美由紀さん
2014年になり、実家に帰るとまたうるさい親戚が俺の名前を呼ぶ
「おう、ただいま皆。」
俺は会いたくもない親戚に愛想笑いを振りまきながら、客間にあがる
すると、一人の中年の男性が座っていた
「お帰り~!よぉ、章守(あきもり)久しぶり、俺だよ。俺!」
...心の中で誰なのかを思い出す、この人は多分吉永(よしなが)叔父さんか?
「吉永...叔父さん?...ですか?」
曖昧な表現を交えながら俺は聞く
「おぉ!覚えててくれたんだね!いやぁ~嬉しいなぁ!」
御前が嬉しいかなんて知らないんだよ、こっちは...
心の中ではそう思っても口には出さない自分を褒めた
「いやぁ~忘れるわけないですよ!だって叔父さんのこと大好きでしたもん。」
あまり幼少期に会ったことなどないのだがそんなことを言ってみる
「いやいや、そんなに感謝されてもねぇ...あ!そうだ挨拶したの?」
そういえば母にまだあってないな
「あ、いいや...まだですね。」
「あ、そうなの?じゃぁ挨拶してきな!」
さっきまで、自分から積極的に話しかけてきたのに何なんだよ...
「あぁ、じゃぁすいません...」
しかし母はどこにいるのか?ふと、母がいつも飯を作ってくれた台所に目をやる
そこには、白髪頭の母がいた
「おお!母ちゃん!ただいま!」
心の底からは喜べないが、少しだけ嬉しかっった
「章守、おかえり。皆さんに顔ちゃんと見せてきたの?」
「...ああ。ていうか今は吉永叔父さんしかいないんだけどね...」
すると、玄関のほうから誰かの声が聞こえた
「こんにちは~。」
母が急いで玄関に向かう
すると、いつもとは違う甲高い母の声が鳴り響いた
「あら、美由紀さん。お久しぶりです~。」
美由紀...?そんな人いたか?
そんなことを考えていると、母が俺の名前を呼ぶ
「章守~!ほら、あの美由紀さん来てるから!ご挨拶して!」
誰かも分からないのにどう接すればいいんだよ
「あ、うん。今行くよ!」
自分もいやいや玄関へ向かう。
そこには20代後半に見える綺麗な女性がいた
「あ、こんにちは...章...守くん?」
その愛らしいはにかみを見て俺は何かを感じた
「あ、そうです。朝山(あさやま)章守です。」
