報じられているのは、中国のIMF関係者が「ダウ・ジョーンズ・ニューズワイヤーズ(Dow Jones Newswires)に対し、「為替レートなどから、07年の中国は、米国、日本についで世界第3位の経済大国になった」と語った。」と言うもの。
 IMF関係者と言うから、中国のお役人なんだろうと推定するのは、合理的推定であろうと思うが・・・この報道、いくつも疑問がある。
 まず07年のGDPが1年以上もたった今頃上方修正されると言うのが判らない。何か新たな統計的事実でも判明したのだろうか?
 その上方修正の根拠がこれまた判らない。「為替レートなどから」となっているが、為替レートなんてものは普通リアルタイムに判るものだろう。1年以上後に国のGDPを修正するような根拠になるとは信じ難い。
 もしそんなことが起きるとすると、例えば中国では為替の決済が年に1回しか行われないため反映が出来なかったとか、何らかの特殊事情がありそうだ。
 そんな特殊事情は、衆知の事実なのだろうか。
 衆知の事実でないならば、そんな特殊事情を、併せて報じるのが、報道の勤めというものだろう。

 中国当局の言うことを右から左に流すだけならば、それは宣伝であって報道ではない。