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ハート形土偶に、ミミズク土偶。  下は・・・亀岡の遮光器土偶です。



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海の邪馬台国

かつて朝鮮半島の魏に使者を遣わし『魏志』倭人伝に記述される幻の邪馬台国。

その所在を求めての論争は、古くは新井白石や本居宣長などの
先駆者に始まる様々な考察は…謎を深めたまま。


九州説や畿内説を代表として、逸話は絶えず、いまだ国内の各地が候補地に挙がっています。

三世紀の日本、地方に大小の村落を数えるしかない蛮の国。

百余国と表されるほど、統率もなく散在していたと思われます。

二世紀末の倭国大乱は、統一された王権に移行する日本の姿であり卑弥呼の死後は宗女壱与擁立に関わる内乱まで荒れ続けた、百年に渡る倭国の動乱を表しています。

「邪馬台国」は呪術に長けた卑弥呼というカリスマによる特殊な統治による巫の国家というイメージがつよいのですが。


それにより幾多の伝説や人々の浪漫を掻き立てる魅力に溢れています。

それは縄文時代末期となる時代、邪馬台国のイメージは『尊卑、各おの差序あり』と記述があるほど階級も著しくない社会構成でした。

実際はリーダー卑弥呼?を頂点にした身分は僅かな上下差の社会だと思うのです。

自由で平和な神事とグループ感覚で形成されたユニークな古代国家ではないかと。


まさに卑弥呼がもつ希代の巫女王の影響力と魅力に支えられた国であることが特徴であり、その特殊性が短命で滅亡にも繋がる弱さでもあったと思えます


(邪馬台国にもみる滅びの美学)。

支配と従属させる侵略や破壊のような恐怖政治ではなく、いわば卑弥呼の優れた呪術能力が崇められることで成り立つ特異な支配形態の国…人々は自ら率先して縋ったのでは?。


なにより感受性が豊かな古代人に伝わる彼女(卑弥呼)の心は民と自然を愛していたからこそ崇められたのでは?。

東アジアで蜃気楼の様に存在した巫女王が治める邪馬台国。

さらに特筆すべき点といえば、全国各地に棲む海人族に纏わる記述です。


倭の水人、好み沈没して漁蛤を捕え』…近海で潜水に特化した民族の活躍が歴史の影で邪馬台国を守る大切な役目を果たしていたと思えます。


モーケン族のような水中での高い解像度の視力を備えていたかもしれない!。

彼等は九州地方より漁獲と並行して北上を続けていきます。邪馬台国の海上交流は海人族にも委ねる海の知識が必要であり、四方を海で囲まれた島国が早くから歩行の移動にも便利な海岸線を含む統治で安全を重視していたと思われます。

海外からの来訪者があれば早期に連絡が伝令され、使者ともコンタクトがスムーズに行われた。


見知らぬ来訪者や使節が襲撃されては?国際問題。


外交の真似事を始めていた当時の日本人には必然的なはず。

陸路が開発されていない時代、海岸線に展開する交流ルートは安定した最速の経路、東北から富山県などに繋がる翡翠(ヒスイ)の道や琥珀の渡る海上路など鉱物資源の流通道、邪馬台国でも有効に役立てる産物は陸路より海路が主なはずです。


あるいは卑弥呼は海上外交から拡大する新たな国家を夢見ていたかもしれません(卑弥呼の人柄を詳しく知りたいですね)。

また卑弥呼は、「千人の神女団を率いていた」?という記述もありますから、そうした規模の人材発掘や育成にも動いていたのでは?。

神女にするという理由があれば、貧しさや悲惨な境遇の女性を養護できた。


そして、そんな女性達は恩義に報いるためにも忠誠心が強かった。

優しい女王だったのでしょう。   いたって常識的な対応です。

村でスピリチュアルなセンスが高い女性をリサーチし、日本各地から有能な巫女を集めて庇護したり、組織統合していたからこそ、いまでもその血統は失われていないのではないでしょつか?。

卑弥呼の呪術が最大の影響力を維持するための政治的な執行集団(一種の気象庁に近い?占う「呪術省」的に機能する最先端の集団。平安時代の陰陽寮の先駆け)。

また実際にシャーマニズムの秘力を研鑽する目的か?、子を産まぬ卑弥呼が善き後継者の擁立に結び付けるためでしょう。

邪馬台国の平和は短く、遂に後継者となる巫女王を成立する前に悲劇を迎えるのでした。


大自然の畏怖すべき神に祭礼や呪術で意思を疎通したとする卑弥呼の邪馬台国は、縄文晩期の原始社会が到達した文化の昇華であったのです。

彼女の死後に擁立された男王は政治的な代表でしかなく、人々が卑弥呼に期待した呪力でも人間的な魅力を再現できないまま内乱の時代に突入していきます。
歴史では朝鮮半島より襲来した神武の東征による…大陸から初の大規模な武力侵攻を受けました。

それは大陸の王権や勢力争いに敗退した一族が敗れ、新天地を求めて倭国に攻め入る戦いの歴史。


以後、日本列島で勢力を盛り返し長い歴史で朝鮮半島や中国に再三の侵略戦争を繰り返す大和朝廷の権力動向に見え隠れする、古代から続く秦氏の様な一族が果たさんとしてきた大陸へ血のリベンジを慣行し繰り返す負の意識と、秀吉の朝鮮出兵に於ける真相や第二次大戦まで続く破壊、東アジア領域の戦争の起源と考えています。

