SAR SEARCH and RESCUE. (捜索救難の意味)
世界の軍隊と違い、戦地に行かない日本の自衛隊は基本的に『RSAR』(アールサー)
つまり後方捜索活動でした。
小松基地といえば、空自の精鋭によるレスキューチーム『 航空救難団 』を御存知ですか。
この部隊は、アクシデントで墜落した自衛隊機の乗員救助を主任務としています。
そして消防・警察・海保ですら手に負えぬ困難な事案に対しても要請あれば駆けつけます。
小松救難隊が保有する航空機は、U-125A 捜索機と UH-60J 救難ヘリコプター
主任務はベイルアウトした航空機搭乗員の救出など24時間待機に就いています。
(ベイルアウト → 航空機からの緊急脱出)
さらに特別要請があれば、海難や山岳救難での捜索と救助を遂行します。
医療面でも離島や遠隔地から急患の空輸といった災害派遣を実施する部隊なのです。
悪天候から夜間の出動など自治体の防災ヘリコプターや海保でも難しい場合…
有事まで想定された救難のスキルは、国内最強のレスキュー部隊と称賛されることも。
彼らは救いの翼”…誰しも人命救助最後の砦であると認めるスペシャリスト集団なのです。
しばしば大規模災害の現場で危険な救助作業にあたるヘリコプターの姿を御覧になるのでは
それが緊急出動した救難機の UH-60 J なのです。
機体左右の外部増槽タンク(250ガロン)が長時間の飛行を可能にしています。
最大速度 270㎞/h 航続距離 1300㎞
(写真では機首先端に増設したロッドのように空中給油の能力も獲得しています。)
全長 15,65㍍ (ブレードまで含み19,76㍍)全幅 5,43㍍ 回転翼の直径は16,36㍍
T700IHI-401Cターボシャフトエンジン2基が搭載される。
捜索視界を確保する側面の大型バブル・ウィンドウなどが特徴。
以前は、平和な情勢で機体色は明るいイエローとホワイトカラーでした。
いまや時代が求めるのは低視認とするロービジ化です。
現在では…どの救難部隊でも濃い青色をした洋上迷彩塗装を施されています。
UH-60J の搭乗員は、パイロット、フライトエンジニア(FE)、メディックの5名が搭乗。
フライトエンジニアは、機上からの降下と吊り上げのホイスト操作も担当します。
救難隊員のメディックとは?
UH-60 Jで人命救助に駆けつける自衛官。
いかなる災害や嵐の中でもホイストでワイヤー降下するメディック要員の高度な技術。
メディックとは、高度な医療知識と技術を学んで最適な処置と救助を使命とします。
(全自衛官の中でも100名ほどしかおりません)
ある意味…戦闘訓練まで受けている救急救命士やナースによるプレホスピタルケア担当?。
絶望的な状況であろうと要救助者のもとに辿り着くという鋼の信念があります。
ヘリのクルーと共に最後まで諦めず死力を尽くす救難隊の訓練に予断は許されません。
ブラックホークと呼称されるアメリカ合衆国のシコルスキー・エアクラフト社製であり
日本が救難活動用に改良した専用機体こそ UH-60 Jヘリコプターです。
陸・海・空 自衛隊にバリエーションがあり、増設の大きな燃料タンクと空中給油装備。
頼もしい救難隊の機動力ですね。
救難隊で重要な機体が、U-125A
高速を利して現場に到達して状況を確認する役目で搭載された高性能の観測機器。
固定翼機として真っ先に災害現場へ飛来するジェット機です。
やはり以前の空色からヘリと同じく濃紺の洋上迷彩塗装を施されています。
暗い海面を識別するカメラや探索機能、位置を特定させる信号ブイなど投下できます。
『U-125A』という機体は?
かつて任務に就いていた三菱MU-2の後継機として導入された航空機です。
レイセオン社製の双発ターボファンジェット装備で飛翔。
スラスト・リバーサー付きのTEE731-5R-1Hターボファンエンジン。
全長 15,60㍍ 全幅 15,66㍍ 全高 5,36㍍
性能は、最大速度 時速820㎞/h 航続距離 4,000㎞に到達します。
ビジネス機ホーカー800シリーズの末裔で、民間から軍用まで採用されています。
800RA観測機や800SIG電子偵察機として配備されています。
(実は救難捜索のために保有している実績の国は日本だけです。)
機首ノーズコーンに(TIE)赤外線暗視装置、捜索用レーダーなどを搭載。
マーカーや救難用火工品から保命用援助物資の投下装置を備えます。
要救助者の確保には、必ずU-125A”が先行して現場統制を行います。
ヘリコプターUH-60”の安全な誘導をするフライトディレクターのような役目。
サバイバー(遭難者)の早期捜索には迅速な行動と判断を促す判断力を駆使します。
(実際の有事では戦地で実弾が飛び交う最中での救助作業を強いられます。)
領空侵犯が日常化して緊張が増す東アジア一帯の有事が懸念されています。
航空脅威に対する待機態勢、CAP”も考慮しなくてはならないかもしれません。
一部の救難機も自己防衛装置であるミサイル警戒システムやフレア・ディスペンサー搭載が
計画されていましたが、機体色の変更時に改修は完了しているでしょうか?。
パイロットとコパイロット(機長と副操縦士)、ラジオ・オペレーター(機上無線員)
メディック(医療救難員)のクルー4名が乗り込みます。
孤高の魂を磨き 闘うことが生命を守る最前線となる自衛官にしか出来ない任務。
それが 航空救難団 なのです!。
航空自衛隊救難団で活躍する女性機長の激務! 動画ありがとうございました。
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