うっす、ざわえもんです。今回は時間のメカニズムについて⑰の続きです。まぁ前回は断食やカフェインのメリット等についてご紹介しましたが、今回も最初はカフェインについてご説明します。先ずイギリスのラフバラ大学の1997年の研究によりますと、被験者達をカフェインを一定量摂取させたグループ、仮眠だけをしたグループ、カフェイン摂取と仮眠の両方をしたグループの3つに分け、その後にシュミレーターによって運動能力をテストしたところ、カフェイン摂取と仮眠の両方をしたグループは、他の2つのグループよりもミスをする回数が減少したという結果になっており、日本の広島大学の2003年の研究によれば、カフェイン摂取をした後に仮眠を取ったグループと、目覚めた直後に眩しい光を浴びせられた被験者を比較すると、前者の方が記憶力テストで好成績を収める傾向にあったという事が報告されています。ちなみにカフェインの効用の半減期というのが平均で5~6時間ほどとされており、イギリスのインディペンデント紙の2022年9月の記事において「10-3-2-1-0」睡眠法というものが紹介されており、この睡眠法はアメリカの医師のジェス・アンドラーデ氏がインスタグラムで紹介し、2016年にカナダの自己啓発コーチ兼作家のクレイグ・バランタイン氏が提案したとされています。この10-3-2-1-0睡眠法は5つのルールから構成されており、最初の4つのルールは就寝前に実践します。
「10-3-2-1-0」睡眠法の方法↓
「10」↓
就寝の10時間前にはカフェインの摂取を控える。
「3」↓
就寝予定時間まで3時間を切ったら食事や飲酒はしない。
「2」↓
就寝予定時間まで2時間前を過ぎたら仕事や宿題等はしない。
「1」↓
就寝1時間前になったらスマホやタブレット、テレビ等は見ない。
「0」↓
スムーズに起床する。
また、リヨンのル・ヴィナティエ医療センター生物精神医学部門の責任者であり、睡眠を専門とする精神科医のパトリック・ルモワヌ氏によりますと、10時間前からコーヒーの飲用を控える事は科学的根拠にも則っていると述べており、カフェインは一回摂取すると完全に体内から消えるまでに約10時間以上掛かるとされているのに加えて、年齢を重ねる毎に体内のカフェインの排出量が滞る傾向にあり、ルモワヌ氏は、「60歳を過ぎたら、コーヒーを飲むのは午前中だけにするのが良い」、こう述べている通り、なるべく夕方や夜のカフェイン摂取は控えるのがベターと言えます。また、カフェインの他にも認知機能を上げる事が出来る習慣というのがあり、それが日本政府が1982年に提唱した森林浴というもので、森林に短時間でも入るとストレスや心拍数や血圧が低下する傾向にある事が世界各国の研究でも明らかにされており、アメリカのミシガン大学の2008年の研究でも、市街地を歩いた人よりも公園を歩いた人の方が認知テストの成績が20%高いという結果になっており、アメリカのジョージタウン大学コンピューターサイエンス准教授であるカル・ニューポート氏の著作である、「大事な事に集中する」、こちらの著作にて、「自然を歩く時は、注意をどこかに集中させる必要がなく、行く手を阻む障壁や乱雑した情報が殆どない上に、興味深い刺激で適度に頭がいっぱいになり、積極的にどこかへ注意を向けなくなり、集中力の回復を助けてくれる」、こう述べています。まぁ所謂1980年代に、ミシガン大学の心理学者であるレイチェル・カプラン氏&スティーブン・カプラン氏によって提唱された注意回復理論(ART)です。また、注意回復理論を理解する上で説明する必要がある要素が、意識して注意を払う自発的注意(directed attention)、意識せずに注意を払う非自発的注意(effortless attention)、この2つの要素であり、注意回復理論の回復特性とされているのが、①日常からの離脱(Being away)、②拡がり(Extent)、③魅惑(Fascination)、④適合性(Compatibility) の4つであり、1989年のカプラン夫妻が30人の被験者を対象にした実験によりますと、アクアリウムのある場所で15分間の英文タイピングを行なわせ、その後に10分間休憩をさせた後に、作業の前後と休憩後に感情や気分の評価と唾液アミラーゼの測定を、また休憩後にアクアリウム、実験室の回復特性と空間の総合的な印象を被験者達に評価してもらい、実験中の被験者達の心拍変動と視線の動きを測定した分析の結果、アクアリウムは「魅了」「視野」「好み」といった回復特性を持っており、アクアリウムの置かれた空間も「魅了」の側面で高く評価される事が明らかになっています。また、アクアリウムは休憩時に長く注視され、また注視時間が長いほど交感神経と副交感神経の緊張度が低くなった事から、アクアリウムの持つ注意回復特性が被験者の注意を引きつけ、その結果ストレス緩和につながったと考えられているとの事です。またこれらの実験の結果から、カプラン夫妻は、非自発的注意の時間が長くなればなるほど自発的注意力が回復し、自然の中で過ごす事は特筆して自発的注意力の回復に効果的であると述べています。