「次はお兄ちゃん!」
「お待たせ致しました。」
次はお兄ちゃんの髪を整えます。
チョキ、チョキ。
つる君が聞きました。
「今日は弟さんの付き添いですか?」
お兄ちゃんは
少し考えてから言いました。
「まぁ……そんな感じです。」
弟が横から言いました。
「お兄ちゃんすごいんですよ!」
「勉強も教えてくれるし!」
「テニスの練習も一緒にしてくれて!」
「ぼくが試合で勝てるのも、
成績で1番獲れるのも、
お兄ちゃんのおかげなんです!」
「それにこの間、
ぼく貧血で倒れた時も、
おんぶして急いで病院に
連れていってくれたんです。
店の中が
少し静かになりました。
⸻
るんちゃんは
ふわふわの泡を作りながら言いました。
「じゃあ弟さんの太陽は
お兄ちゃんなんですね。」
弟は
すぐに答えました。
「うん!」
「ぼく一人じゃ、できないもん!」
お兄ちゃんは
少し驚いた顔をしました。
そして
少しだけ笑いました。
極みヘッドスパが終わり
鏡を見ると、
お兄ちゃんの顔は、
少しだけ誇らしそうでした。
⸻
帰り道。
弟は
うれしそうに話しています。
「ねえ、お兄ちゃん!」
「また練習つきあってね!」
お兄ちゃんは
照れくさそうに言いました。
「しょうがないな。」
弟の太陽は
空にあるんじゃありません。
それは
ずっと隣で歩いている
お兄ちゃんでした。
⸻
そして今日もまた。
つるるんとんから
心が少し軽くなったお客様が
帰っていきました。
〈終わり〉




































