3日目、スタッフ連中より2時間ほど早めに出発したゼブラ。
次の宿泊予定地「岡山」まで行く間に、山口県に寄って俺の実家の墓参りをするためだ。
俺ん家の墓は山口県と言っても瀬戸内海に浮かぶ“大島”という島の“久賀”という小さな町にあるから、本当は俺ひとりで行って他の人たちは自由にどこか見て回ってもらうつもりだったのだが、そこのキレイな空と海を見たいと言ってゼブラ全員で行く事になったのだ。
さて、博多を出発して約4時間、ようやく鈍行しか停まらない無人の最寄り駅「大畠」に3年ぶりに到着。相変わらず駅前には何もないが、驚いたことにゼブンイレブンができていた!いやぁ、この町も牛の歩みのようなスピードで、少しずつ進歩してるんだな。
そしてバスに乗るのだが、時刻表を見ると16時まで来ない。そんなばかなっ!
「じゃぁ、綺麗な海を見ながら歩きますか!」と楠美クン。
いや多分1時間以上歩かにゃならんて。気温は軽く37度くらいあるし。
しかし楠美クン、やる気満々。普段インドア派のダンまでノリノリなんて、さては暑さで脳をやられたか。
もうこの勢いは止められそうにないので、俺も諦めて腹ごしらえしてから歩くことに。そして食事も終り、歩く前に体を軽くしていこうとダンがトイレへ。
その直後、バス到着……何で?
トイレで踏ん張っているダンを慌てて呼び戻し、いよいよ出発するも何年も来ていないので場所が正確にわからない。何年も放置されている潰れたままのパチンコ屋の近くだということしかわからない。
そこで外を眺めながら構えていると、しばらくしてパチンコ屋が登場。しかも営業している!
「うぉぉ!ひょっとして10年ぶりくらいに店がオープンしてんじゃね?」と、慌ててボタンを押して下車。そして意気揚々と歩き出す3人。目的地はもうすぐだ。
「海も空も空気もキレイ。最高の気分だね~♪」と楠美クン・ダンは鼻歌まで歌っている。
そしていよいよ………………………到着しない。……何でだーーー!?
???と思って歩き続けると、墓の近くにあるスーパーの看板が出現。
「この先6km」
……アレ?
そうなのだ。さっき目印にして降りたパチンコ屋。どうやら最近出来た別の店らしいのだ。
バスは1時間に1本もない。
タクシーなんか、こんなトコ流してるはずもない。駅に戻るには離れすぎている。よって歩くしかない…。
「まぁ、どうせ歩くつもりだったんだから大丈夫ですよ」と慰めてくれる二人。
が、俺は体感的にわかっていた。俺は国内外を含め、何度もこういう状況を経験しているので多分大丈夫。しかしこの暑さと荷物で、普段あまり運動していないこの2人が歩けるはずがない。
20分後、案の定、初めのうちは冗談を言いながら歩いていた2人も無口な時間が多くなってきた。
…40分後、完全に無口に。はぁ~…、俺がここの墓に来る時は、何でマトモに来れた試しがないんだ!?
2人に申し訳なくて、頭を抱える俺。
そして1時間以上歩いたろうか、道端に休憩所を発見。そこで一旦休憩しようということに。
どれ位の距離を歩いたんだろう。それを知るために、近くで車の窓を開けて涼んでいた、ジャガイモのような頭のおじさんに尋ねる。
「○○まで、あとどれ位ありますか?」
『いやぁ、まだ大分あるで』
「そうですか…はぁ…」
『どうした?兄ちゃん達、どっから来たんや?』
「東京の方から墓参りに来たんですけど、滅多に来れないもんだから降りる場所を間違えちゃって…」
いやぁ、まいった。俺はまだまだ大丈夫だが、他の二人、特にダンがもう限界に近い。すると…
『おう、兄ちゃん達、後ろ乗れ。俺が乗せてってやるけ』
えぇっ!?都会では残虐な殺人事件ばっかり起きている今日この頃。それなのにこんなに気さくに車に乗せてくれるなんて!
やはり田舎の人達は優しい。オッチャン、ジャガイモみたいな頭なんて言ってごめんなさい!
