諸兄ご承知の通り、我が日本は「世界唯一の被爆国=核攻撃被害国」として知られており、それ故に「核アレルギー」とも言われるほどの核兵器及び核動力=原子力発電・原子力推進に対する反発・嫌悪感が強いとされて居る。毎年8月の6日9日の広島及び長崎に対する核攻撃記念日は「原爆忌」とも呼ばれ、毎年のように「核兵器廃絶」が訴えられ、「核兵器のない世界」を目指すアピールが採択される。
これまた諸兄ご承知の通り、実効はさっぱり上がっていない。
米ソの「2大超大国」の核兵器こそ、かつての冷戦時代よりは減っているものの(※1)、お隣の中国はここ数十年の2桁軍備増強と共に核兵器を着々と配備並びに近代化しているし、あまつさえ北朝鮮に至っては世界各国の食料援助エネルギー援助をだまし取りつつ核兵器を開発し、今度はその核兵器でさらに「金王朝の維持安定」まで脅し取ろうとするほどだ。
その他に、「隠れ核兵器保有国」イスラエルを含め、核兵器保有国の数は、米ロ英仏中の5大核兵器保有国=国連常連理事国を筆頭に、インド、パキスタンと増えるばかりでさっぱり減らない。核廃絶の実現どころか核拡散の方を懸念しなければならない始末で、北朝鮮による核実験、核恫喝、もこの文脈の中にある。
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これまた諸兄ご承知の通り、実効はさっぱり上がっていない。
米ソの「2大超大国」の核兵器こそ、かつての冷戦時代よりは減っているものの(※1)、お隣の中国はここ数十年の2桁軍備増強と共に核兵器を着々と配備並びに近代化しているし、あまつさえ北朝鮮に至っては世界各国の食料援助エネルギー援助をだまし取りつつ核兵器を開発し、今度はその核兵器でさらに「金王朝の維持安定」まで脅し取ろうとするほどだ。
その他に、「隠れ核兵器保有国」イスラエルを含め、核兵器保有国の数は、米ロ英仏中の5大核兵器保有国=国連常連理事国を筆頭に、インド、パキスタンと増えるばかりでさっぱり減らない。核廃絶の実現どころか核拡散の方を懸念しなければならない始末で、北朝鮮による核実験、核恫喝、もこの文脈の中にある。
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<注釈>
(※1)そりゃソ連の方が冷戦に敗れて、ロシア他いくつかの国に分裂したのだ。国力も低下したし、保有する核兵器も経るのが道理。
(※1)そりゃソ連の方が冷戦に敗れて、ロシア他いくつかの国に分裂したのだ。国力も低下したし、保有する核兵器も経るのが道理。
1-1 核兵器は最終兵器でも究極兵器でもない
諸兄ご承知の通り、核兵器なるものは、ウランなどによる核分裂もしくは水素などによる核融合により、質量の一部がエネルギーに変換されることを利用し、これを破壊に向けた「核爆弾」である。
アインシュタインの相対性原理E= m c^2 が示すとおり(※1)、質量=重さと言う奴はすさまじいばかりのエネルギー(※2)、質量とは凄まじいばかりのエネルギーの「蓄積」に他ならない。その質量として蓄えられたエネルギーの、ほんの数パーセントを、「質量欠損」としてエネルギーに変換し、破壊に供する「シロモノ」こそ、核兵器である。
繰り返す。質量の、ほんの数パーセントをエネルギーとして破壊に供するのみなのが、核兵器である。20キロトン(=2万トン)とか、1メガトン(=百万トン)とか、TNT火薬に換算すると確かに凄い破壊力であるが、質量の数パーセントは数パーセント。大半の質量は、単に放射性物質として飛散して、2次放射線被害に寄与するのみである。
そんな核兵器が、「非在来型兵器」と呼ばれるのはまだしも、「最終兵器」や「究極兵器」であろう筈がない。
この世に「最終兵器」があるとしたら、それは全長大凡6フィートほど、その主要部分は大凡1フィート立方のほぼ球体を為す。核兵器は勿論、種々の兵器を産みいだし、改良し、さらには核兵器上の兵器を産み出す、人間の頭脳こそ、最終兵器に違いない。
「ハンプティ・ダンプティ、砂の中、か。」-寺沢武一「コブラ」-
アインシュタインの相対性原理E= m c^2 が示すとおり(※1)、質量=重さと言う奴はすさまじいばかりのエネルギー(※2)、質量とは凄まじいばかりのエネルギーの「蓄積」に他ならない。その質量として蓄えられたエネルギーの、ほんの数パーセントを、「質量欠損」としてエネルギーに変換し、破壊に供する「シロモノ」こそ、核兵器である。
繰り返す。質量の、ほんの数パーセントをエネルギーとして破壊に供するのみなのが、核兵器である。20キロトン(=2万トン)とか、1メガトン(=百万トン)とか、TNT火薬に換算すると確かに凄い破壊力であるが、質量の数パーセントは数パーセント。大半の質量は、単に放射性物質として飛散して、2次放射線被害に寄与するのみである。
