　　　「今回も『震災損失の繰戻しによる法人税額の還付』についてです。」

　　　「前回は震災損失の内容をざっくりと表にしてみたのだったわね。」

　　　「うん。こんな表にしてみたんだ。」

震災損失金額
対象資産	①棚卸資産 ②固定資産 ③繰延資産のうち他の者の有する固定資産を　　利用するために支出されたもの
損失の額	滅失等による損失	①滅失損 ②損壊による損失 ③評価損
	原状回復の費用（損壊、価値減少、事業供用が困難な場合に、被害日から一年以内に支出）	①修繕費 ②土砂その他の障害物の　除去に要する費用 ③その他これらに類する　費用
	損失の額から除く金額	保険金、損害賠償金その他これらに類するものにより補填されるもの

　　　「ふうん・・『滅失等による損失』・・ふむふむ・・・・

　　　　　・・・・・・・あっ」

　　　「どうかしましたか？」

　　　「ちょっと疑問に思ったんだけど、

　　　　　被害を受けた棚卸資産や固定資産でも、

　　　　　安い金額で譲渡できるなら、譲渡することもあると思うんだけど、

　　　　　そのときの譲渡損は震災損失に含めれないのかしら。」

　　　「そうだねえ。

　　　　　その売却損や譲渡損には評価損的な部分もあるかと思いますよ。」

　　　「そうなのです。

　　　　　その評価損的な部分を震災損失の額に含めているときは、

　　　　　震災損失の額として認められるのです。

　　　　　うん、こんなイメージだね。」

　　　「『そうなのです』って、取扱いを知ってたの？」

　　　「ううん。関さんと話している間に、

　　　　　国税庁ＨＰで通達を調べてみたのです。」

震災損失の額に含まれる棚卸資産等の譲渡損

15-3　棚卸資産又は固定資産の譲渡による損失の額は、震災損失の額には含まれないのであるが、災害のあった日を含む事業年度において、法人が、災害により著しく損傷したこれらの資産を譲渡したことにより生じた損失の額のうち被害を受けたことに起因する金額を震災損失の額に含めているときは、これを認める。

　　　「その通達は『東日本大震災の被災者等に係る

　　　　　国税関係法律の臨時特例に関する

　　　　　法律関係通達（法人税編）』ですね。」

　　　「そうです。詳しいですね。」

　　　「東さんと話している間に

　　　　　国税庁ＨＰで通達の名称を調べてみたのです。」

　「頑張ろう。」

上記は

「東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する

法律関係通達（法人税編）Ｈ２３年４月２７日」

を参考にしています。

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震災関連【震災損失の繰戻しによる法人税額の還付（５）＜譲渡損＞】