『JIN 仁』や『空飛ぶ広報室』など、個人的に好きでしたから
最近、TBS”のドラマが面白いと密かに視聴している私ですが。
昨年、究極のラブストーリーと銘打って放送された作品もSF物。
『安堂ロイド~A.I. knows LOVE?』の登場です。
本編は期待されたほど視聴率が上がらなかったらしいのですが、それを聞いて安心しました。 このドラマは先入観を持つと面白さが解らないのです。
さて、主演は『木村拓哉』さんが演じるのは、100年先の未来から大切な人を守るために現代に送り込まれたアンドロイド(後に安堂ロイドと呼称)
現代の大学教授で天才物理学者である沫嶋黎士(まつしまれいじ)の2役。
沫嶋黎士の婚約者で、ヒロインの安堂麻陽(あんどうあさひ)役には柴咲コウさん。
孤独な…ロイドが命をかけて守り抜こうとするのですが…。
まったくのドラマ・オリジナル作品で、コンセプトや設定協力に『庵野秀明』さん。
彼は、『新世紀エヴァンゲリオン』の監督・脚本を手掛けた辣腕のアニメクリエーター。
大ヒット作品『風立ちぬ』では主演役の声優としても…まさかの大活躍。
存在自体が特撮のような御仁ですから超期待していいかも?。
庵野秀明さんといえば知恵者、作品に哲学・宗教・イデオロギー・歴史・心理学・最新テクノロジー等々のカルトなワードを散りばめて楽しませてくれます。
エヴァンゲリオンでは、綾波レイ…の苗字『綾波』は、第二次大戦中の日本軍駆逐艦であった艦名であるとか。
登場するキャラクターの名前ひとつにまで凝る?ところ。
しかし、多くの視聴者は、そうした趣向に慣れてしまってるらしく、解ったつもりで食わず嫌いのカルト評論家を気取ってしまったようですね。
主演の木村拓哉…キムタクの起用も旬を過ぎたと思っているところがある。
(実写の宇宙戦艦ヤマトでも…多少?そんなイメージをもたれたかな)
皆さんは、ヲタの和製ターミネーター?くらいに感じていたのでしょう。
とんでもない! 『安堂ロイド』は古風で人情たっぷりのラブストーリーです。
気負いすぎたのは視聴者の勝手、どうやら本質を見逃しましたね。
お役者ぶりもSFチックな演出も…凝固しがちな患部に投与したヘパリン同様。
派手とはいい難い飛び道具の科学考証やアクションシーン、伏線の張り方など…普通の人向けに吟味した優しいドラマでした。
最初から素直に観ていると、お馴染みの『日曜劇場』らしい配役と内容で面白い。
大切なキーワードは、『想い』です。
第0話から始まる物語り。
東京帝國大学次元物理学部の理学科宇宙理論学部教授という長いプロフの沫嶋黎士。
リアルタイムは2013年、放送と同次元で進行していく舞台は日本。
冴えない風貌だが、世界有数の天才物理学者で大学教授の沫嶋黎士(木村拓哉)が殺害されました。
ワームホール理論の最先端の研究者だった彼。
時空構造の位相幾何学として考えうる構造『ワームホール』の応用で、時空のあるポイントから別の離れたポイントに直結する空間領域のトンネル。
この研究で沫嶋黎士が100年後の未来間を繋げたワームホールでの時空転送技術が問題で歴史に歪みが生じたとして、未来から抹殺されたのです。
謎の暗殺スケジュールに沿った時系列で、世界中の著名な科学者も次々と暗殺され…。
そして…現代社会に、突如5Dプリンター(未来のデータを転送実体化するテクノロジー)がインストール。
西暦2113年から…現代社会にプリントアウトされた戦闘アンドロイド。
ARX・Ⅱー13”(エーアールエックス・セカンド・サーティーン)が出現。
彼の姿は、死亡した沫嶋黎士そのもの…果たして?その目的は。
(机の引き出しから現れるところが…ニクイ^^)
誰にも知られない歴史を攻防すべく激闘が始まる!!
沫嶋黎士…彼には最愛の婚約者『安堂麻陽』(柴咲コウ)がいました。
作品中では大手IT企業に優秀なビジネスウーマンとして勤める女性。
とにかく美人で頭も切れるやり手と認められる才媛。
それが…変わり者で天才の黎士と運命的な出会いをして恋に落ち、愛する人との生活に満ち足りた日々。
“最愛の人…黎士の死”という不幸が突如襲い掛かる、最愛の人を失った喪失感で茫然自失となり、自らの命の危機に無防備な安堂麻陽。
さらに正体不明の相手(敵アンドロイド)から命を狙われる身となります。
平凡なOLが突如…未知の殺戮者から攻撃される、守れる者はいないのか。
遂に死んだ黎士とそっくりの容姿をした謎の男(木村拓哉2役)が臨戦。
その使命は、安堂麻陽をあらゆる危険から命をかけて守ること。
当初は名前もないまま、麻陽の平穏な暮らしを守るため、気づかれないまま戦い続け傷付いていくのです。
信じてもらえぬまま…完全に損壊するまで戦い抜かねばならない存在…哀しい
100年先から…きっと君を守るから。
黎士は果たして誰に狙われ、そして何故に殺されねばならないのか?