四世紀に畿内の大和を治める王権が台頭するまで侵略された邪馬台国の民の分裂と移動が?全国へもたらした~邪馬台国の文化や伝統の伝播こそが日本各地に邪馬台国に類似したクニが存在する説の原点。


つまり…巫女王の魅力に依存する特異な邪馬台国は、政治政略とは異なる国家の成立スタイル自体に違いがあります。


カリスマ性に生命線があり、畏怖したり慕う感情が強かった。


故に卑弥呼が倒れた後は混乱も必至でしょう。卑弥呼は緊急時にと
、国の存続に対し周囲に指示した幾つかの方法があった筈です。


政治機関と違う邪馬台国の独自な部分として、病床の卑弥呼は神女団を伴い有力な集落を拠点として各地を移動しながら政りを行わせた(死後も)という私の仮説に基ずくものです。

また、卑弥呼の稀有のフォーキャスト・センスを持っていた理由は、彼女が九州の海人族の血統を引く女性であったからではないかと思っています。



沖縄など南方由来のセンシティブな感性を持った人物像を。


現在の沖縄神女の伝統のように古来から受け継ぐ神秘的なもの。


海人だから海上ルートや海の知識も深かった…。

見知らぬ…褐色の肌をした卑弥呼…


侵略してきた神武の軍事力に対し当時の日本では無力に蹂躙されるしかない状態。農民の集団では応戦も虚しく…九州に本拠地を置いた邪馬台国の抵抗は、巫女達と守護者を伴い北上しながら…各地に最後の影響力を遺していった。
もしくは抵抗する暫定政府?のように卑弥呼の威光(精神)を伝えて行ったかもしれません。

本州の最果ては東北の恐山で、イタコ…にみられる系譜。


蝦夷の民族とも交流があっても不思議ではありません。

後世~東北の蝦夷が強固な抵抗を示した理由てばないですか。

最大の謎は?そうした過酷な移動の途中、日本の何処で卑弥呼は死亡し埋葬されたのか?。

遺体も記録も消えたまま、おそらく神女達が遺志を継ぎ…かなりの期間?卑弥呼の死は伏せられた筈です。


少なくとも東北に至る長い道程が考えられます。


卑弥呼が去った後、九州の邪馬台国では男王に統治が手渡されましたが民からの信頼は失われ、動乱に突入していきました。


結局は大和朝廷に徹底して駆逐されていますが、卑弥呼と邪馬台国の深い影響力が並々ならぬものであることを伺わせます。

かつてない古代国家を成立させてきた卑弥呼の魅力


「鬼道に遣え、能く衆を惑す」という記述から考察すれば、暴力的な威厳を根底に持つ魏の皇帝や為政者の発想とは全く違う不思議な存在なのです。

大陸から渡る再三の使節も倭の王や女王からとは受け止めない。


あくまでも彼等には卑弥呼は不遜な存在であったのでしょう。


魅力だけで…存在感だけで愛される国の象徴。


それは亜種の母系社会?を形成していた、「絆」精神的な結び付きが最善の基盤である『親魏倭王』として、卑弥呼は神の統べる大地と民を結ぶ稀有の巫女。

多分、卑弥呼は優れたセンスで地球が丸いことも気付いていた日本最初の人間かもしれません。今世紀になっても謎を遺す存在の大きさ、大陸の影響から遠く歴史に於ける日本の独自性が最大に生かされた古代。


埋葬地は定かではありませんが、いわば全ての候補遺跡が邪馬台国なのです。

卑弥呼の墓は古墳なのか?。

箸墓古墳とする 説が有力ですけれど。九州説では、平原遺跡とも言われます。


いずれも他の皇族や豪族の墳墓とみられます。


滅びの経緯から推理しますと、目立った墓所は作らなかった。


または秘匿して護っている聖地があるのでは?。

為政者の自覚など~なかったのでは?拠点そのものを持たず移動するカリスマ


ジャーニースルー?する謎の自由人女王。 神秘的で…虜になる訳です。

邪馬台国という名前も現代の呼称ですし。


韓国語で発音したら卑弥呼は…ヘメファ!ですね。


天文学者の斎藤国さんの研究によりますと、248年9月5 日の朝(日本時間、世界時では4日) 北部九州では皆既日食が起こったと推定されます。


この現象が卑弥呼の死に関係 すると唱えておられます。

247年3月24日夕方にも北部九州で皆既 日食が起こっており、247年の日食が原因で卑弥呼が殺害された(または脱出した!) 248年の日食が原因で男王が王位に就き 壹与が即位した一連の出来事と結びつけることも可能です。



天文学がもたらす新たなアプローチは謎解きのメスに?。

東シナ海から臨む、海洋性気候に左右される気象を熟知しなければ予測できない島々からなる土地・・・火山帯が憤る弧状列島。


海上交通で沿岸域を結ぶ・・・海洋型の国家。


大陸へも使者を送れる・・・海の邪馬台国。

誇りも廃れ、自然を尊ぶ精神性が中核を失い形骸化した現代日本に、…時空の彼方から卑弥呼の静かな『』(うた)が聞こえてくるようではありませんか。

何処におられます…巫女王…