航空救難団の格納庫付近、珍しい状態の UH- 60J 救難ヘリコプターを撮影しました。
おそらく整備のため、MRB(メインローターブレード)回転翼が分解されている機体がありました。
機体長は 19,76メートル。
もう一機は、緊急出動に対して通常のまま待機中。
いかなる絶望的な災害や悪天候であろうと 彼らは救いのために…飛び立っていくのです。
尾部の回転ローター。
ヘリは、主ローターの回転運動により 逆方向へ回転させる力を生じさせます。
そこでテール・ローターにより逆の運動エネルギーを相殺して調和させている訳です。
垂直離着陸が可能な回転翼航空機は、世界を変えた乗り物ですが操縦感覚は難しいでしょう。
救助の際に空中で停止するホバリング なども熟練者でなければ安定させられません。
オスプレイなど輸送量と機動性を両立した航空機も操縦には従来より独特の難易度の高さで
ヘリコプターを凌駕する高速度と 大量輸送の利便性を生かせる電子制御開発が待たれます。
これからは気温が高く、陽炎で揺らぐ大気の空港では写真も撮りにくくなります。
ヘリコプターでは、主ローター・ブレードが高速回転で作り出す円形を回転円盤面積と呼びます。
通常の航空機なら翼の面積にあたる広さに相当しています。
ローター直径だけでも16,36メートルあります。
最近は、陸自の航空機が遭難する悲しいアクシデントもありました。
皆さんの平和を守るべく常に万全の態勢で航空救難隊は訓練しています。
こちらは基地上空で別の訓練風景。 まるで雲雀のような 空中で微動だにしないホバリング。
地味に感じますが 超絶の操縦技術です。 さて?何をしているかと聞かれますと…
つまり機体からワイヤーを使って高所から下降していく 懸垂下降(けんすいかこう)の訓練です。
要救助者のホイスト作業をしています。
(写真中の細い線が視認できます。山登りが好きな人なら ラッペリング と呼称すると理解しやすいでしょうか。)
ホイスト…とは、ヘリから降下救助員が降下し災害現場などで救助者を吊り上げる収容。
レスキュー・ハーネス救助法 専用のサバイバー・ジャケットを装備した遭難者の場合ならば
ジャケットに直接ホイストケーブルを結合させて吊り上げる訳です。 自衛隊員向けのスキル。
サバイバスリング救助法 救助する民間人の場合は、速やかに隊員が降下して安全に確保。
胴体を固定する輪のようなサバイバースリング(救助用縛帯)を遭難者に装着させて牽引します。
ローターの風圧下では難しいので隊員の指示に従って協力してくださいね。
一般人には難しいのですが、救難の対象が訓練を受けた人間(自衛官)達で動けるのであれば
降下救助員がヘリコプターからホイストだけを降ろし、サバイバーは地上から自力で救命浮き輪
などを身体に装着することが出来ますので、より素早く訓練どおりに救助できるのでした。
担架に負傷した要救助者を固定して、降下救助員が共にウインチで吊り上げられる様子。
ヘリコプターにはメディックという救急処置を行なえる医療専門の隊員が搭乗しているのです。
屈強な精神と強靭な肉体に鍛えあげられた航空士が厳寒の山岳や嵐の海で救助します。
通常は回転翼からの風圧を受けながらの作業ですので、降下救助員が遭難者に装着させます。
よく報道の映像などでご覧になる救助のシーンですね。
コンバット サーチ アンド レスキュー(CSAR)として、本来なら戦時下で敵対側の勢力圏内に
不時着し ベイルアウトした機体から乗員を速やかに救出するミッションを行なうのです。
世界の軍事行動の場合、敵からの攻撃がある可能性が高い危険を承知の決死の戦闘救難。
自衛隊の救難隊員のお仕事は、サーチ アンド レスキュー(SAR)なのです。
戦争に参加しない後方支援となる自衛隊は、その高度な教育と鍛え上げられた精神と肉体で
国民の生命を守護するための切り札であり救難専門のプロ集団なのでした。
以前は目立つ黄色の機体が現在は迷彩色に塗装されたのも近年の懸念される有事に際し。
身を守るべく チャフなど欺瞞装置や空中給油機能も備えます。
災害派遣要請があれば、緊急出動する 捜索救難機 U - 125A と UH- 60J。

救難団の格納庫内 ハンガーで整備され、救いの翼は24時間態勢。
実社会での貢献度が特に高い機体は、UHー 60J でしょう。
厳しい規律と使命感を常とする自衛官は、友人であり頼もしい隣人なのです。
決して 生命を諦めない 彼らがいてくれるから
小松基地の航空救難隊員が主人公のアニメ『よみがえる空』…EDテーマをありがとうございました。
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