報じられているのは、自民党の国防関係合同会議が纏めた提言。 にほんブログ村
年末に改訂する「防衛計画の大綱」へ向けての提言で、記事のタイトルになっている通り、敵基地に対する日本の攻撃能力整備を提言しているもの。
まずは記事から転載。
年末に改訂する「防衛計画の大綱」へ向けての提言で、記事のタイトルになっている通り、敵基地に対する日本の攻撃能力整備を提言しているもの。
まずは記事から転載。
自民、敵基地攻撃能力を了承。但し、防げるのは第2撃
【転載開始】――――――――――――――――――――――――――-――
自民、敵基地攻撃能力保有を了承 予防的先制攻撃は行わず
2009.6.9 13:43 http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090609/stt0906091344007-n1.htm
より転載
このニュースのトピックス:国会
【転載開始】――――――――――――――――――――――――――-――
自民、敵基地攻撃能力保有を了承 予防的先制攻撃は行わず
2009.6.9 13:43 http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090609/stt0906091344007-n1.htm
より転載
このニュースのトピックス:国会
自民党は9日の国防関係合同会議で、政府が年末に改定する「防衛計画の大綱」に向けた提言を了承した。核実験と弾道ミサイル発射を繰り返す北朝鮮を念頭に、予防的先制攻撃は行わないと明示した上で敵基地攻撃能力の保有を打ち出したほか、平成7年策定の大綱以降縮減が続く防衛力の水準を見直し、適切な人員・予算を確保するよう求めた。
提言は先に国防部会・防衛政策検討小委員会がまとめた案を文書の形に再構成した。敵基地攻撃能力については専守防衛、非核三原則、軍事大国にならないとの防衛政策の基本を維持しつつ、日米安保体制下のミサイル防衛(MD)の一環として「我が国自身による敵ミサイル基地攻撃能力の保有を検討すべきだ」とした。具体的な装備としてはイージス艦への搭載が可能な海上発射型巡航ミサイルなどを挙げた。
現行の防衛費について、大規模災害や国際平和協力活動への取り組み増加を踏まえ、「陸海空自衛隊ともやりくりの限界を超えている」とし、「7年大綱以降の縮減方針の見直しが急務」と指摘した。
政府解釈で行使が禁じれている集団的自衛権については、(1)公海上での米軍艦艇防護(2)米国を狙った弾道ミサイルの迎撃(3)駆けつけ警護(4)他国部隊の後方支援-の4類型について国会の同意を得て行使を可能とするよう提言。MD関連では早期警戒衛星の開発、PAC3より広い空域での迎撃が可能な「THAAD」(高高度防衛ミサイル)の導入検討、公海上に展開するイージス艦を防護するための法整備などを挙げた。
このほか、▽憲法改正による軍事裁判所の設置▽集団的自衛権行使や武器使用基準の見直しを担保する「国家安全保障基本法」の制定▽内閣直轄の対外情報機関や国安全保障会議(日本版NSC)創設▽他国との共同開発のための武器輸出三原則の緩和▽国境離島(防人の島)新法制定と離島の領域警備体制の充実-などを盛り込んだ。
――――――――――――――---―――――――――-――【転載終了】
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1. 評価できる点
上記の記事から、今回の提言で評価できる点を列挙すると、以下の通り。
上記の記事から、今回の提言で評価できる点を列挙すると、以下の通り。
(1) 平成7年策定の大綱以降縮減が続く防衛力の水準を見直し、適切な人員・予算を確保するよう求めた。
(2) 政府解釈で行使が禁じれている集団的自衛権については、(1)公海上での米軍艦艇防護(2)米国を狙った弾道ミサイルの迎撃(3)駆けつけ警護(4)他国部隊の後方支援-の4類型について国会の同意を得て行使を可能とするよう提言。
(3) 「我が国自身による敵ミサイル基地攻撃能力の保有を検討すべきだ」とした。
(4) 具体的な装備としてはイージス艦への搭載が可能な海上発射型巡航ミサイルなど
(5) ▽集団的自衛権行使や武器使用基準の見直しを担保する「国家安全保障基本法」の制定
(6) ▽内閣直轄の対外情報機関や国安全保障会議(日本版NSC)創設
(7) ▽他国との共同開発のための武器輸出三原則の緩和
(8) ▽国境離島(防人の島)新法制定と離島の領域警備体制の充実
但し、(4)イージス艦発射型巡航ミサイルというと、米海軍のトマホークと言う事に十中九までなるだろうが、たとえ海外調達でも、「買ってきて艦に積めばお終い。」にはならないことに留意すべきだ。新装備であるから新装備なりの訓練が必要なのは当たり前として、我が国初の長距離対地=敵地攻撃ミサイルの運用には、当然ながら敵地情報の収集が不可欠であり、それは平時の衛星情報、人間情報から発射直前の無人偵察機・有人偵察機・前線部隊情報を含む標定に至るまで、広範な情報収集・伝達手段が必要である。
米軍・米海軍にはそれがある。
