ブーメラン 必ず帰ってこい!!
すごく楽しいブーメラン。
人類とブーメランの歴史上の関わりを資料を頼りに書いてみます。
映画『2001年宇宙の旅』…冒頭で、猿人が進化を始めた瞬間に骨を頭上高く投げあげる動作が描かれます。
人類進化の加速が始まります。
そんなスローイングをする投擲に用いた木材から始まったのかもしれません。
主に木製品で、世界中の時代や文化~地域を越えた広範囲に分布しているのです。
それがブーメランのように、ロングレンジの目標物を狙って投げる道具は珍しい。
大きく分類すれば、そうした道具は2種類になります。
より原始的な木材の枝などを拾い上げ対象物に投げつける打撃を利用した道具。
(つまり効率よく加工して棍棒のように成形された打撃系の武器など一般)
そして人類が打撃だけでなく、より離れた目標へ到達させるために軽量化や飛来の滞空時間を意識し始めた革新的な猟の道具として登場。
獲物に対する打撃のみから、薄く鋭利な形状で斬撃などの要素を盛り込んだ道具。
それらが変化を重ねてに精度を向上させたものこそ、ブーメランの原形ではないかと思います。
苦心の内に、回転運動や空力を偶発的に利用する術を身に付けたのでしょう。
獲物に向けて投げつけても、ヒットしなければ手元に戻る!。
これは画期的な発明でしょうね。
画期的な狩猟の道具
ブーメランは、朽ちてしまう木製品だけに原初のブーメランは発見されません。
新石器時代である紀元前4000年から5000年のヨーロッパでは、洞窟岩絵にも道具が描かれています。
既に原始人類は近似した道具として使用していた形跡にたどり着けます。
狩猟の道具類としてのブーメラン。
争いではなく、素早い動きの小動物(ウサギなどの獣や鳥類など)を狩るには都合の良い道具だったでしょう。
強力な打撃力はないため、人間の戦いで武器として扱われたのは棍棒などが主流のようですね。
歴史やヨーロッパの伝説や神話の戦闘シーンに登場する英雄や神々の武装は、スローイングする木製の武器が殆ど。
(ヘラクレスも振り回していますね。)
高速の回転運動で手元に戻るブーメランは、かなり特異な道具なのでしょうね。
古代ギリシャ人に使用された狩猟道具にはブーメランに酷似してみられる様子の記録があります。
逆に、ローマ時代の記録には、そうした記述はありません。
当事、欧州の深い森林地帯に住み、バーバリアン扱いされていた遠方の敵対部族なら使っていたと思えます。
欧州ポーランドでも痕跡はあり、紀元前23000年頃に生息したマンモスの遺骸と共に出土しました。
ドイツのマクデブルク近郊でも最古の遺物は、紀元前800~400年の洞窟岩絵に描かれています。
(805年、カール大帝の時代に記された文書に、マクデブルクは要衝として記載される土地。)
ヨーロッパで出土する、スローイングウッドやブーメランのような道具の起源は古代オリエント地方だと思われます。
特定の民族の移動や文明の伝搬により広範囲に流布していったものでしょう。
世界の異なる自然環境で、猟具として改良や進化を遂げながら…現代にまで残っているようです。
その動きは プリセッション(歳差)運動によります。
実際に、写真のブーメランなどは手元にまで回転しながら戻ります。
そうした~面白い原理を理解してみましょう。
私も難しいことは解りませんが、原理は…剛体回転運動で生じたプリセッション(歳差)運動が決め手です。
例えば、自転している円盤状のものがあり、自転軸に対して直交する軸周りに回転力(トルク)が加えられたとしたら。
回転する円盤の自転軸~そしてトルクを与えている~印加軸の双方に、垂直な軸周りとする回転運動になるのです。
(印加…って普通は、電気などの信号を与える意味の印加?です。)
こうした回転とは、その方向を右ネジの原理(ねじ込む~右ネジが、ネジが進もうとする向きが回転したい向きである定義です。)に当てはめて考えます。
プリセッション運動によって回転する向き、自転軸が~その向きをトルク軸に合わせて回転させる時にシンクロ?します。
つまり~どうなの?
そうですねえ~原理は、梅雨ですから傘を想像してください。
開いた傘を真っ直ぐ突き出した姿勢で見てください。
この場合は、傘の柄が自転軸の向き、骨組みの方向がトルク印加軸の向き…
貴女の頭上方向こそが~プリセッションの方向なのです。
飛来したブーメラン、そうした自転面が垂直ではなく~僅かに傾けた状態の場合だとしたら。
ブーメランの翼面への相対風というものは自転面の中で異なります。
それは、ブーメランが自転すると、瞬間的に翼面の運動が一致する進行方向の前進する部分、進行したい向きと逆行する後退部分が発現します。
前進する翼の側で、大きな相対風が生じて~揚力が増加します。
後退する翼の側は、揚力が小さくなります。
ブーメランがの飛ぶ際に、上半分は前進側の翼だから大きな揚力を得ます。
下半分には後退側の翼になりで揚力は小さくなります。
自転しようとするブーメランの上端は、その自転軸の向き側へと回転させたいトルクが発生します。
『回転力(トルク)の印加軸は、進行方向と真逆に回転しようとします。』
こうすると、自転軸は…トルク印加軸へ向かって回転するプリセッション運動を起こします。
ブーメランという~剛体であることの回転運動に対する揚力は水平成分と組合わせによる向心力があるので、飛行するブーメランは旋回軌道になるのです。
ブーメランが自転する前方半面(上流側の半面)に発生させた揚力の影響がありますので、後方半面(下流側の半面)は、ブーメランの迎え角が相対的に小さくなって揚力も減少していきます。
この印加トルクによるプリセッション運動なら、ブーメランの自転面が水平で自転軸が上向になる回転運動になります。
ですから、ゆるやかに空中を旋回しながら手元に戻るブーメランは、水平ホバリングしているするような挙動となるのです。
ちゃんと自分でも理解してるかどうか(笑)
(う~ん、難しいような気がする ようするに青空へ飛んで旋回して帰る!)
この運動を翼面の厚みや重さ、微妙な捻りなどでチュ-ニング(調律?)しながらベストなMY・ブーメランを作るのです。
オーストラリア原住民であるアボリジニのブーメランは有名ですが!。
彼等はブーメランの翼端を捻って製作します。
通常のブーメランには見られないトリッキーで複雑な飛行をすることから、狩猟で獲物を捕らえやすいのかもしれません。
厚紙や板からも作れます(私のは既製品)。
専門店のキウイ・ハウスさんから購入しました!。
ブーメランは、広場でルールを守った遊び方をしましょう。
競技用以上の大きな物は、高速回転しながら飛んでくるので、素手でのキャッチは危ないですよ。
ちゃんとグローブしましょう。
すごく楽しいですよ!!。