報じられているのは、今国会最大の注目点であった新テロ対策特別措置法改正案がようやく可決し、海上自衛隊のインド洋での給油活動は継続できることとなった。「ねじれ国会」のもと、一時法律の有効期限が切れて、インド洋から一時撤退を余儀なくされた、昨年の愚だけは避けられたわけだ。

 諸兄ご承知の通り、早期解散総選挙(とその結果期待される大勝利と政権奪取)を望む小沢民主党は、今国会当初は本法案を含めて殆どあらゆる法案を早期に議決して自民党にさっさと解散をさせると言う態度であった。
 ところが自民党がなかなか解散しそうにないと見るや、昨年同様の審議引き延ばしうに出て、お陰でこの法案も参議院で長いこと議決もされないまま足止めを食らってしまった。流石に「参議院で60日間決議されない法案は否決と見なす」見なし決議になるのは如何と思ったのか、あるいはいくら引き延ばしても自民党から譲歩を得られないと見たか、ここへ来てようやく参議院で決議されて否決。で、衆議院でサイド議決され2/3以上の賛成多数でようやく法案として成立したのは、報じられているとおり。

 昔、社民党が牛歩戦術と言う「我が党は、党利のためにはありとあらゆる事をやりますが、大したことが出来ないのでこんな方法でやってます。」と宣言しているとしか思えない愚かな戦術で、自衛隊のPKO派遣なんぞに反対していたが、審議のために長時間国会に拘束される牛歩戦術よりは「被害が少ない」とは言え、この審議引き延ばしも同根と思えて仕方ない。

 流石は、社民党の尻尾だけのことはある、と考えるべきか。

 ともあれ、インド洋での給油活動の中断が避けられたことは喜ばしい。
 
 「無料ガソリンスタンド」だの「テロとの戦いに使われるのは集団的自衛権の行使だ」だの非難する向きもあるが、国際貢献なんだから無料なのは当たり前。金を取ったらその分貢献も割引だろう。
 それに洋上給油というのは「誰でも出来る」芸当ではない。我らが海上自衛隊の高い練度があってこそ無事可能なのであり、それを遠隔地のインド洋で披露することは、国威発揚の意義もある。決して「無駄遣い」とは言えまい。
 集団的自衛権について言うならば「有るけれど行使しない。」等という苦しい解釈しかできない今の憲法の法が問題だろう。集団的自衛権は自然権だとする説に私は賛成するし、政府も依存はないが「憲法」何てものがあるから、そんな馬鹿な解釈しか出せない。

 今回の延長で、給油活動が延長されるのはまた1年きり。
 来年の同じ頃、またぞろおなじ問題でもめることは想像に難くない。
 その頃までに、憲法改正まで含めて、スッキリしていてくれないものかな。

 来年こそはインド洋で。
 解放されたインド洋で。