そんな核兵器が、「非在来型兵器」と呼ばれるのはまだしも、「最終兵器」や「究極兵器」であろう筈がない。
この世に「最終兵器」があるとしたら、それは全長大凡6フィートほど、その主要部分は大凡1フィート立方のほぼ球体を為す。核兵器は勿論、種々の兵器を産みいだし、改良し、さらには核兵器上の兵器を産み出す、人間の頭脳こそ、最終兵器に違いない。
「ハンプティ・ダンプティ、砂の中、か。」-寺沢武一「コブラ」-
<注釈>
(※1)E:エネルギー m:質量 c;光速
(※2)単純計算では、ある質量の半分を運動エネルギーに変換することが可能ならば、エネルギーに変換されなかった残りの半分を、光速=相対性原理に於ける速度の上限 まで加速できるほどの。
(※1)E:エネルギー m:質量 c;光速
(※2)単純計算では、ある質量の半分を運動エネルギーに変換することが可能ならば、エネルギーに変換されなかった残りの半分を、光速=相対性原理に於ける速度の上限 まで加速できるほどの。
1-2 全ての兵器は政治的兵器としての側面を持つ
いみじくもクラウゼヴィッツが喝破したとおり、軍事とは(外交と同様に)政治を実現する一手段である。日本国憲法の9条は、「国際紛争を解決する手段として」の武力による威嚇又は武力の行使を放棄しているが、それは日本の特殊事情であり、北朝鮮、中国、ロシアをはじめとする世界各国にはそんな特殊事情はないから、軍事力は実行も恫喝も含めて政治目的を達成するのに躊躇なく行使される。即ち、「憲法9条」等という「有り難い」ものを持たない世の大半の国では、軍事力及び軍事力による恫喝は国際紛争その他を解決する手段の一つである(※1)。
「政戦両略」何て言い方をすることもあるが、この場合、政略=政治的戦略が上位にあり、目的である。戦略=軍事的戦略は方法であり、手段である。
であるならば、戦略=軍事的戦略を実施する手段であるところの戦術ひいては兵器は政治的手段という側面を持つ。
「政戦両略」何て言い方をすることもあるが、この場合、政略=政治的戦略が上位にあり、目的である。戦略=軍事的戦略は方法であり、手段である。
であるならば、戦略=軍事的戦略を実施する手段であるところの戦術ひいては兵器は政治的手段という側面を持つ。
<注釈>
(※1)ごく当たり前のことをくどくど書いているのは、これが「平和を愛する諸国民」の紛れもない実態であるからだ。
(※1)ごく当たり前のことをくどくど書いているのは、これが「平和を愛する諸国民」の紛れもない実態であるからだ。
1-3 核兵器は優れて政治的な兵器である
事が拳銃や小銃程度の「威力の低い」兵器であるならば、兵器としてもそれを使った戦術としてもインパクトに欠けるから(※1)、政治的兵器としての威力も多寡が知れている。
が、事が核兵器の様な大量殺戮兵器だったら?
が、事が核兵器の様な大量殺戮兵器だったら?
当然ながらインパクトは大きく、政治的威力も無視し得ない。無視し得ないからこそ、無能な独裁者が(※2)国民を飢えさせながら外国の食料やエネルギー「人道」援助をかすめ取って密かに開発した「核兵器」に、世界一の核大国(からトップ3全てまで)含む各国が雁首揃えて未だ「解決」を見ない。解決を見ない所か、その協議会そのものが反古にされているのである。
核兵器は優れた政治的兵器であると言うことを見抜いた、その1点以外では全てに於いて無能と言って良い、親子(高々)2代の独裁者によって(※3)、だ。
かつての湾岸戦争の際、イラクのフセイン大統領は、弾道ミサイルをイスラエルに打ち込むことで「イラク対全世界」に近い構図を「アラブ対イスラエル」と言う毎度お馴染みの図式に変えて味方を増やそうと図った。弾道ミサイルを政治的兵器として活用とした事例と言えよう。幸いなことにその意図が失敗したのは、弾道ミサイルでは核兵器(※4)ほどの政治的インパクトがなかったことと、イスラエルが自制を働かせたこと、及び原始的ながらイスラエルに自制を働かせるに足る弾道ミサイル防衛=ペトリオットPAC-2が既にあった事による。
核兵器は優れた政治的兵器であると言うことを見抜いた、その1点以外では全てに於いて無能と言って良い、親子(高々)2代の独裁者によって(※3)、だ。
かつての湾岸戦争の際、イラクのフセイン大統領は、弾道ミサイルをイスラエルに打ち込むことで「イラク対全世界」に近い構図を「アラブ対イスラエル」と言う毎度お馴染みの図式に変えて味方を増やそうと図った。弾道ミサイルを政治的兵器として活用とした事例と言えよう。幸いなことにその意図が失敗したのは、弾道ミサイルでは核兵器(※4)ほどの政治的インパクトがなかったことと、イスラエルが自制を働かせたこと、及び原始的ながらイスラエルに自制を働かせるに足る弾道ミサイル防衛=ペトリオットPAC-2が既にあった事による。