また、アメリカのカリフォルニア大学サンタバーバラ校の2013年の研究によりますと、1日10分の瞑想を2週間継続した学生は、大学院に進学する為のテストの言語スコアが460点から520点に増加し、別の研究によりますと瞑想はストレス低減、幸福感や集中力や創造性や短期記憶能力やレジリエンスの増加、肉体的及び精神的疲労の緩和、鎮痛及び鎮静作用、ダイエットやアンチエイジング等の豊富な効果があるという報告がされており、2006年のアメリカのハーバード大学とイェール大学とマサチューセッツ工科大学らの研究によりますと、日常的に瞑想を行っている被験者と瞑想を行っていない被験者の脳を核磁気共鳴画像法でスキャンして比較したところ、前者は大脳皮質の注意と知覚を司る部位が大きく厚みが増している傾向にあるという結果になっており、時には呼吸や五感に集中して無心になる事が人生を優雅に生きる秘訣であると言えます。また、ハーバード大学の心理学者であるヴェイラント氏の成人発達研究の調査では、ハーバード大学卒の男性たちと、ボストン育ちの貧しい男性たち、この2つのグループの合計724人を75年に渡って追跡調査をした結果、「人間の幸福感と健康の質を高めてくれるのは良質な人間関係である」、この様に結論付けられており、家柄、学歴、職業、家の環境、年収や老後資金の有無等は大して関係がなく、人間の幸福度、健康と直接的に関係があったのは人間関係であるという結果になり、友人の人数は関係なく、一人でも心から信頼できる人が周囲にいるかどうかの方が重要であると研究チームはコメントしており、良質な人間関係に身を置いている間は緊張が緩和され脳が健康に保たれ、心身の苦痛の緩和等の効果が見られた一方で、孤独を慢性的に感じている人は病気の発症リスクが高く、短命な傾向であると報告されています。加えてカリフォルニア工科大学のオードハーティー氏らの研究によりますと、人間は誰かの笑顔を見ると主に喜びを司る脳の報酬系が活性化するという事が報告されており、イギリスのアルスター大学のブリック氏らの研究によりますと、運動中に笑顔でいると運動の苦痛度が軽減されるという事が報告されており、アメリカのミシガン州立大学のモーザー氏らの研究によりますと、ネガティブな性格の持ち主に前向きな事を言うと逆効果になると報告しており、ネガティブ思考だと自己申告した被験者達の血流は大きく反応して非常に早くなり、所謂パニック状態になったのですが、ネガティブな性格の被験者達に研究チームがポジティブに考える様に指示したところ、反って脳の血流が早くなり余計にパニック症状が増加したという結果になっており、これらの理由として推測されているのが、自分の信念や意見と相対する情報に触れた時に反ってより自分の信念や意見を強固にするというバックファイア効果が関係しているとされており、基本的にニュートラルかつ柔軟に考える事が重要となります。これらの事から、人間の性格や周りの環境は時間感覚に多大なる影響を与えるのは論旨明快ですが、脳の根元的欲求というのは「生きたい」、「知りたい」、「仲間になりたい」、この3つの欲求とされており、これらの欲求を満たす様な行動をするだけでも人生の様々な場面においてパフォーマンスが向上するという事が様々な論文にて報告されています。また、学術誌「Psychoneuroendocrinolgy」に掲載されたアメリカのライス大学の研究によりますと、配偶者を亡くしたばかリの100人弱を対象に、インタビューと採血を実施したところ、「過度な悲しみ」を抱いている人の血液は、悲しみがそれほど強くない人の血液に比べて、炎症性サイトカインの血中濃度が17%高く、悲しみが強い上位3分の1は、下位3分の1の人に比べて、炎症性サイトカインの血中濃度が約54%高かったと報告されており、うつ病が炎症レベルの上昇を助長し、配偶者を亡くした人は、大うつ病障害 、心臓発作、脳梗塞、早死の発症リスクが増加すると論文筆者の心理学者であるクリス・ファデンス氏は述べています。ちなみに誰かに嘘を付かれたり裏切られたりすると傷付きますよねw しかし、嘘を付かれたり裏切られるのが怖いからと言って人を避けていれば破滅への一途を辿ってしまいます。要は人というのは誰しもが嘘を付くので大して気にしなくても良いという事です。例えばアメリカのベル研究所のデータでは、人間は1日に平均で男性は6回、女性は3回嘘を付くとされており、スタディ・ファインズが2022年にアメリカの成人2000人を対象に行った調査によれば、平均的な人間は1日に約4回嘘を付くと報告されており、男性は虚栄心の為の嘘を付きやすく、女性は人を煽てる為の嘘を付きやすく、知人よりもあまり良く知らない人に対して嘘を付く回数の方が比較的多いとされています。また人は言葉では嘘を付けますが、言語やイメージを用いて仮想のシナリオを構築するのは脳に大きな負荷が掛かり、身体のコントロール能力が減りますので、平均的な人が他人の嘘を見破れる確率はコイン投げと同じ位とされていますが、人が嘘を付く時の主な特徴というのが、
1.いつもより応答が早め。
2.同じ返事を繰り返す。
3.表情が固くなり、よく頷く。
4.距離を取って話をする。
5.話す時に口を触る。
6.会話の途中に水を飲み始める。
7.相手を見つめるか、目を反らすか。
とされています。まぁこれらの特徴は万能ではありませんが、大体の人に共通する嘘を付いた際の特徴です。加えて人は嘘を付く時に異常に否定系と一人称が増え、曖昧な表現を好むとされています。だからもし皆さんも俺に嘘を付く時はこれらの事に気を付けて、バレないように精密な嘘を付いてくださいねw じゃないと普通に君達が何考えてるかなんて基本的に分かっちゃうからw まぁそんくらいですね~。取り合えず次回から違う本になりますのでよろしくお願いしますw ご視聴ありがとうございましたw またねだお!?
参考文献↓
「時間術大全 人生が本当に変わる87の時間ワザ」
著者 ジェイク・ナップ氏
ジョン・ゼラツキー氏
訳者 櫻井祐子氏
様々なサイト