報じられているのは、インドネシアが6機導入を計画しているスホーイ戦闘機の内2機が引き渡されたというもの。引き渡されたのはSu-30MKで、インドネシアは同型機を合計3機とSu-27SKM 3機を導入する計画であるという。つまり、同型機を3機ずつだ。
 飛行機の運用は2機編隊が基本で、大編隊でも偶数機で組むのが通常。それを3機ずつの6機では、編隊は組めても飛行隊は組めない。「お試し中?」とタイトルにしたのはそのためで、いかにインドネシア空軍が弱小でも、この数では戦力の中核たり得ない。運用や整備を含めた調査のため試験的に導入したのでは無かろうか、と推定したためだ。
 我らが航空自衛隊でもその黎明期、お試し用として英国製デハビランド・ヴァンパイヤ ジェット戦闘機を輸入したことがある。浜松の航空自衛隊広報館に今もあるのがそれだ。インドネシアが同じ事を考えても不思議はない。
 同報道によると、ロシアとインドネシアは「ヘリコプター22機、水陸両用戦車20両、潜水艦2隻などのロシア製兵器の調達に関する合意文書を交わしている。」と言うから、こちらはお試しとは言い難い。ヘリコプターは1個飛行隊分、水陸両用戦車は2個中隊分、潜水艦は1個戦隊を組むに足る堂々たる装備だ。おまけに「ロシアは、武器調達のための約10億ドル(約900億円)の借款をインドネシアに供与している。」と言うから、ロシアは金を貸してまで、インドネシアに自国兵器を売り込んだ訳だ。
 
 それだけ、ロシアのインドネシアに対する影響力が増したと考えるべきだろう。
 プーチン目指すところの「強いロシア」が、インドネシアに手を伸ばしていると。