現状の自衛隊・海上自衛隊にはない。(多分)
従って、「トマホーク○発配備するために△億円。」だけ予算計上していれば良い話ではない事を、想起すべきである。
「水と安全はタダ。」等と能天気に公言できた(※1)時代ではない、と言う事だ。
(2) 政府解釈で行使が禁じれている集団的自衛権については、(1)公海上での米軍艦艇防護(2)米国を狙った弾道ミサイルの迎撃(3)駆けつけ警護(4)他国部隊の後方支援-の4類型について国会の同意を得て行使を可能とするよう提言。
(3) 「我が国自身による敵ミサイル基地攻撃能力の保有を検討すべきだ」とした。
(4) 具体的な装備としてはイージス艦への搭載が可能な海上発射型巡航ミサイルなど
(5) ▽集団的自衛権行使や武器使用基準の見直しを担保する「国家安全保障基本法」の制定
(6) ▽内閣直轄の対外情報機関や国安全保障会議(日本版NSC)創設
(7) ▽他国との共同開発のための武器輸出三原則の緩和
(8) ▽国境離島(防人の島)新法制定と離島の領域警備体制の充実
但し、(4)イージス艦発射型巡航ミサイルというと、米海軍のトマホークと言う事に十中九までなるだろうが、たとえ海外調達でも、「買ってきて艦に積めばお終い。」にはならないことに留意すべきだ。新装備であるから新装備なりの訓練が必要なのは当たり前として、我が国初の長距離対地=敵地攻撃ミサイルの運用には、当然ながら敵地情報の収集が不可欠であり、それは平時の衛星情報、人間情報から発射直前の無人偵察機・有人偵察機・前線部隊情報を含む標定に至るまで、広範な情報収集・伝達手段が必要である。
米軍・米海軍にはそれがある。
現状の自衛隊・海上自衛隊にはない。(多分)
従って、「トマホーク○発配備するために△億円。」だけ予算計上していれば良い話ではない事を、想起すべきである。
「水と安全はタダ。」等と能天気に公言できた(※1)時代ではない、と言う事だ。
<注釈>
(※1)それ自体は「極めて幸福な時代」であったとは、言えるだろうが。
(※1)それ自体は「極めて幸福な時代」であったとは、言えるだろうが。
2. ぬるい点
少なくとも「先制攻撃を辞さないと公言する相手には、我が方からの先制攻撃とて辞さない。」ぐらいの意思表示があってしかるべきではなかろうか。
尤も、そんな意思表示は今は隠匿しておいて、巡航ミサイル等の我が国の攻撃能力が運用開始されてからでも遅くないと言う、「深謀遠慮(※1)」があるならば、話は別だ。
(1) 予防的先制攻撃は行わないと明示
そんな物「明示」するのは、ただの自己満足だろうに。少なくとも「先制攻撃を辞さないと公言する相手には、我が方からの先制攻撃とて辞さない。」ぐらいの意思表示があってしかるべきではなかろうか。
尤も、そんな意思表示は今は隠匿しておいて、巡航ミサイル等の我が国の攻撃能力が運用開始されてからでも遅くないと言う、「深謀遠慮(※1)」があるならば、話は別だ。
(2) 専守防衛、非核三原則、軍事大国にならないとの防衛政策の基本を維持
専守防衛は高くつく事を周知すべきだし、「敵基地攻撃」と言う時点で「専守防衛」とは矛盾するが・・・これまた「深謀遠慮」あってのこととあれば、納得はできる。非核3原則の内、少なくとも第3番目「持ち込まず」は今すぐは記してもかまわないだろう。何しろ隣国・北朝鮮が、その核兵器を「持ち込む」どころか強請のネタにしてくれている、かかる事態に至っては。
賛同できるのは、「軍事大国にならない」だけだな。それとて、我が国の存亡と繁栄のためには、取り得る選択肢の一つだ。
「軍事大国になることを避けて、国を滅ぼす」等、愚の骨頂であろう。
「かつての大日本帝国は、軍事大国だったが滅びた。」と言うのは首肯するが、「軍事大国だったから滅びた。」問い宇設には組しない。大日本帝国が世界第3位の海軍力や、一時は間違いなく世界一であった空母機動部隊を保有していなかったら、「大日本帝国の滅亡」はもっと早まったろうと考えるし、そうなったら「東亜の解放」あるいは「人種差別が悪と公認される世界」も、ずいぶん送れたろうと考える。
故に、我が国に必要であるならば、我が国が軍事大国化することを、ためらう理由は、私には見当たらない。
今のところ、軍事大国にならずにも済ませられそうだ、とは言うけれど。それとて、中国、ロシア、アメリカなどとの、関係次第であるから、未来永劫でもなければ、絶対でもない。
(3) 早期警戒衛星の開発、PAC3より広い空域での迎撃が可能な「THAAD」(高高度防衛ミサイル)の導入検討
海上発射型トマホークでも述べたとおり、これら新装備の配備から運用可能になるまでには、単に「買ってくる」以上の費用と期間がかかる。更にこれらの新装備は、これから開発するのである。「予定は未定」などと言うように、未来は不確定であり、開発は失敗する可能性がある。失敗とは言わないまでも、予想より開発期間がかかることはままあることだ。
バックアッププランを含む導入計画、とすべきだろうな。(その分、更に費用はかかろうが。)
<注釈>
(※1)と、言うほどの物でもない。タダの、「要領の良さ」か。
(※1)と、言うほどの物でもない。タダの、「要領の良さ」か。