東京帝國大学次元物理学部の准教授 『沫嶋七瀬』は黎士の妹。
AKB48の大島優子さんが演じています。
ある意味で兄以上の天才科学者。
物語では精神を病んでおり、とあるダークサイトを生み出す原因に…
脅威の対象を抹殺し、歴史の進行を修正するため…殺戮を繰り返すのは?
なんと未来の警察クラウドが送り込むアンドロイド11体。
沫嶋黎士が危機感を感じて未来とのワームホールを完全に閉じたため、転送できた機体は僅かですが強敵の最新モデルです。
(ロイドが軍人なら?彼らは警官という差ながら、数で優り度々ピンチに陥る)
第0話で、僚機である女性型アンドロイド・CRX-7・ラプラス(福田綾乃)を倒され、
後に安堂麻陽の勤めるエニグマエンジンソフト社に強襲。
警察アンドロイド・SRXV-5・キュリー(柿沢勇人)は、ガードマンを襲い変装、
沫嶋七瀬を人質に安堂麻陽の抹殺を遂行…
危うし麻陽! もう救いの手はないのか
絶体絶命の安堂麻陽を救うべく、ロイドが起動させる戦闘OS-アスラシステム。
それは曰くつきの『禁じられた悪魔のOS』と呼称されている。
インドのヒンズー教では鬼神である阿修羅(アシュラ)のことで、オペレーショのランゲージもヒンディー語。
アスラシステムとは、アンドロイドをより人間に近づけるために開発された。
サンスクリット語では“命を授ける”という意味すらある。
再生と破壊 … 繰り返される愚かさと尊さ。
『未来に誇れる現在(いま)を作れ。それが大人の責任だ』
ロイドの腕(袖)から注射器が手元に飛び出し、擬似人体構造のアンドロイドですから液体状の分子タスクコマンドを注入するシークエンス。
貴重で、10回分しかありません。
アスラシステムが起動すると短時間に絶大な戦闘力を発揮して敵を凌駕!。
Asura OS ver.6.0.5
但しタスクコマンドには回数の制限があり、毎回…ロイドの手の甲に表示。
起動の度…また使われたな、最終回まで持つかなと…心配^^。
まるで注射器のようにロイドの心臓部に直接に穿刺され急激に拡散。
本編では青い色で描かれます。
こうした映像からすると、100年後の医療技術では高度な人工心臓や人体の義肢も製造可能のようですね。
彼らアンドロイドは、メカニズムの大半を一種類のナノマシンと中核となる頭脳部など…まるで生物(人間)そのもの。
アンドロイド・SRXV-5・キュリー(柿沢勇人)は最新型のステルスタイプ。
標準能力を上まわるアスラシステムの効果で肉迫、腕を切断され自爆モードに突入したキュリーを圧倒しブレインを破壊して停止に追い込みます。
こうして倒したアンドロイドは、原子還元処理を申請して分解処理します。
青い炎に包まれて消滅していく… 『ただの廃棄物処理だと…呟くロイド』
ロイド達の痕跡を一切…この時代に残さないために。
次々と抹殺される敵対ポリスクラウドのアンドロイド。
リーダーとなるCR-WX Ⅲー1・角城 元(平岡祐太)
知性も高度なタイプとして警視庁公安部幹部として暗躍していました。
時折…仮想空間でミッションの策謀を指示するシーン(恐)。
謎の少女により思わぬ殉職?を遂げてから、データレベルで存在し現状を思索しながら自律判断で思考が進化していきます。
アンドロイドには高度な意識、『心』が生まれるのです。
最後には…予想どおり復活したボディーで意外な行動に…?
アスラシステムで鬼神の如き戦闘力を発動するロイド!
