もうどれぐらい前の事でしょう
あるジィちゃんが
バスに乗って来るなり言いました
「今朝9時過ぎのバスがこんかったの」
「ん?んなワケないやろ」
「いや、来てない、ワシ時間に待っとったもん」
「早く行ったんかなぁ…どれほど待った?」
「5分は待ったよ」
「5分ぐらい遅れる事もあるけど、アソコはだいたい時間通りに来るで」
このジィさんの乗るバス停は
迂回路のない国道
一つ手前のバス停で調整時間があり
ほとんどはソコで待つ事が多いのですが
ごくタマに待たずに出ちゃう運転手もいます
でも、乗り遅れたんじゃなく
来なかったとは?
「おいちゃん、何分前から待ってた?」
「だから5分ぐらい待って近所の人が通ったから送ってもろたんや」
「ふーん…おいちゃんケータイ持ってるん?」
「いや、ワシャあんなもん、よぉ使わんさけの」
「じゃあちゃんとした時間分からんがな」
「くろしお、通ったから間違いない」
「は?くろ…しお…」
くろしおは京都や大阪から来る特急電車

「そらアカンって!なんならバスの方が時間に正確やで」
「いや、いつもそうなんや」
「電車止まったらどないするん?」
「バスも止まるやろ?」
「滅多にないわ」
「そうけ〜」
そもそもこのジィさん
進化論に例えるなら
腰をいわしておられ
前も見えないから
バスが行っても気がつかないかもです
「とにかく、あと3分早く着いといた方がいいで」
「そうけ、分かったよ」
そして先日
そのバス停を凝視するも
人影なし
落とした速度を戻そうと
加速しながら脇道を覗き込むと
くろしおの下にジィさん発見!
止まって(←バス停過ぎてる)
ドア開けて待ってると
「来てたんかい、スマンよ~」
「だから遅いって」
「いや、くろしおが…」
「だからくろしお遅れてるやん」
「スマンよ~」
「他の運転手やったら置いてってるで」
いや、マジで心配です