マクドネル・ダグラス(現ボーイング社)社製の戦闘機として誕生したイーグル。
1972年 世界の空に 白銀の鷲は舞い降りました。
日本国内向けの調達には、1981年から既に200機を超える機体が稼動しています。
航空自衛隊 F- 15 J の訓練内容を書くことは、防衛問題にも支障がありますから秘匿。
公開されているアメリカ空軍所属の戦闘機 F- 15 C イーグルの訓練を参照します。

ベーシック・ファイター・マニューバーズ (Basic Fighter Maneuvers)B F M
空中で敵機を目視で追いながら 旋回を繰り返す機動、即ちドッグファイトのことです。
乗員の身体負荷も 9G にも達し、地上500フィートから遥かな成層圏までもが戦闘フィールド。
そんな戦闘機の基礎機動 BFM には、主に2種類の基本パターンがあるそうです。

まず、相手機の背後に位置を占める パーチ (Perch) 後ろを取ることですね。
そして、両機が正面から向かい合う ハイアスペクト (High aspect) 所謂 ヘッドオン状態。
1機が優勢な攻撃ポジションを飛び、2機目が守備にまわる位置を飛行して行ないます。
(米空軍の訓練では、パーチ の場合に空対空ミサイルなどは使用せず 機銃のみ)

あくまでも訓練ではありますが、高度3~6000ftでの戦闘状態を想定 より長く目標を捉える
ウエポンズ・エンゲージメント・ゾーン (Weapons Engagement Zone)W E Z を掌握。
防御しながら逃げる”機体は、高度5000フィートに設定された仮想の地表面 を目安にします。
追撃する機体から身を躱す訓練で、どちらかが設定 より低空になれば危険として即時中止。
(もちろん 実際の地表よりは高い訓練位置に設定されているので安全です。)

制空権を得る機動には、パーチ より難易度の高い ハイアスペクト BFM の訓練に入ります。
到達した空域で両機が文字通り真正面からスタート。
米空軍イーグルは、長射程のAIM - 120AMRAAM 及び 短射程の AIM - 9X を搭載。
(AIM - 120AMRAAM”もアクティブレーダーホーミング。 AIM - 9X”は、サイドワインダーのことですね。)

ハイアスペクト BFM では、同時に交差後から旋回して戦闘開始することになります。
スロットルをアフターバーナーで高速度の機動、7~8G の180度ターンなど旋回運動で射程
恐ろしい負荷を身体に受けながら僅か十数秒の判断でミサイルを発射することになります。
(敵機を視認して機関砲での射撃は、現実には殆どあり得ないシチュエーション。)

もしも自分の機体がロックオンされ、敵機が放つ赤外線誘導ミサイルで攻撃されたら…
自らの航跡にフレアディスペンサー(擬似熱源囮)やチャフ(撹乱箔)を放出して躱す?のですが
そうなると容易には逃れられません。
自衛隊機は、優れていながら国籍不明機からの攻撃を受けるまで撃てません。
実際に敵”戦闘機と遭遇したら 極度の緊張の中で身体能力の限界との戦いでもあります。
F- 15 は、空戦能力重視で開発され 空対空ミサイルも目視距離外射程(BVR)運用が
主眼となる卓越した戦闘機として生まれ、配備する国土に応じて改修され進化してきました。
電子妨害が日常の現代、レーダー画面にクラッターが表れることもあるでしょう。
ですから接近した格闘戦能力を目視距離内(WVR)に於いて優位性を保つことが重要でした。
世界でも日本の自衛隊でもパイロットのミッション達成と帰還率を上げる努力が続いています。
彼らは現実の脅威から国土を守る防人”
F15戦闘訓練 動画ありがとうございました。
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