しかし絶対的な活動限界があります。
通常の行動規範となるユカワOS”に切り替わり、反動の如く倒れこむロイド
決して万能ではありません、諸刃の刃と言えるシステムで麻陽を死守する。
そこにあるのは傷つきながら…もがく人間の姿、木村拓哉の痛々しい演技は哀しい。
ロイド、彼にも到底…信じがたい未来での悲劇的なカタストロフィに介在し、心には癒しがたい傷を抱えていたのでした。
圧倒的な敵との戦力差、孤独に戦わねばならないロイドには唯一の支援機体。
致命的ダメージを受けてプログラムがシャットダウンしてしまったロイド。
強制再起動を試みるも再起動できぬため、ZEROクラウド(ロイド達を転送した謎のクラウド)により、支援機として転送された『サプリ』。
SRX-ラッキー7R サプリ(本田 翼)が熱演していますサプライヤー。
ようするに看護師さんで、ロイドが損傷すると修復に急行します。
2113年との通信は可能でも、ワームホール閉鎖で追加機体の転送は不可能という状態。
『呼ばれて飛び出て ジャジャジャ ジャ~ン』迷セリフ
私は、この作品を見るまで本田 翼さん”を知りませんでした。
(アイドルとか~タレントさんとか世間に疎い^^)。
こんなクラシックな衣裳?が似合うナースぶり、すごく可愛いです。
コミカルな演技で緊迫シーンを解(ほぐ)してくれます。
よくいますね病院に、こんな看護師さん^^。(いまやキャップは珍しい~)
ちょっとツンデレなのか、もしくは気まぐれな~ネコキャラ?。
感情ソフトも備えている~ナルシスト系。 写真は、本人の台詞ではキルビル仕様??。
(倒れているロイドに蹴りをいれてるとこが最高^^)
健気にロイドを治療(修理)してくれる頼もしい味方なのでした!。
ロイドとは半世紀ほどのハイパー腐れ縁(顔見知りどころでは)…
彼女も感情をもち、そのほのかな恋心は…ロイドへの叶わぬ想いなのか。
安堂麻陽と沫嶋黎士の暮らしていたマンションで…待機するロイド。
寝室のベッドサイドにもたれかかる…お馴染みのシーン。
現在は充電中。 負傷(損壊)したパーツは、構成されているナノマシン群が増殖して再生していきます。
空気中の炭素を取り込んで自己複製する代謝、iPS細胞をコンセプトに作られたため定義としてはナノマシンも生死のサイクルを繰りかえす。
しかし、それには膨大な電力消費という問題点もあり。
麻陽の部屋は電力デマンドを超えて大騒ぎ(笑)、日常生活に必要な電力供給もダウン。
このお部屋は二人の生活空間として名シーンに重要な場所ですから。
(将棋が共通趣味の回想シーンは、ふたりのイイ感じが…うふ)
あまりにハードすぎるロイド”と、変人のほほん系の黎士”…外観クリソツで妙。
麻陽も溜め息…どうしてこんなに似てるのよ (ノ_-。)
それにしても、このマンション広い(羨ましい物件^^)
警視庁の公安からSAT部隊~麻陽のお母様まで~いろんな人が訪ねて?きます。
安堂景子たん”…と呼びたくなる女優の名取裕子さんスマイル。
某サスペンスかと思っちゃいますよ。(恋多きおばさま)
麻陽の母で、名古屋在住。お味噌屋を営んでらっしゃる女性経営者。
お料理が上手なんですね。 着物姿で手製の和風料理が感動。
これまでの経緯は、黎士が成田空港からグランシア航空デリー行きの飛行機に乗ったことを国際線に搭乗していることが判明します。
その飛行機が爆発事故で千葉沖の太平洋上に墜落したとのニュース。
(実際は、アンドロイド・ラプラスに空港ロビーで射殺されて)
誰もが絶望と思っていた黎士の死… ところがロイド出現で生きていることに。
急遽、名古屋から心配して二人の新居にお見舞いに。
(ドタバタ、ほとんどホームドラマですな)
テロリストに拉致され脱出したものの…頭部外傷で記憶喪失があると配慮の嘘?。
手作りの特製味噌汁を飲むロイド…アンドロイドに味は解るまいと怪訝な麻陽ですが。
『美味しいです。 やはりお母さんのお店のお味噌は香りからして違いますね』
なんとロイドなのに味覚野がある、人間と同様の味覚中枢があったのです。
何故インストールされたのか、それには哀しい過去の思い出があるのでした。
かつて戦場でARXシリーズの戦友に貰った機能なのでした。
そうしたストーリーにこそ、安堂ロイドの魅力があるのではないでしょうか。
ロイドの名前は麻陽がつけました。 黎士の形見のメガネ…は、ロイド眼鏡。
彼女の優しさが…初めての名を与えた。
『俺に嘘をつく機能はない』…寡黙なロイド。
沫嶋黎士の研究コンセプトは、時空を超えて通信できる…未知の素粒子が存在するという仮説。
その…発想(閃き)を理論的に証明した結果、純粋な人間の『想い』は…時間を超えていける可能性があるのだと。
画期的な夢のような閃きから誕生する新しい技術はまさに人類の光。
貴女も自由な発想を止めてはなりません。
ロイドのように戦えなくても、誰しもが明日の沫嶋黎士になれるかもしれません。
弱い人間ひとりでも、覚悟をもって命すら惜しまねば…なんとかなれます。
そして何度でも、何度でも愛する人を守れるのです。
黎士が…そうであるようにね。
つづく
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