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融資はプロパー融資 ・信用保証協会経由の融資 ・日本政策金融公庫の融資の三つが一般的です。


以前のブログでは保証協会付融資について触れていきましたが、

今回はプロパー融資の審査基準のB/S部分について触れていこうと思います。


■プロパー融資とは

一般的に、金融機関が事業融資を行う場合において、信用保証協会の保証等がなく直接自身の責任100%で実行するもののことを「プロパー融資」と呼んでいます。

プロパー融資は銀行が独自に融資をしてくれることですので、それを考えると銀行にとってはとてもリスクのあるものです。

そのため、審査も厳しくなり信用度の高い取引先でなければプロパー融資は行われないのが一般的です。


■審査基準(BS)

(ⅰ)債務超過かどうか

債務超過とは、負債(返済が必要な資金調達)の金額が、資産(資金の運用)の金額をオーバーしている状態の事をいいます。

過去に何か特別なことがあり大きく赤字を計上したのか、それとも毎年赤字を積み重ねた結果の債務超過なのかなどの理由によっても審査は変わってきますが、債務超過かどうかは金融機関が真っ先にチェックをするところであり、債務超過だと融資は難しくなる傾向があります。

しかし、役員借入金を資本と同等とみなす金融機関が多い傾向があります。
通常の負債とは違い返済をすぐしなくてはいけないというものではない可能性が高いので、
仮に債務超過でも役員借入金の金額を足してプラスになれば、実質債務超過ではないと見なされることがあります。


(ⅱ)債務償還年数

保証協会付融資同様10年が基準となっています。
10年以内であれば返済能力があると判断し、逆に10年を超えると返済能力に難があると判断します。
債務償還年数の計算式は多々ありますが、簡単なものをあげると借入金の額を当期利益と減価償却費の和で割ったものです。

(ⅲ)取引先

売掛金の中に回収不能な不良債権はないかを確認しています。
融資をする際には返済能力を審査しますので、取引先は重要な指針となっています。

業種にもよりますが、前期と今期に同じ相手先に同額の売掛金額が残っていると期中の取引を確認される可能性があります。

また、50万円未満の小口の売掛金に関しては、内訳書に得意先別に表示せず、その他にまとめて表示することが認められていますが、このその他が前期と比較して多額に増えている場合にも、細かい内訳一覧の提出を求められたり、期中の取引を確認されたりする可能性があります。

(ⅳ)借入金の使途
「固定資産>長期借入金」または「固定資産=長期借入金」であれば問題ありませんが、
「固定資産<長期借入金」ということは長期で借りたお金を運転資金に使用してしまっている状態=自転車創業と捉えられてしまう可能性があるので、額にもよりますが融資審査ではマイナスとなります。

但し、一般的に長期借入金の金額が月商の4ヶ月を超えていなければ問題になることはありません。

まとめ
貸借対照表は、損益計算書と違って一定期間(通常1年)が終われば、翌期はゼロからスタートということではないので、毎期毎期の積み重ねがそこに表示されます。

損益計算書はあくまでも1期分しかわかりませんので、もの凄くその期や直近3期が儲かっていたとしても、実は過去の赤字で借金だらけという場合もあるわけです。

過去から現在までの会社の状況を一表に表したのが貸借対照表です、そのため金融機関も必ず確認する重要な書類になります。

また、各金融機関が独自に行っている信用格付けにも多大な影響を及ぼしますので、借入れを考えているときは決算時に損益計算書だけでなく、貸借対照表も細かく確認してみるることをおすすめいたします。

今回はB/Sについてふれましたので、PLの審査基準については今後のブログで触れていきたいと思います。