それは
国道のド真中にカツオが一匹
まるまる落ちていた土曜日の朝

お馴染みミキちゃんが乗って来ました
「おはよ、なんや今日は?」
「クラブあるねん」
「お、結局柔道やるんか?」
「うん、だいたいマネージャーやねんけど」
「他に女子おるん?」
「おらんねん、みんな何で柔道?とかカッコえぇ先輩があるからそれ目当てちゃうんとか言われるねん」
「中学んとき柔道やってたん知らんのやろ」
「その人オモロい事言うんやけどオモロないねん」
「ふーん…」
「………」
「………」
「両想いの量思い!」
「おーびっくりした」
「どぉ?」
「20点」
「やっぱり?キャハハハ」
「笑ってんで…」
「………」
「………」
その時
どうやら彼女の同級生っぽい
女子が乗って来ました
「おー、どこ行きやるん?」(←方言)
「ガッコ、クラブ?」
「クラブ?ナニしやるん?」
「柔道」
「柔道?なんで?」
おー、ホンマに聞いた
「いーやん」
中学からやってるって言えば良いのに
「ふーん…」
「………」
「………」
そして、学校近くに着きました
二人で仲良く歩きながら
コッチ見て手を振る彼女
って
アンタ化粧してたんかい!
口、赤過ぎるぞ

道理で大人しいと思ったと同時に
カッコえぇ先輩説も捨てがたくなりました
その分
怒られなくなったのは良かったですけど…