最近、妻から興味深い提案がありました。それは、「命は大切なのか?」というテーマについて考えることです。私たちはこのテーマについて、何故考えるのか、そしてどのような視点からそれを考えるのかを明らかにするために、小児がんでお子さんを亡くした方が主催するセミナーに参加しました。

我が家には幼児期の息子を亡くした経験があります。そのため、このセミナーの参加は特に私たちにとって意味のあるものでした。また、主催者の方からのお誘いもあり、参加することにしました。

セミナーに参加してみて、命について深く考える機会に恵まれました。そこで私は、命の大切さやその意味について多くのことを考えることができました。

命がいつ大切なのか、逆に大切でない命が存在するのか、という問いについて考えました。植物を収穫することは命を絶つことになるでしょうか?そしてその場合、その命は大切にされていないと言えるのでしょうか?また、戦国時代に町民の命と引き換えに処刑された将の命は大切にされなかったのでしょうか?これらの問いに対して、主観的な視点と客観的な視点が異なることに気付きました。また、動物が自殺しないのはなぜなのか、その違いについても考えました。人間は過去や未来を想像し、道具を使うことができる点が大きな違いですが、それが自殺とどのように関連しているのかも考えさせられました。

命を大切にすることは、自らの辛さに耐えられないからかもしれません。しかし、それは命が本人にしか扱えないこととも関連しています。親が子供の人生を代わりに生きることはできないように、他人が他人の命を代わりに生きることもできないのです。

セミナー後、妻と一緒に対話を振り返りました。その中で、人間が自殺する可能性のある生き物であるという事実に改めて気付かされました。この前提に立って、いかに自殺を防いでいくかを議論することが重要だと感じました。2人での対話は深まり、再度同じような機会があれば参加したいと思いました。