その後はビュ~ンとひとっとび。
墓参りも無事にすませ、駅へ戻り、また4時間の旅をして岡山の夜を過ごすのであった…。(むかい)
次の宿泊予定地「岡山」まで行く間に、山口県に寄って俺の実家の墓参りをするためだ。
俺ん家の墓は山口県と言っても瀬戸内海に浮かぶ“大島”という島の“久賀”という小さな町にあるから、本当は俺ひとりで行って他の人たちは自由にどこか見て回ってもらうつもりだったのだが、そこのキレイな空と海を見たいと言ってゼブラ全員で行く事になったのだ。
さて、博多を出発して約4時間、ようやく鈍行しか停まらない無人の最寄り駅「大畠」に3年ぶりに到着。相変わらず駅前には何もないが、驚いたことにゼブンイレブンができていた!いやぁ、この町も牛の歩みのようなスピードで、少しずつ進歩してるんだな。
そしてバスに乗るのだが、時刻表を見ると16時まで来ない。そんなばかなっ!
「じゃぁ、綺麗な海を見ながら歩きますか!」と楠美クン。
いや多分1時間以上歩かにゃならんて。気温は軽く37度くらいあるし。
しかし楠美クン、やる気満々。普段インドア派のダンまでノリノリなんて、さては暑さで脳をやられたか。
もうこの勢いは止められそうにないので、俺も諦めて腹ごしらえしてから歩くことに。そして食事も終り、歩く前に体を軽くしていこうとダンがトイレへ。
その直後、バス到着……何で?
トイレで踏ん張っているダンを慌てて呼び戻し、いよいよ出発するも何年も来ていないので場所が正確にわからない。何年も放置されている潰れたままのパチンコ屋の近くだということしかわからない。
そこで外を眺めながら構えていると、しばらくしてパチンコ屋が登場。しかも営業している!
「うぉぉ!ひょっとして10年ぶりくらいに店がオープンしてんじゃね?」と、慌ててボタンを押して下車。そして意気揚々と歩き出す3人。目的地はもうすぐだ。
「海も空も空気もキレイ。最高の気分だね~♪」と楠美クン・ダンは鼻歌まで歌っている。
そしていよいよ………………………到着しない。……何でだーーー!?
???と思って歩き続けると、墓の近くにあるスーパーの看板が出現。
「この先6km」
……アレ?
そうなのだ。さっき目印にして降りたパチンコ屋。どうやら最近出来た別の店らしいのだ。
バスは1時間に1本もない。
タクシーなんか、こんなトコ流してるはずもない。駅に戻るには離れすぎている。よって歩くしかない…。
「まぁ、どうせ歩くつもりだったんだから大丈夫ですよ」と慰めてくれる二人。
が、俺は体感的にわかっていた。俺は国内外を含め、何度もこういう状況を経験しているので多分大丈夫。しかしこの暑さと荷物で、普段あまり運動していないこの2人が歩けるはずがない。
20分後、案の定、初めのうちは冗談を言いながら歩いていた2人も無口な時間が多くなってきた。
…40分後、完全に無口に。はぁ~…、俺がここの墓に来る時は、何でマトモに来れた試しがないんだ!?
2人に申し訳なくて、頭を抱える俺。
そして1時間以上歩いたろうか、道端に休憩所を発見。そこで一旦休憩しようということに。
どれ位の距離を歩いたんだろう。それを知るために、近くで車の窓を開けて涼んでいた、ジャガイモのような頭のおじさんに尋ねる。
「○○まで、あとどれ位ありますか?」
『いやぁ、まだ大分あるで』
「そうですか…はぁ…」
『どうした?兄ちゃん達、どっから来たんや?』
「東京の方から墓参りに来たんですけど、滅多に来れないもんだから降りる場所を間違えちゃって…」
いやぁ、まいった。俺はまだまだ大丈夫だが、他の二人、特にダンがもう限界に近い。すると…
『おう、兄ちゃん達、後ろ乗れ。俺が乗せてってやるけ』
えぇっ!?都会では残虐な殺人事件ばっかり起きている今日この頃。それなのにこんなに気さくに車に乗せてくれるなんて!
やはり田舎の人達は優しい。オッチャン、ジャガイモみたいな頭なんて言ってごめんなさい!
その後はビュ~ンとひとっとび。
墓参りも無事にすませ、駅へ戻り、また4時間の旅をして岡山の夜を過ごすのであった…。(むかい)