報じられているのは、世界経済フォーラム(World Economic Forum、ダボス会議)年次総の一幕。役者は中国の温家宝首相と露西亜のプーチン首相だそうだから、まず「そうそうたる」メンツだ。
 中国・温首相が「米国の借入に対する飽くなき欲求と「盲目的な利益追求」が世界大恐慌以来最悪の現在の世界的な不況を招いた」と米国を非難すれば、ロシア・プーチン首相は「過去6か月で米大手金融企業がいくつも破たんしていることが、誤ったことが行われていた証明だと」と非難する。アメリカとしては一寸居心地が悪かろう。

 さはさりながら・・・・
 サブプライムローンが破局を迎え、金融恐慌が発生し、アメリカ経済が青ざめていたとき、「これからの世界の経済的中心は、我が国ではないか。」と鼻息荒かったのが、他ならぬ中露両国ではなかったか?

 それが、金融恐慌の全貌が明らかになるにつれ、世界経済≒米国市場への輸出だよりだと判明した中国と、実は資源高騰で天然ガスや石油を売っていただけで、それら資源の価格が世界の景気に支えられていただけと知った露西亜が、アメリカに不平不満をぶつけているだけと見える。

 「なんでサブプライムローンバブルを膨張させ続けなかった。お陰で大損じゃないか。」と。

 世知辛くも厳しいのは、国際社会の常とは言え、この中露両国の発言は、しかもどちらも首相の発言は、あまりにこすからくないか?

 それだけ大変な事態、と言うことかも知れないが。