フランスの傑作「ミラージュ戦闘機」のように、デルタ翼を採り入れた機体なら…先尾翼機として通常とは逆の配置になります水平尾翼。

図面は改修されながら「カナード翼」を採用するに至った姿です。








この小さな羽根が気流を制します。





最近はクルマにもフロントサイドに装着した空力パーツを?そのように呼んでいますけれど「カナード」です。

ドイツ語なら「エンテ」。


エンテとは…「鴨」のことで、空を飛ぶ姿が~鴨に似ているそうなんですが、命名した西洋人のセンスと表現に感心させられます。








カナードによる機体の制御は大胆な発想ですけれど、より高度な機体制御となるとコンピューターで緻密な動きを補整しながら飛行します。
(生きた鳥のように…常に微妙にうごきながら機体の安定をはかるのです)


人間も?才能ある人は不安定なくらいに見えるアクティビティを生かしながら、知性や意識の高さで他者以上の安定を得るという両極のチカラを振るい成功していますからね。


現代の高性能な戦闘機は、速度を上げる工夫と同じく敏捷な空中機動が目的となりまして、その様な機体は…いわば最初から軽快な動きを実現するために不安定にしてあるのです。


第4世代フランスの精鋭ダッソーラファール、ロシアのスホーイ、欧州の新たな守護神ユーロファイタータイフーン、スウェーデンのサーブなど美しさと猛禽の強さを両立させた現代の戦闘機には可動式カナード機構は必須の装備。


実際の姿を知られず、移動は素早く!。





それでは不安定になる機体を安定させる役割としてエンテ「カナード」が電子制御される機構が生かされました。


しかし、ステルス性能を目指す機体は表面の凹凸を避けて採用せずに別の道を模索しています。









かつて活躍したアメリカのF14も本格的な可変翼を採用した意欲作。

高速な長距離移動と機動性へのアプローチには定評があります。

やや大柄かな…アメリカらしい。


ただ…運用コストやメンテナンスの難易度から、整備性の高いFA18ホーネットに交替していきました。

美しい機体なのに惜しいことですけれど。







ただ速くなるだけなら直進性を重視すれば良いのですが、ドッグファイトでの高度な空中機動は必須科目の戦闘機にとって?アスリートさながらの研究が進んでいます。


進化の途上…将来は?






クルマの場合フロント周囲のダウンフォースを僅でも稼ぐために考案されたのでしょう。

高速度なら、小さな空力パーツも侮れません。


空気が薄いパイクスピークなどで大きなウイングなどを装着するメリットも
気圧が薄いから翼断面も大きく。


レーシングカーの速度域でコーナーリングしないと効果は得られません。


カーボン素材のカナードを後着けしているクルマも可動式のものはありません。


とは言え、スカイラインにも以前GTSあたりに速度レンジで可変?する電動式のスポイラーもありましたし(贅沢で無駄な装備でしたけど)、ポルシェのリアウイングも80キロくらいからリフトする機構があるようですから珍しくもないですか。


私が知る限り…国産車で実用度が高いスポイラーNo.1は、初代スバル・インプレッサのスポーツワゴンに装着された大型スポイラーです。

走行中に、四角い孔を通る気流は~実に通常速度から風の整流効果が優れておりまして、リアウィンドウに雨の汚れが付着しにくい。リア・ワイパーに頼ることがないほど…見ていて水滴が綺麗に四散されていきました。


飾りのスポイラーばかりの昨今、なんとも惜しいクルマです。


風を制する努力は…二輪にも重要です。









果たして21世紀の主人公は?