自民、公明両党は12月30日に平成27年度税制改正大綱を決定しました。
平成27年度税制改正の主要項目についての基本的考えは、デフレ脱却・経済再生に基いています。
この考えに基いて成長志向に重点を置いた法人税改革が行われます。
また、経済再生と財政健全化を両立するため、消費税率10%への引き上げ時期を変更しました。
今回はこの概要を記載いたします。
なお、税制改正大綱の内容は国会で審議され、可決成立すれば適用される事になります。
1.消費税
(1)消費税率10%への引き上げ時期の変更
平成27年10月に予定していた消費税率10%への引上げ時期を平成29年4月としました。
また、消費税転嫁対策特別措置法の適用期限について、消費税率10%への引上げ時期の変更にあわせ、平成30年9月30日まで1年半延長します。
(2)国境を越えた役務の提供に対する消費税の課税の見直し
電子書籍・音楽・広告の配信等のインターネットを介して行われる役務の提供を「電気通信役務の提供」と位置付け、内外判定基準を役務の提供に係る事務所等の所在地から、役務の提供を受ける者の住所地等に見直します。
(3)消費税の軽減税率制度
消費税の軽減税率制度については、関係事業者を含む国民の理解を得た上で、税率10%時に導入されます。平成29年度からの導入を目指して、対象品目、区分経理、安定財源等について、早急に具体的な検討を進めることとなりました。
2.法人税
(1)法人税率の引き下げ
法人税の税率を23.9%(現行25.5%)に引き下げ、法人の平成27年4月1日以後に開始する事業年度について適用します。
(2)軽減税率の特例の延長
中小法人の軽減税率の特例の適用期限を2年延長します。
所得の金額のうち年800万円以下の部分に対して、税率15%(本来であれば19%)を適用します。
(3)欠損金の繰越控除制度の見直し
欠損金の繰越控除制度等の控除限度額について段階的に引き下げることになりました。
また、欠損金の繰越控除制度等の繰越期間が10年(現行9年)に延長されます。それに伴い、以下の各々の期間も10年(現行9年)に延長されます。
(a)帳簿書類の保存期間
(b)法人税の欠損金に係る更正の期間制限
(c)法人税の欠損金に係る更正の請求期間
上記の改正は、平成29年4月1日以後に開始する事業年度において生じた欠損金額について適用します。
(4)受取配当等の益金不算入制度の見直し
益金不算入の対象となる株式等の区分及びその配当等の益金不算入割合を以下の通りとします。
【現行】
完全子法人株式等及び関係法人株式等……不算入割合100分の100
上記以外の株式等 ……不算入割合100分の50
【改正案】
完全子法人株式等及び関係法人株式等……不算入割合100分の100
その他の株式等 ……不算入割合100分の50
非支配目的株式等 ……不算入割合100分の20
※非支配目的株式等は、負債利子控除の対象から除かれます。
公社債投資信託以外(特定株式投資信託を除く)の証券投資信託の収益の分配の額については、その全額を益金算入とします。
現行においては、収益の分配の額の2分の1(4分の1)の金額の100分の50相当額を益金不算入することになっています。
(5)地方拠点強化税制
企業が、本社機能等を東京圏から地方に移転した場合に、その取り組みを支援するため、地方拠点強化税制が創設されます。
これは、人口の東京への過度な集中を是正し、地方に人材を定着させることを目的としています。
主な内容は以下の通りとなります。
(a)本社等の建物に係る投資減税を創設
地方拠点建物等を取得した場合の特別償却又は税額控除制度で、地域再生法に基づき、本社機能等を東京圏から地方に移転することを支援するため創設されました。
(b)雇用の増加に対する税額控除制度(雇用促進税制)の特例を設定
現行制度の特例として、地方に移転した事業所の増加雇用者を対象にした措置です。
控除税額は、現行の雇用促進税制による控除税額と上記(a)による控除税額の合計を当期の法人税額の30%から控除した残額が上限となります。
3.法人事業税、地方法人特別税、法人住民税、
(1)法人事業税及び地方法人特別税の税率の改正
法人実効税率の引下げに伴って法人事業税の外形標準課税拡充の見直しが行われました。
この見直しは、課税ベースを拡大しつつ税率を引き下げることによって、法人課税を成長志向型の構造に変えることを目的としています。
【適用される事業年度】
法人事業税
(a)平成27年4月1日から平成28年3月31日までの間に開始する事業年度
(b)平成28年4月1日以後に開始する事業年度
地方法人特別税
(a)平成27年4月1日から平成28年3月31日までの間に開始する事業年度
(b)平成28年4月1日以後に開始する事業年度
(2)資本割の課税標準の見直し等
現行の資本割の課税標準である資本金等の額が、資本金に資本準備金を加えた額を下回る場合、当該額を資本割の課税標準とします。
また、法人住民税均等割の現行の税率区分の基準である資本金等の額に無償増減資等の金額を加減算する措置を講ずるとともに、当該資本金等の額が資本金に資本準備金を加えた額を下回る場合、当該額を均等割の税率区分の基準とします。