<注釈>
(※1)それでも「暗殺」と言う戦術に供すれば、相応に政治的威力を発揮する。
(※2)何度も書くが、国民を飢えさせ、飢えたままにさせるような指導者は無能である。独裁者ならば尚のこと。親子2代で無能と来れば、その咎万死に値する。
(※3)無論、一寸脅せばほいほい金や食料やエネルギーを出してくれる、「有り難い」「同胞」や「宿敵」の存在は、看過すべきではないのだが。
(※4)イラクが核兵器保有を意図して原発を作ったのは有名な話だ。その原発を、イスラエルが空爆で粉砕したことも含めて。
極東には残念ながらイスラエルがなかったから、北朝鮮はあんな事になっている。
(※1)それでも「暗殺」と言う戦術に供すれば、相応に政治的威力を発揮する。
(※2)何度も書くが、国民を飢えさせ、飢えたままにさせるような指導者は無能である。独裁者ならば尚のこと。親子2代で無能と来れば、その咎万死に値する。
(※3)無論、一寸脅せばほいほい金や食料やエネルギーを出してくれる、「有り難い」「同胞」や「宿敵」の存在は、看過すべきではないのだが。
(※4)イラクが核兵器保有を意図して原発を作ったのは有名な話だ。その原発を、イスラエルが空爆で粉砕したことも含めて。
極東には残念ながらイスラエルがなかったから、北朝鮮はあんな事になっている。
1-4 核兵器以上を考える
何れにせよ大威力の兵器は政治的兵器としての側面が強くあり、核兵器はその最たるものである。
無論先述の通り我が国には現状、「憲法9条」と言う制限条件があり、核兵器があろうが無かろうが軍事力を「国際紛争解決の手段」に供することが禁じられている。
が、それは「現状」の話。
憲法は(※1)変えることが出来るし、我が国の安全と自存は憲法に優先するもの、と私は考えているから、大した問題だとは思っていない。
すぐお隣の北朝鮮が、核兵器だけを頼りに、全世界に対して政権の維持から経済的発展まで強請りたかろうと言う「強請大国」化を目指すという「北朝鮮モデル」を実現しようと言う「平和を愛する諸国民」に満ち溢れたこの世にあっては、我が国も核兵器の装備を真剣に議論すべきであると考えている。
「世界で唯一の被爆国=核攻撃の被害国」と言うのは、我が国の核兵器保有を正当化する理由足りうるので、必ずしも障害では無いとも考える。
但し、核兵器保有の議論は、我が国の安全保障に当然ながら深く関与するので、単純に「核兵器を持つのか、持たないのか、借りるのか」と言う三択問題だけでは議論できず、「我が国の安全保障コンセプトをどう考えるのか。」と言う議論と一体でなければ余り意味がない。
だが、話が長くなるので、ここでは「核兵器以外の道」を考えてみよう。
一部の人には残念かも知れないが「核兵器廃絶の道」でも「丸腰の者が殺されない世界作り(※2)」でもなく、章題にもしたとおり「核兵器以上の兵器」について考えるのである。
無論先述の通り我が国には現状、「憲法9条」と言う制限条件があり、核兵器があろうが無かろうが軍事力を「国際紛争解決の手段」に供することが禁じられている。
が、それは「現状」の話。
憲法は(※1)変えることが出来るし、我が国の安全と自存は憲法に優先するもの、と私は考えているから、大した問題だとは思っていない。
すぐお隣の北朝鮮が、核兵器だけを頼りに、全世界に対して政権の維持から経済的発展まで強請りたかろうと言う「強請大国」化を目指すという「北朝鮮モデル」を実現しようと言う「平和を愛する諸国民」に満ち溢れたこの世にあっては、我が国も核兵器の装備を真剣に議論すべきであると考えている。
「世界で唯一の被爆国=核攻撃の被害国」と言うのは、我が国の核兵器保有を正当化する理由足りうるので、必ずしも障害では無いとも考える。
但し、核兵器保有の議論は、我が国の安全保障に当然ながら深く関与するので、単純に「核兵器を持つのか、持たないのか、借りるのか」と言う三択問題だけでは議論できず、「我が国の安全保障コンセプトをどう考えるのか。」と言う議論と一体でなければ余り意味がない。
だが、話が長くなるので、ここでは「核兵器以外の道」を考えてみよう。
一部の人には残念かも知れないが「核兵器廃絶の道」でも「丸腰の者が殺されない世界作り(※2)」でもなく、章題にもしたとおり「核兵器以上の兵器」について考えるのである。
<注釈>
(※1)仲々改訂手順が大変だが
(※2)全世界をこんな世界にするというのは、神の国で永遠に生きるよりも難しいかも知れない。
何しろ後者には「真のキリスト教徒」になりさえすれば良いそうだから。
(※1)仲々改訂手順が大変だが
(※2)全世界をこんな世界にするというのは、神の国で永遠に生きるよりも難しいかも知れない。
何しろ後者には「真のキリスト教徒」になりさえすれば良いそうだから。