ギリシャ神話のイカロス・ダイダロス親子や竹取物語(これは飛行と言うより宇宙飛行か)の頃から今日に至るまで「空を自由に飛ぶ」と言うのは人類の夢であり、かくも航空機が発達し、一部には自家用機も当たり前の世にありながら、なお「空を自由に」と言うにはほ遠い状態であるのは、諸兄ご承知の通り。
しかし、そんな世界でも夢を実現してしまう人はいるようで、掲載した記事の人は、ご覧の通り「ジェットエンジンの付いた翼」で飛行し、別報によるとドーバー海峡横断に成功したという。
写真で見る限り、「翼」は浅い後退角を持った無尾翼機のような形状。ぶら下った筒がエンジンと燃料のようだから、「スパンローダー」の一種だろう。垂直尾翼はおろか動翼らしきものが見当たらないところからすると、パイロットの重心移動で操縦する、ハンググライダーのジェット版と見るべきかもしれない。とすると、エンジンやら燃料やらで機体重量が増大している分だけ、パイロットによる重心移動量は少なくなるはずで、操縦は難しい、という理屈になる。
風貌に当たるものも見当たらないから、時速300kmの風圧をもろに食らうというのも、なかなか得難い体験だろう。
この人の、度胸と、夢(と多分、意地、かな)には、大いに敬意を表するべきだろう。
追伸:かつてNHKの「みんなの歌」で、イカロスの「鉄の勇気」を讃える歌があった。なかなか良い歌であったが、間違ってはいけない。
イカロスは、機体もろとも生命まで失ってしまったテストパイロットである。その故に、彼に死をもたらした事故の原因を、「太陽に近づき過ぎた」などと言う、教訓的ではあるが科学的でない説に委ねてしまった。テストパイロットはまず第1に生還すべきなのだから。
生還を果たしながら、わが子を失った悲しみにか、そんな俗説を甘受してしまう、設計者ににして技術者・ダイダロスにも問題なしとはしないが。
英国の宇宙開発計画に「ダイダロス計画」と言うのが有ったが、「イカロス計画」よりも数等優れた(ひねった?)ネーミングと言うべきだろう。(イカロス出版とそのファンの方たち、御免なさい。)
しかし、そんな世界でも夢を実現してしまう人はいるようで、掲載した記事の人は、ご覧の通り「ジェットエンジンの付いた翼」で飛行し、別報によるとドーバー海峡横断に成功したという。
写真で見る限り、「翼」は浅い後退角を持った無尾翼機のような形状。ぶら下った筒がエンジンと燃料のようだから、「スパンローダー」の一種だろう。垂直尾翼はおろか動翼らしきものが見当たらないところからすると、パイロットの重心移動で操縦する、ハンググライダーのジェット版と見るべきかもしれない。とすると、エンジンやら燃料やらで機体重量が増大している分だけ、パイロットによる重心移動量は少なくなるはずで、操縦は難しい、という理屈になる。
風貌に当たるものも見当たらないから、時速300kmの風圧をもろに食らうというのも、なかなか得難い体験だろう。
この人の、度胸と、夢(と多分、意地、かな)には、大いに敬意を表するべきだろう。
追伸:かつてNHKの「みんなの歌」で、イカロスの「鉄の勇気」を讃える歌があった。なかなか良い歌であったが、間違ってはいけない。
イカロスは、機体もろとも生命まで失ってしまったテストパイロットである。その故に、彼に死をもたらした事故の原因を、「太陽に近づき過ぎた」などと言う、教訓的ではあるが科学的でない説に委ねてしまった。テストパイロットはまず第1に生還すべきなのだから。
生還を果たしながら、わが子を失った悲しみにか、そんな俗説を甘受してしまう、設計者ににして技術者・ダイダロスにも問題なしとはしないが。
英国の宇宙開発計画に「ダイダロス計画」と言うのが有ったが、「イカロス計画」よりも数等優れた(ひねった?)ネーミングと言うべきだろう。(イカロス出版とそのファンの方たち、御免なさい。)