参考URL:自民党「平成27年度税制改正大綱」
平成27年度税制改正の主要項目についての基本的考えは、デフレ脱却・経済再生に基いています。
この考えに基いて成長志向に重点を置いた法人税改革が行われます。
また、経済再生と財政健全化を両立するため、消費税率10%への引き上げ時期を変更しました。
今回はこの概要を記載いたします。
なお、税制改正大綱の内容は国会で審議され、可決成立すれば適用される事になります。
1.消費税
(1)消費税率10%への引き上げ時期の変更
平成27年10月に予定していた消費税率10%への引上げ時期を平成29年4月としました。
また、消費税転嫁対策特別措置法の適用期限について、消費税率10%への引上げ時期の変更にあわせ、平成30年9月30日まで1年半延長します。
(2)国境を越えた役務の提供に対する消費税の課税の見直し
電子書籍・音楽・広告の配信等のインターネットを介して行われる役務の提供を「電気通信役務の提供」と位置付け、内外判定基準を役務の提供に係る事務所等の所在地から、役務の提供を受ける者の住所地等に見直します。
(3)消費税の軽減税率制度
消費税の軽減税率制度については、関係事業者を含む国民の理解を得た上で、税率10%時に導入されます。平成29年度からの導入を目指して、対象品目、区分経理、安定財源等について、早急に具体的な検討を進めることとなりました。
2.法人税
(1)法人税率の引き下げ
法人税の税率を23.9%(現行25.5%)に引き下げ、法人の平成27年4月1日以後に開始する事業年度について適用します。
(2)軽減税率の特例の延長
中小法人の軽減税率の特例の適用期限を2年延長します。
所得の金額のうち年800万円以下の部分に対して、税率15%(本来であれば19%)を適用します。
(3)欠損金の繰越控除制度の見直し
欠損金の繰越控除制度等の控除限度額について段階的に引き下げることになりました。
また、欠損金の繰越控除制度等の繰越期間が10年(現行9年)に延長されます。それに伴い、以下の各々の期間も10年(現行9年)に延長されます。
(a)帳簿書類の保存期間
(b)法人税の欠損金に係る更正の期間制限
(c)法人税の欠損金に係る更正の請求期間
上記の改正は、平成29年4月1日以後に開始する事業年度において生じた欠損金額について適用します。
(4)受取配当等の益金不算入制度の見直し
益金不算入の対象となる株式等の区分及びその配当等の益金不算入割合を以下の通りとします。
【現行】
完全子法人株式等及び関係法人株式等……不算入割合100分の100
上記以外の株式等 ……不算入割合100分の50
【改正案】
完全子法人株式等及び関係法人株式等……不算入割合100分の100
その他の株式等 ……不算入割合100分の50
非支配目的株式等 ……不算入割合100分の20
※非支配目的株式等は、負債利子控除の対象から除かれます。
公社債投資信託以外(特定株式投資信託を除く)の証券投資信託の収益の分配の額については、その全額を益金算入とします。
現行においては、収益の分配の額の2分の1(4分の1)の金額の100分の50相当額を益金不算入することになっています。
(5)地方拠点強化税制
企業が、本社機能等を東京圏から地方に移転した場合に、その取り組みを支援するため、地方拠点強化税制が創設されます。
これは、人口の東京への過度な集中を是正し、地方に人材を定着させることを目的としています。
主な内容は以下の通りとなります。
(a)本社等の建物に係る投資減税を創設
地方拠点建物等を取得した場合の特別償却又は税額控除制度で、地域再生法に基づき、本社機能等を東京圏から地方に移転することを支援するため創設されました。
(b)雇用の増加に対する税額控除制度(雇用促進税制)の特例を設定
現行制度の特例として、地方に移転した事業所の増加雇用者を対象にした措置です。
控除税額は、現行の雇用促進税制による控除税額と上記(a)による控除税額の合計を当期の法人税額の30%から控除した残額が上限となります。
3.法人事業税、地方法人特別税、法人住民税、
(1)法人事業税及び地方法人特別税の税率の改正
法人実効税率の引下げに伴って法人事業税の外形標準課税拡充の見直しが行われました。
この見直しは、課税ベースを拡大しつつ税率を引き下げることによって、法人課税を成長志向型の構造に変えることを目的としています。
【適用される事業年度】
法人事業税
(a)平成27年4月1日から平成28年3月31日までの間に開始する事業年度
(b)平成28年4月1日以後に開始する事業年度
地方法人特別税
(a)平成27年4月1日から平成28年3月31日までの間に開始する事業年度
(b)平成28年4月1日以後に開始する事業年度
(2)資本割の課税標準の見直し等
現行の資本割の課税標準である資本金等の額が、資本金に資本準備金を加えた額を下回る場合、当該額を資本割の課税標準とします。
また、法人住民税均等割の現行の税率区分の基準である資本金等の額に無償増減資等の金額を加減算する措置を講ずるとともに、当該資本金等の額が資本金に資本準備金を加えた額を下回る場合、当該額を均等割の税率区分の基準とします。
参考URL:自民党「平成27年度税制改正大綱」