首肯できるはずがあるものか。
 開発段階の核兵器で、強請り集りを働く事しか能がなく、自国民一つろくに食わせることも出来ない無能な指導者に、何故に世界屈指のGNPを産する自由な国民が、膝を屈するというのか。
 
 >「戦争行為を合法化するものだ」
 
 朝鮮戦争の再開を宣言しておいて、「戦争行為の合法化」を批難できてしまうと言うその理屈は、一体どこから来るのか?
 「朝鮮戦争の再開」を宣言した以上、戦争状態なんだから、戦争行為は既に合法化されているのではないか?何を寝ぼけているんだ??
 なんとも手前勝手なご都合主義なんだな、「主体思想」という奴は。
 
 >「日本が公海上であれ、どこであれ、われわれの船舶を
 >検査しようとするなら、わが革命軍隊は無慈悲に報復攻撃
 >するだろう」
 
 「公海上」と言う事は、「革命軍隊(※1)」の航空隊と艦艇で「無慈悲に報復攻撃」すると言っているのだろうが、航空隊はまだしも、艦艇でまともに外洋活動できそうなのはフリゲート3隻に潜水艦30隻ほどしかない艦艇で、一体どんな「報復攻撃」をかけようというのかな。少なくとも「無慈悲」と言うには程遠い。
 
 北朝鮮得意の「第5列=便衣隊(※2)」を洋上派遣し、「ピースボート」とか「グリーンピース」のフリをして(※3)近づき攻撃すると言う方法もあるが、遮蔽物も無ければ人民の海もない洋上では、最初の奇襲以外は効果激減だろう。
 
 そうか、弾道ミサイルにだけは事欠かない(と言ってもたかが数百発しかないが)から、日本が相手である事だし、北朝鮮船舶に対する臨検を理由に日本本土に対し弾道ミサイル攻撃という方法があるか。なるほど、こりゃ「無慈悲」だね。
 
 公海上の船舶臨検に対し、日本本土に対する弾道ミサイル攻撃で応えようという「超エスカレーション戦略」を取る北朝鮮を抑止する戦略は、大量報復戦略ぐらいしかない、と私には断じられる。
 即ち我が日本本土に対する攻撃に対しては敵国(この場合は北朝鮮)本土に対する大量報復攻撃で応じるとする戦略だ。
 無論我が国には(まだ)核兵器が無く、報復攻撃の手段も酷く限定されるので(今だと、航空機による空爆ぐらいで、その主力はF-2と誘導爆弾になる。)甚だ心許ない。が、不可能というほどではない。他でも書いたが、今なら北朝鮮の核兵器も実験段階。スカッドやテポドンが降って来ようが、それが核弾頭を伴う気遣いはない。
 
 今ならやれる。
 
 戦後長い事「専守防衛」を標榜し、それで事足りてきたので、我が自衛隊3軍の攻撃力は十分と言うには程遠いが、無理はあるが、不可能ではない。幸いな事に。

 弾道ミサイル防衛、現状のペトリオットPAC-3もイージス艦&SM-3も、十分と言うには程遠いが、座して死を待つよりは遥かにマシな状態にある。幸いな事に。
 
 海自並びに海保の船舶臨検=前線に当たる方々は、ご苦労様だが心置きなく任務に邁進せられたい。
 その結果、北朝鮮が弾道ミサイル攻撃を仕掛けてこようとも、銃後に当たる国民諸氏は敵の宣伝・心理戦・第5列(※4)に乗ぜられることなく、こうむるであろう損害被害に動揺することなく、冷静に対処されたい。
 
 ここで我々が膝を屈するようならば、明日北朝鮮から飛んで来るのは、核弾頭つき弾道ミサイルであり、大陸間弾道ミサイルである事を、想起されたい。
 
 Yes, We Can.
 今なら、なせる。


<注釈>
(※1)少なくとも北朝鮮建国以来、と言う事は殆ど健軍以来なのだが、ズッと「革命」をサボりっぱなしの「革命軍隊」だ。
 卑しくも「革命軍隊」を名乗ろうと言うなら、革命の一つも起こして見やがれ。
(※2)軍服又は軍人とはっきりわかる標識を着けずに戦闘に参加する事は、ジュネーブ条約違反だ。まあ、北朝鮮がジュネーブ条約を守る事なぞ、期待できるわけも無いが。
(※3)いや、そのまんま、かな。
(※4)いずれも北朝鮮の得意技だ。