報じられているのは、「デイリーヨミウリ紙によると」防衛省幹部がF-22ラプターの導入を断念する見通しだと話した、と言うもの。つまりAFPニュースとしては「デイリーヨミウリ紙を読んだだけで、裏も取っていません。」という記事だ。それはまあ、ニュースソースを明らかにして正直にそれを報じていると言うことで許すとしても、だ。
 「バラク・オバマ(Barack Obama)米次期政権が生産を中止する可能性があるためだという。」と言うデイリーヨミウリ紙の報道を、何の批評もコメントも無しに只右から左に流すというのは、報道としての姿勢を疑う。
 と言うのもこの「理由」、「F-22ラプターをアメリカから丸買いする」と言うのが前提になっている。丸買いのつもりだから、米国での生産中止が導入断念に直結している。
 ライセンス国産するつもりならば、この理由で導入断念はない。そこを突いて掘り下げるからこそ報道であろう。第一次ソースのデイリーヨミウリがその点を怠ったのならば尚のことそれを受けたAFPニュースが追求すべきだろう。
 極めつけは最後の一文だ。
 「同紙によればF35は米軍でも実戦配備されていない。」
 F35が米軍どころか世界中のどの空軍にも海軍にもまだ実戦配備されていない事なぞ、子供でも知っているとは言わないが、周知の事実。わざわざデイリーヨミウリ紙による必要なぞ全く無い。
 
 そんなこんなで食い足りない記事であり、かつ私は「F22のF-X導入には賛成だが、丸買いなんてとんでも無い。ライセンス国産するべきだ。」と思っているからその贔屓目もあり、この記事を信じられない。信じたくない。
 
 ライセンスだけ売ってくれないか?ラプター。
 
 おまけ;記事に合わせて「F22」「F35」と表記したが、これも正式には「F-22」「F-35」とハイフン「-」が入るよなぁ。