それは天気の良い休日だった気がします

あるバァさんが
「おいくらかしら?」
と、いいながら長財布を開けてました
しばらく走って
そのバァさんが降車して
聴覚障害を持ったオバさんが
入れ替わりに乗車
他に多数の外国人旅行客も乗車です
走り始めて間もなく
聴覚障害のオバさんが
「ワスレモノ」
と、言って
さっきのバァさんの
財布を持ってきてくれました
この方
最初の頃は筆談だったのに
いつの間にか話せるようになった
スゲぇ方なんです
手話はできないので
合掌して気持ちを表現しておきました
そのオバさんも降りてほどなくして
バスは潮岬付近に到着です

その直前に無線が入りました
(あー、潮岬の老犬くんドーゾ)
と、同時に横断歩道に人が
左手で横断するよう合図して
右手で無線機を取ります
「なんでしょう?」
そしてバスのハンドルを
目一杯回して
左手で車高調節のスイッチを入れます
ココは車高を上げないと底を擦るからです
右手にはハンドルと無線機を持ってます
さらにバスを止め
左手で車高を戻し
右手でドアのスイッチを入れて
ドアを開けます
(老犬くん聞こえてますか?)
「はいはい、財布預かってます」
(了解、ちょっと待ってよ)
バスのドアは開けたので
降りる人が多数います
乗ってくる人も多数います
その時
右側の窓から
「エキスキューズ」
と、スマホを見せる方が
左側からは
「ソーリー、ハウマッチ?」
と、カードを見せる人が
右側向いて
「じゃすともーめんとぷりーず」
左側向いて
「あー、きゃっしゅおんりー、わんぱーそんつーはんどれっと」
また無線が
(あー、老犬くんドーゾ)
(財布取りにくるから預かっといてくれってよ)
その時
左側向いて
「てんきゅー、まん」
右側向いて
「すてーしょん?いえす、ぷりーずらいどいん」
無線が
(老犬くん了解ですか)
「あーはいはい、了解です」
次は後ろから
「回数券くれんか?」
「え?今?💢」
「どーせ買うなら知ってる人がえーからの」
「はいよ、ってみんな知ってるやろ」
「言い難い運転手もおるんやって」
「そうなん?はい、回数券」
結局
何人乗って何人降りて
今誰が乗ってんだか
全部分からなくなりました
聖徳太子ってスゲーと思いましたが
なれるものなら
千手観音の方が良いような気がします