やあ、ざわえもんです。今回も可能な限り正確な判断をする方法についてというタイトルで投稿するゾ。前提として、人生は鬼ほど不平等で残酷です。それをご了承の上、本題に入りましょうかw 先ずは2つの例をご紹介します。

例1↓
赤ちゃんを授かったばかりの人がおり、子育てをするのに有利な物件をその人は探そうとしています。友人に相談したり、地域について調べたり、実際に何軒か家を観覧したりしています。

上記の例では、世界中の機関で膨大な納税申告データを分析し、データを網羅的に集めて分析するというデータマイニングをしたところ、規範的な大人が周りに多くいたり、学術的な知能指数が高い学校等の近くに引っ越したりすると、子育てを有利に進める事が出来ると指摘されています。

例2↓
芽が出ないアーティストがいます。専門書も大量に買い、友人に助言を仰ぎ、作品を何回も修正しましたが、どれも殆ど効果はありませんでした。

上記の例では、サミュエル・フライバーガー氏という科学者が、6桁の画家のキャリアを追跡調査したところ、未だ成功していない画家ほど限られた場所で作品を展示する傾向にあり、成功した画家ほど多様な場所で作品を展示する傾向にあります。

つまりデータというのは誤った先入観や思い込みを正し、正確な判断をする為には極めて重要なリソースであると言っても過言ではありません。例えばNBAの選手が放った計3億回ものシュートを分析した論文では、そのシュートの平均値は理想のシュートと言うには難しいという結果になっており、レイアップシュート等の比較的短い距離のシュートの失敗率は、スリーポイントシュート等の比較的長い距離のシュートの2倍以上である事も報告されており、バスケットボールコートの四隅辺りに位置しているコーナーからのショットでは、ゴールに付いているバックボード側よりもセンターサークル側の選手に出すパスの方が多く、選手達がバックボードにボールが当たってゴールを外すのを恐れる為であるという分析がされています。他にもシリコンバレーのIT企業等も、重大な決断を下す際はデータを重んじていたり、グーグルもGメールへのリンクを最も増やせるのは何かを調べる為に、41種類ものグラデーションの異なる青色を試し、この実験によってグーグルの広告収入は推定約2億ドル以上にもなり、グーグルは約1兆8000億ドル以上もの企業に成長し、グーグルの元最高経営責任者であるエリック・シュミット氏は、「我々は神を信じる、他の事はデータが導いてくれる」と述べています。また、世界的な数学者でルネッサンス・テクノロジーズの創設者であるジェームズ・シモンズ氏はウォール街を緻密に分析し、投資や金融等について分析するクオンツチームも膨大な量のデータマイニングをし、決算報告の株価への影響や食料不足の影響、又はメディア取材での企業コメントは株価にどう言った影響を及ぼすか等の、時事と株価の相関性について探っています。そしてシモンズ氏らはこれらのデータマイニングをした結果、ルネッサンスの旗艦ファンドであるメダリオンは手数料を引く前で年間利回り66%という伝説的な数字を叩き出し、同時期のアメリカの時価総額が大きい様々な職種の約500種の会社で構成された「S&P500」では、平均利回りが約10%とされており、シカゴ大学のブース・スクール・オブ・ビジネス教授のユージン・ファーマ氏が、1960年代初頭に出版した論文で提唱した学術的な概念である効率的市場仮説というものがあり、この効率的市場仮説はS&P500の実績を有意に上回る事は出来ないとする説なのですが、この説を信奉するアメリカのダートマス大学の金融特別教授であるケネス・フレンチ氏は、「ルネッサンスは他の市場参加者よりも単純に優秀な様だ」と述べています。ちなみに効率的市場仮説については、証券価格に反映される利用可能な全ての情報をどのように考えるかによってウィーク・フォーム、セミストロング・フォーム、ストロング・フォームの3種類の効率性に分けられています。

ウィーク・フォーム↓
この効率性は、過去の証券価格の変動についての価格情報は将来の証券価格の変動を予測するのに役に立たず、過去の証券価格の変動と将来の証券価格の変動は独立であるとするランダム・ウォークの考え方であり、ウィーク・フォームの市場では、チャート分析のように過去の価格情報に基づく分析だけでは市場を継続的に上回る投資を行う事は出来ない。

セミストロング・フォーム↓
この効率性は、過去の価格情報だけでなく、公表されている全ての情報が証券価格に織り込まれているという考え方であり、セミストロング・フォームの市場では、価格情報や公表情報を活用する事によってだけでは市場を継続的に上回る投資を行う事は出来ない。

ストロング・フォーム↓
この効率性は、価格情報、公表情報に加えて未公開の内部情報もすでに証券価格に織り込まれているという考え方。ストロング・フォームの市場では、例え内部情報を持っていても市場を継続的に上回る投資を行う事は出来ない。

また、1993年にアメリカの経済学者であるユージン・ファーマ氏と、先程ご紹介したケネス・フレンチ氏によって提唱された3ファクターモデルというものがあり、これに収益性と投資のファクターを追加した5ファクターモデルの式が、

【式】↓

Ru-Ry=βuKT., (RM-Rf) +βSMB, SMB+βHML, HML+βRMwRMW+βcma,iCMA + L

R₁ 資産のリターン 
R₂ 安全資産のリターン 
RM マーケットポートフォリオのリターン
SMB 企業規模 (時価総額) に関する危険因子
HML 価時価比率に関する危険因子
RMW 収益性に関する危険因子
CMA 投資に関する危険因子
BSMB.L BHMLL BRMW., BCMA
それぞれの危険因子に対する感応度。

