喘息の発作は、起こっている人も見ている人もつらいものです。
いざという時あわてないよう、普段から知識を身につけて
うまく対処できるようにしましょう。
家族や周りにいる人は、患者さんの様子をしっかり見守り、
必要に応じて救急受診させるようにしましょう。
■まず実践しておきたいこと
特に初めて喘息発作が起こった時には、
本人も家族もパニックになりやすいものです。
しかし不安感やストレスは、喘息をさらに悪化させてしまいますので、
まずは落ち着くことを第一としましょう。
周りにいる人が落ち着いていれば、患者さんも安心です。
処方された発作時の薬を使用し、様子を見ましょう。
姿勢としては、横になるより起き上がっているほうがラクです。
また普段から腹式呼吸を練習しておきましょう。
息をゆっくり3つカウントしながら吸い込み、
倍の6つカウントしながら吐きます。
胸ではなく、おなかがしっかり膨らんだり凹んだりするのを確認しましょう。
肩は上下に動かないようにします。
いざという時、この呼吸法が役立つはずです。
■こんな時は受診を
β2刺激薬を使用しても効果がみられない場合や、
すぐにまた発作が起こる場合は、それ以上使用せずにすみやかに受診しましょう。
ヒューヒュー、ゼーゼーいう喘鳴がひどく、会話もできない場合や、
明らかにいつもと様子がおかしい場合は、ためらっている暇はありません。
意識を失ったり、唇が紫になるなどのチアノーゼがみられた場合、
息苦しさから錯乱状態となっている場合も、救急車を呼ぶべき症状です。
喘息発作による死は、その多くが薬を何度も使用して
様子を見ようとしたために受診が遅れたケースになります。
処方されている薬を一通り使っても改善されない場合は、
かならず中断して救急隊員や医療機関にその旨を伝えてください。
特に喘息発作は夜間に起こることが多いため、
本当に必要な時には迷わず救急車に頼ることも大切です。
また普段から、かかりつけの病院や、
その日の救急病院の電話番号などを
チェックしておくことも役立つでしょう。