Twilight

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夕焼けていいと思う

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小説(短編ですが)初登校です。二秒という友人との合作です。

二秒作別視点(こちらから読んだ方がおすすめです)→http://ameblo.jp/nibyou02/entry-11511305372.html

花の終わり。君の終わり。


 桜は「散る」梅は「零れる」椿は「落ちる」菊は「舞う」牡丹は「崩れる」


どうしてお前はそんなことをいちいち気にしているのだろうか。そんなことをいちいち気にしたところで意味がないというか、そもそも花と人の終わりを重ね比べるものではないだろう。
 桜のように綺麗に儚げそして切なく散ったとしても、梅のようにおしとやかにでも零れたとしても、椿のようにその形を変えず切り落とされたかのように不気味に落ちたとしても、菊のように最期まで美しく舞い続けたとしても、牡丹のように形がなくなるまで崩れようがお前がお前なことには何一つ変わりはない。それでもお前はまだ終わりを求めるというのだろうか。見えることのないその終わりを。
 正直な話自分の終わりを細かく想像できる人なんてまずいないだろう。だから気にしても仕様がない話だ。だからそんなことを考えている暇があったらお前はもう少し勉強をしたほうがいいと思うのだが。この世界強さだけでどうこうなるなんてそんな単純にできてはいない。そんなことを言ったってお前が無視するのは分かりきっていることだけど。けれどそんなに勉強てめんどくさいものだろうか。
 ああ、話がずれたな。俺が自分の終わり方を考えたことがないのかと言われればその答えは否になる。もちろん意味がないだろうなんて言ったって気になってしまうものくらい俺にもある。だからこいつがこんな風に考えているのは分からなくもない。しかしお前と同レベルとなると何故かどこかムカつくのは俺の勘違いであってほしい。
 俺はなんとなく気になってしまうくらいで、お前のように深くは考えないけれど。その時が来たらその時で、どんな終わり方でも素直に受け入れることができてしまうと思う。何故だかは分からないが、まあ俺の性格上そうなのだろう。たとえ誰にも気づかれないような場所で誰にも気づかれず消えたとしてもそれはそれで受け入れることはできる。


 桜は「散る」梅は「零れる」椿は「落ちる」菊は「舞う」牡丹は「崩れる」


 俺の終わりなんてどうでもいい話なんだけれども。


 *


「…どうなんだろ」
 桜を見てぼそりと呟いている少年。どうなんだろ、てそりゃこっちが聞きたい。もう葉桜とでも呼べそうな程散ってしまっている木でお花見か?まあ、こういうときこいつが何を考えているかなんて一つしかないから分かるのだけれども。
「桜、もう終わりの時期だな。桜吹雪というかもう花弁残ってないんじゃないか?これは」
「う、うわあ!?!?」
 確かに俺はこいつの肩に手をぽんっという感じで置いただけだ。こんなことでそこまで驚くか。声でかすぎ。鼓膜破れるかと思ったんだがこちらからすると。
「んだよ、ヴァン!!驚くよ!!普通!!!」
 普通、か。そもそも普通とはなんなのだろうか。俺はこの言葉を聞くとよく疑問を抱いてしまう。たとえば、普通とはなんなのか。何を基準にして"普通"と人々は呼んでいるのだろうか。普段はこういうことはあまり口にはしないのだがこいつがしょっちゅう"普通"という言葉を口にするものだから、こいつにいたってはいろいろと教え込みたくなる。
 勉強しろ、とはしょっちゅう言っているのだがギルドに入ったせいなのか一切勉強というものをする気配はない。だからお前はいつまでたっても本格的に上位には上がれないんだぞ、と…。
 現に今だって"普通"について教えようとしただけで「ああー!!なんでもない!!俺が悪かったー!!」と言っては話を逸らそうとする。実際逸らされているのだけれども。
「あ、そうだ。ヴァンはさ、パーティ組まないのか!?いつも個人じゃんか!」
 ナタクの口からパーティという単語が出てくるのはそう珍しいことではない。実際何度もこの質問はされたことがある。毎回俺は決まって「組まない」と答えているのだけれども。しかしそれでも毎回聞いてくるのはなんとなく分かる。こいつ変に俺のこと尊敬してきてるから一緒に組みたいんだろうと、どうせそんなところだろうと。こいつの考えは至って単純なものなのだから。
 というより俺が不満なのは16の少年に呼び捨てにされることだ。なんというか俺がそう呼ばれるのが不満というよりこの性格を直さないと確実にナタクは将来困ることになるだろう。かと言ってさんをつけろと言ったところで「ハイ、スイマセン」と返事をするばかり。直ったためしなんて一度もない。もしかしてギルドマスターのことすらこいつは呼び捨てにしているんじゃないのか。
 どうして俺がこいつのことでこんな不安にならなきゃいけないんだなんて思ってしまうが、何気に自分はお人よしと呼ばれる性格のためしょうがない。だからパーティもあまり向かないんだ。周りのことが気になりすぎてどうしたらいいのか分からなくなるのが現状だ。
「で、お前俺と組みたいのか…」て聞かなくても分かるような目をするなそんな目を。そんな期待に満ち溢れたような目をされたら断れるものも断れなくなる。
 仕方ない。行くのはどうせ一回だろう。きっとこいつのことだからまあまあのレベルくらいのだろうし、頭は弱いけれど腕が確かなのも事実だ。その腕はきっとギルドマスターも認めていることだろう。まあ、一回くらいなら大丈夫だろう。
 というか俺はこいつの兄貴なのか、なんでこんな面倒をみなきゃならないんだか…。とりあえずはクエストでもとりに行きますか。