まぁマーケットポートフォリオは全ての資産からなる資産構成という意味で、これらの理論から導き出せるのは資産の期待収益率なのですが、難しいので頭の片隅に入れておくだけでも結構ですw では話を先に進めますと、イギリスのサセックス大学とロンドン・スクール・オブ・エコノミクスが、1万人以上の18歳以上の男女から得た約100万件の回答を元に分析し、サセックス大学のジョージ・マッケロン博士が開発したアプリ「mappiness」というアプリをダウンロードして登録した主にイギリス在住者に対して、スマートフォンに1日に1~5回プッシュ通知を送信し、通知を受けた時点で行っていた活動とその時の幸福度の回答をまとめたというもので、その幸福度の増加&減少率の結果としては、

幸福度の高い活動トップ33
※()の中は幸福度の増加&減少率です。

1.好きな人との交流、身体的な触れ合い(14.20%)
2.劇場や映画館、ダンス公演、コンサートに行く(9.29%)
3.展覧会、美術館、図書館に行く(8.77%)
4.スポーツ、ランニング、エクササイズ(8.12%)
5.ガーデニング、家庭菜園(7.83%)
6.歌を歌う、楽器の演奏、演技など(6.95%)
7.おしゃべり、人との交流(6.38%)
8.バードウォッチング、ネイチャーウォッチング(6.28%)
9.ウォーキング、ハイキング(6.18%)
10.狩り、釣り(5.82%)
11.飲酒(5.73%)
12.手工芸などの趣味(5.53%)
13.瞑想、宗教活動(4.95%)
14.スポーツ観戦(4.39%)
15.子どもの世話、子どもと一緒に遊ぶ(4.10%)
16.ペットの世話、ペットと一緒に遊ぶ(3.63%)
17.音楽を聴く(3.56%)
18.ビデオゲーム以外のゲーム、パズル(3.07%)
19.ショッピング、お使い(2.74%)
20.ギャンブル、賭け事(2.62%)
21.テレビ(映画含む)を観る(2.55%)
22.コンピュータゲーム、スマホゲーム(2.39%)
23.食べること、間食(2.38%)
24.料理(2.14%)
25.コーヒーや紅茶を飲む(1.83%)
26.読書(1.47%)
27.スピーチやポッドキャストを聞く(1.41%)
28.洗濯、服を着替える、身づくろい(1.18%)
29.寝る、休息をとる、リラックスする(1.08%)
30.喫煙(0.69%)
31.インターネットをブラウズする(0.59%)
32.メール、SNS(0.56%)
33.家事、雑用、DIY(0.55%)

幸福度下げる活動のトップ7

1. 具合が悪くて寝ている通勤、移動(-20.4%%)
2. 仕事や勉強(-5.43%)
3. 介護、手助け(-4.30%)
4. 待つこと、並ぶこと(-3.51%)
5. 金銭管理、整理整頓(-2.45%)
6. 会議、セミナー、授業(-1.50%)
7. 通勤、移動(-1.47%)

という結果になったそうです。まぁこのデータから推測出来るのは、人はインドアな趣味よりも、アウトドアな趣味の方が幸福度が上がる傾向にあるという事ですよねw 加えてアメリカのイリノイ大学名誉教授の心理学者エド・ディーナー氏らの論文によりますと、主観的な幸福度の高い人はそうでない人に比べて創造性が平均で3倍高く、生産性は31%高く、仕事の売り上げは37%も高い傾向にあると報告しており、他の論文でも、

1.幸福度の高い従業員は創造性が86%高い (カリフォルニア大学バークレー校)

2.幸福度の高い従業員の退職率は51%低い (ギャロップ社)

3.幸福度の高い従業員の事故率は41%低い (ギャロップ社)

4.幸福度の高い従業員は生産性が12%高く、幸福度の低い従業員は生産性が10%低い(イギリスのウォーリック大学)

5.幸福度の高い営業員の営業成績は37%高い (アメリカのポジティブ心理学者、マーティン・セリグマン氏)

6.幸福度の高い従業員の病欠率は66%低い(経済誌のフォーブズ)、
幸福度の低い社員の病欠日数は、高い社員の10倍(イギリスの企業コンサルタントの、iOpener Institute for People and Performance)

これらの報告があり、他にも

1.ナイジェリア郊外とアメリカ都市部で657人の女性を対象に行われた調査では、近代化された都市に住む人ほど鬱病にかかりやすい傾向がある。

2.屋外の緑豊かな場所や自然の中にいるときの方が幸福度が高い傾向にある。

3.3日間のハイキング終了後にテストを受けたグループは、そうでないグループと比較してテストの得点が50%も高かった。

4.森を散策すると、ストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールの値が16%減少。

5.自然を見た人はリラックスしている時に出るアルファ波が確認された。

6.ヒノキの香りで満たした部屋で3泊した被験者は、免疫に重要な役割を果たしているナチュラルキラー細胞の数が約20%も増えていた。

更に、「the American National Academy of Sciences」、こちらの機関で発表された約34万1000人の被験者を対象に行われた研究によりますと、人は成人してからしばらくは幸福度は減少傾向にあり、40代後半に差し掛かると幸福度は上昇し始め、85歳でピークに達するまで幸福度は上昇すると報告され、イギリスの食品メーカーであるヨーバレー社が、18歳から65歳の男女に対して幸福度を5段階で評価してもらうアンケートを実施したところ、毎晩6時間15分以上寝ている人達の全員が最大評価の5を付けたという結果になっています。まぁこれらの論文でもある通り、データが最も中立的かつ正しい判断をする上で重要である事がご理解頂けるかと思いますw まぁ取り敢えずここまでw 次回に続く。ご視聴アサンテサーナw

参考文献↓
「DON'T TRUST YOUR GUT」

著者 
セス・ステーヴィン・ダヴィドウィッツ氏

訳者 酒井泰介氏

様々なサイト、