また素晴らしい本と出会いました。この本の内容は、読書のすすめと読書による効能におさまらず、仕事論、人生論、さらには人間にとって死とは何かという内容にまで及んでいます。そしてその内容も、社会の第一線で長年、仕事をしてこられた著者が語ることですので、説得力があります。

この本の内容の中で、よくスランプだと訴える人に対しての記載が印象的でした。このような人は、元々の実力がたいしたことないのに、自己採点が甘いゆえに、ちょっとしたことで調子が悪いと気になるのだ。調子が悪くてだめなときが自分の本来の実力だと思えば、スランプになど陥りようがないとしています。この文章を読んで自分にも思い当たる節があり耳が痛くなりました。

また読書についての記載も印象的でした。読書をしても、かならずしもすぐにすべてが理解できるわけではありません。本の内容を理解するためには思考の反芻が必要であり、そのために読書は時間がかかるとしています。このように読書は即効性がないと言えますが、自分なりの答えを考えて探すというところに、読書本来の醍醐味があるのだと言うのです。本質を突く表現に、まさしくそうだなあと激しく同意しました。

この本は、これから私が生きて行く上で、どこか指針となるような本になりそうです。