 *


 正直きついかもしれない。そう弱音がふと落ちてしまいそうなのが現状だ。ナタクが「これ!」と指差し選んだクエストはギルドで高難易度なものだった。
 言い訳になってしまうが、一人でいけたら軽くはないもののちゃんとこなせただろう。けれど今回は二人といえどパーティだ。正直やはり俺はパーティに向いていないんだと実感する。
 敵が有利な能力を持っているせいかナタクばかりを狙う。天敵とも呼べるほどの能力だ、こんなものに当たってしまえばナタクはひとたまりもないんだろう。そうしたら必然的に俺が守らなきゃいけないことになる。しかしナタクばかりに目をやっていると敵からの攻撃など視界に入るわけもなくそのままもろ当たってしまう。ああ、もうこれは俺の間違いなんだろうか。だから俺はパーティ向いてないんだって。まあ今回のことで分かってくれれば一番いい。しかしこれは本当に…
「おいナタク」
 振り向き声をかけてみるが、がたがたと震える素振りを見せるだけで何も応えようとはしない。これじゃあ俺の声が全く聞こえていない状況と同じじゃないか。
「おいナタク!!」
 もう一度声をかけると声そのものはすごい情けないものの、どうやら俺の声は聞き取れたようだ。話は通じる。
「聞け、相手に影は届かないだろうが自分を守ることくらいはできるだろう。それでギルドに戻るんだ、分かったか?」
 せめてお前だけでも助かればいいと思う。素直にそう思うんだ、だからそうやって首を横に振ったり嫌だ、なんていわないでくれ。二人で死んだら馬鹿みたいじゃないか。それこそギルド内での笑われ者だ。そんなのは俺はごめんなんだ。
「で、でも、俺は、俺は戻れるけどヴァンは…」
 何度か話をするうちにやっとだろうか。震える声を絞り出すように答えてくれる。
 何故お前は俺のことなんて気にするんだろうか。お前が憧れている人なんだろう俺は。だったらもっと信用してくれてもいいじゃないか。そういいたいが、まあこんなぼろぼろの姿見られれば俺だって何も言えなくなる。
 とにかくお前は逃げてくれ。それしか言えない。
「俺は…俺……。俺はお前が影だと言うのなら少しでも多く影をつくってやるよ」
 少しでもこいつの不安がとれるようにニッと笑ってみせる。本当なら「分かった」と言って「絶対戻ってこいよ」なんてフラグでも立てて走っていく場面じゃないのだろうか。なのにお前はどうしてそんな目で見るのだろうか。しかもこの目どこかで見たことがある。
 ああ、そうか。桜だ。こいつが散っていく桜を見ている時だ。じゃあ俺の終わり方は桜と一緒で「散る」ものなんだろう。そうか俺は散って終わるのか。なんとなく想像とは違った。ああ、ごめんな。お前がかなり気になっていた答えを先に俺がもらってしまって。でもお前の終わり方はこんなもんじゃないだろう。俺は桜と同じになれて満足だ。それでいいと思えるんだ。だからはやく行けよ馬鹿。今はそんな目をしてお花見なんてしている場合じゃないだ。分かるよな。
 暫くした後ナタクは振り向くこともせずに走り出した。向かう場所はもちろんギルドだろう。あいつのことだから、助けでも呼ぶんじゃないかと思うとこんな状況というのに笑いが漏れてしまう。ああ、だめだ集中しなくては。
 もう俺は終わるのかもしれない。けどギルド最高なんて呼ばれているからには最後まで足掻いてみせるのがいいんじゃないんだろうか。満足なんていったけれど桜みたいに時の流れに任せて散ってなんていけない。せめて最後まで足掻いておかないと、あいつが成長したときに合わせる顔がなくなってしまうだろうから。


 あいつが成長した時ちゃんと合わせる顔があるように。



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あとがき。

短いですがあとがきです。小説は趣味で書いているくらいなので文章力とか全く足らない部分がありますが暖かい目で見てやってください。

相方に書き方を合わせてみましたが、微妙になってしまいました申し訳ない。