現在放送中のNHK朝ドラ「半分、青い」ではヒロインの楡野鈴愛の実家は飲食店を経営している。
今日8/13の放送でその所得税確定申告一式のうち、確定申告書の第一表と青色決算書の貸借対照表が映った。


これをもとに「つくし食堂」の損益計算書を推定する。
なお、楡野家の家族構成については下記リンクを参照されたい。
「半分、青い」出演者
申告年分は平成19年。
申告は青色できちんと貸借対照表を添付し、青色申告特別控除65万円を取ってる。
確定申告書第一表より事業所得の総収入金額が読み取れる。
飲食店なので必ず家事消費がある。
この年の楡野家は3人。
楡野 宇太郎 世帯主でヒロイン鈴愛の父
楡野 晴 宇太郎の妻、鈴愛の母
楡野 仙吉 宇太郎の父で鈴愛の祖父
家事消費を一人1万円として月3万円、年間36万円。
売上高は総収入金額からこの36万円を差し引いた金額。
昼の営業が中心だが、夜はアルコールも提供している。
原価率を0.38、粗利率を62%とする。
棚卸資産は期首と期末で増減なし。毎年50,000円にしているのだろう。
あと、この二枚の書面からわかることは貸借対照表の工具器具備品の期首と期末の差額から減価償却費は426,218円、貸借対照表
に建物がないということは古い店舗のため帳簿価額がないのであろう。
また、この店舗兼住宅の所有者であろう楡野仙吉は事業主・楡野宇太郎と生計一親族のため地代家賃はないはずである。
次に青色専従者給与が420万円ある。
対象者は事業主の妻・楡野晴と父・楡野仙吉。
父・仙吉も若い頃からこの先代として食堂を経営していたことから年金は国民年金、宇太郎の扶養を外れるほどの収入はないはず。
確定申告書に配偶者控除も扶養控除も記載がないことから二人とも専従者給与を取っているものと思われる。
とすると、ここで疑問が湧く。
青色専従者給与年間420万円は月額35万円。
事業主・宇太郎の青特前所得は申告書第一表より
1,775,802+650,000=2,425,802円、12で割ると月約20万円。
父・仙吉はもう90に近い高齢で実質隠居の身であることを考えればそれほど高額な専従者給与は取れないはず。
月5万円として同居老親の58万円よりわずかに高い年間60万円と推定。
とすると妻・晴の専従者給与が35万-5万で月額30万円になってしまう。
これは事業主の取り分月20万と比較していかに言っても多過ぎる。
おそらくは結婚して近所のアパートに妻子と暮らしながらこのつくし食堂のシェフとして働いている事業主・宇太郎の息子・草太の給料を誤ってここに入れているのだろう。
妻・晴5万円、父・仙吉5万円、息子・草太25万円、合計35万円。
年間420万円なら辻褄が合う。
つくし食堂にはもう一人、草太の弟子の健人が働いている。
当初、楡野家の空き部屋に居候していたが、最近アパートを借りて一人暮らしをしている。月15万円は必要だろう。年間180万円と推定する。
売上規模からすると水道光熱費は月10万円、消耗品費が月5万円、火災保険、食中毒保険で年間20万円。
租税公課は消費税と固定資産税。
貸借対照表の未払金が少額(預り金の源泉所得税か?)のため、消費税は未払計上せず、納付時に経費にしているのだろう。
前年も同じ売上だと仮定し、有利な簡易課税を選択しているものとして36万円。固定資産税の店舗部分が5万円。
その他、広告宣伝費、健人の労働保険料の福利厚生費、業務用冷蔵庫の年間保守料、その他の経費を計上した結果が下記のものである。

そして季節指数を考慮した月別売上仕入と前述の給料の内訳

実は放送された二枚の書類だが、誤りがある。貸借対照表の右下、「青色申告特別控除前の金額」が確定申告書第一表の青色申告特別控除を差し引いた後の金額が記載してある。
正しくは1,775,802+650,000で2,425,802となるべきだ。
番組のクレジットに税務申告考証がなかったので税理士等専門家の考証はなかったのだろう。
俺に考証を依頼してくれれば10万円くらいでやったのに。
失敗したなNHK(笑)
余談だが、確定申告書第一表の所得控除欄の社会保険料控除がたったの180,000円。全額国保なんだろう。実は楡野家の三人は平成19年では全員60歳以上の設定。国民年金の納付は終わっている。偶然にしてはよくできている。